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2026年06月16日
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無意識すぎる二人
2009年10月21日
「ファーラーぁ、腹減ったぁー。」
弱弱しい声で、リッドが訴える。それと共に腹も鳴っているので、説得力はある。
ファラは苦笑すると、「ちょっと待っててね。」と言って宿屋の厨房を借りに行った。
宿屋の飯を頼んで食えばいいのだが、
「今はファラのオムレツが食いたい。」
というリッドの希望をファラは快く引き受けてくれた。
リッドは本気で腹が減っているようで、テーブルに一人座ると、力無くだらんとテーブルに突っ伏する。
「ファラーまだー」と呟いていた。
待つこと十分。
ほとんど萎れているリッドの鼻に、いつもの良い匂いがふわりと届いてきたことで、リッドはガバリと顔を上げる。ファラが一人分(にしては量が多い。リッド限定での量だろうか)のオムレツを運んでくる。
「おまたせー!」と言って、ことりとテーブルに皿を置く。リッドは用意していたスプーンを構えると、しっかりと「いただきます」と手を合わせると、妙に大きい一口を食べ始める。
リッドはさっきの萎れた顔が嘘のような笑顔で、オムレツをどんどん口に運ぶ。
向かいの席で、ファラがニコニコしながらリッドの様子を見つめていた。
「リッド、おいしい?」
「すっげぇうめぇ!!流石はファラのオムレツだぜ!」
「そっか。良かった。」
「ファラのオムレツなら、俺毎日食えるよ。全然飽きる気しねぇ。」
「もー、大袈裟なんだから!」
くすくすと笑うファラに、リッドも嬉しそうに笑う。早くも、あの大盛りのオムレツを平らげてしまった。
「あーうまかった!ごちそーさんー。」
「はーい、お粗末さまー。」
皿を片付けようと立ち上がったファラに、リッドは向き直る。
「サンキューファラ!これからもずっとオムレツ作ってくれよな!」
「うん、もちろんだよ!次はもっと美味しく作るね!」
「よっしゃ、楽しみにしてるぜ!」
リッドはそう言うと立ち上がって、珍しくファラの手伝いをすると言って、共に厨房に消えた。
その様子を途中から見ていたキールは、頭を抱える。
「あの二人の会話は、あれで自然なのか…?」
ストレートすぎて逆に清々しいと言った方がいいだろうか。
きっとあの二人は、自分達が一緒に居ることは当たり前だと思っているのだろう。今の時点では、離れることも考えていないと感じる。
あの二人はきっと一生あのままなんだろうな、と、キールは溜息をついた。
――――――――
リファラは日常が熟年夫婦です。
弱弱しい声で、リッドが訴える。それと共に腹も鳴っているので、説得力はある。
ファラは苦笑すると、「ちょっと待っててね。」と言って宿屋の厨房を借りに行った。
宿屋の飯を頼んで食えばいいのだが、
「今はファラのオムレツが食いたい。」
というリッドの希望をファラは快く引き受けてくれた。
リッドは本気で腹が減っているようで、テーブルに一人座ると、力無くだらんとテーブルに突っ伏する。
「ファラーまだー」と呟いていた。
待つこと十分。
ほとんど萎れているリッドの鼻に、いつもの良い匂いがふわりと届いてきたことで、リッドはガバリと顔を上げる。ファラが一人分(にしては量が多い。リッド限定での量だろうか)のオムレツを運んでくる。
「おまたせー!」と言って、ことりとテーブルに皿を置く。リッドは用意していたスプーンを構えると、しっかりと「いただきます」と手を合わせると、妙に大きい一口を食べ始める。
リッドはさっきの萎れた顔が嘘のような笑顔で、オムレツをどんどん口に運ぶ。
向かいの席で、ファラがニコニコしながらリッドの様子を見つめていた。
「リッド、おいしい?」
「すっげぇうめぇ!!流石はファラのオムレツだぜ!」
「そっか。良かった。」
「ファラのオムレツなら、俺毎日食えるよ。全然飽きる気しねぇ。」
「もー、大袈裟なんだから!」
くすくすと笑うファラに、リッドも嬉しそうに笑う。早くも、あの大盛りのオムレツを平らげてしまった。
「あーうまかった!ごちそーさんー。」
「はーい、お粗末さまー。」
皿を片付けようと立ち上がったファラに、リッドは向き直る。
「サンキューファラ!これからもずっとオムレツ作ってくれよな!」
「うん、もちろんだよ!次はもっと美味しく作るね!」
「よっしゃ、楽しみにしてるぜ!」
リッドはそう言うと立ち上がって、珍しくファラの手伝いをすると言って、共に厨房に消えた。
その様子を途中から見ていたキールは、頭を抱える。
「あの二人の会話は、あれで自然なのか…?」
ストレートすぎて逆に清々しいと言った方がいいだろうか。
きっとあの二人は、自分達が一緒に居ることは当たり前だと思っているのだろう。今の時点では、離れることも考えていないと感じる。
あの二人はきっと一生あのままなんだろうな、と、キールは溜息をついた。
――――――――
リファラは日常が熟年夫婦です。
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聖女は見た
2009年10月10日
今日は、珍しく怒っているエルを発見した。
一緒に居るのは、リカルドさん。
戦闘も一段落して、各々休憩してる時だったかな。私が木陰で休んでいた時、ルカ君とスパーダ君とイリアは見えたけど、視界にエルとリカルドさんがいなかった。
エルは散歩にでも行ったのかな、それにリカルドさんが付いて行ったのかも?それとも、二人ともバラバラにどっかに行っちゃったのかしら?もう、ここを離れるんだったら私に一言いってくれればいいのに。勝手にいなくなったことは、後でリカルドさんに文句を言おう。
暇だったから、二人を探しに行くことにした。
二人はすぐに見つかった。けど、なんだか入りにくい雰囲気だった。
そこで、冒頭に戻るわけね。エルが何だかリカルドさんを睨んでるみたい。当のリカルドさんは全然動じてない表情をしているけど。何があったんだろ?
話してることは全然聞こえない。もう少し近くに行ってみようかなって思って、エルの後ろにそっと近づいた。
リカルドさんは私に気付いたらしくて、私と目が合うと、少し驚いていた。心なしか困ってるようにも見えたけど、気のせいかなだと思って、どうしたのって声を掛けようとした。
……瞬間だった。
「おっちゃんのアホんだらぁっ!!もうウチに構わんといてぇや!!」
急にエルが怒鳴ったから、悲鳴をあげそうになった。それからすぐに、エルったらリカルドさんの脛を思いっきり蹴り上げちゃって。エルはリカルドさんに見向きもせず、私のすぐ横を走り抜けていった。私にも気付いてなかったみたい。
エルが見えなくなると、涼しげな顔をしてたリカルドさんが、地面によろよろと崩れ落ちちゃった。しかもリカルドさんたら脛を抑えて、「………おぉぉ………」とか何とか呻いてたし。
こんな頼りなさそうなリカルドさんを見たのは初めてだったから、少し呆然としちゃったけど、私はすぐに正気に戻ってリカルドさんに駆け寄った。
「リカルドさん?大丈夫ですか?」
「………セレーナか……問題はない………。」
大丈夫には見えなかった。顔はとにかく青冷めてたし、冷や汗もすごい。脛って蹴られたらこんなに痛いんだなって、今日初めて知ったかもしれない。
気休めにでも治癒術を掛けてあげようと思ったけど、リカルドさんに止められた。
「……俺の自業自得なんだ……。この痛みの分、ラルモの怒りをしっかりと受け止める……。」
ふらふらと立ちあがると、とにかくふらふらと歩き始める。とりあえず私は、そんな彼を支えながら歩いた。
それにしても、滅多に怒らないエルがここまで怒る出来事って何なんだろう?
リカルドさんは一回だけ、少しの間だけ、私たちを裏切ったことがある。
そのことに、スパーダ君もイリアも(ルカ君は微妙だったけど)すんごく怒ってた。私は単純にショックだったけど、それはエルも同じだった。エルは怒らなかった。
その後、ちゃんと私達のところに戻ってきてくれた。スパーダ君は悪態を付いていたけど、エルは喜んでた。
エルは、リカルドさんには割と結構懐いてる。そして、人に苛立ちとか、怒りとかをあんまり感じない。
「リカルドさん、エルに何かしたんですか?」
「………したつもりはなかった…。」
うーん、すっごく気になるなぁ。
でもリカルドさんは話してくれそうにないし、変に気まずくなるのもあれだったから、これ以上聞くのはやめておこう。二人にも事情があるものね。
みんなのところに戻ったら、不機嫌オーラを全開にしてるエルに、他の三人が困っているのを発見した。
……このままほっといたらパーティ内も気まずくなっちゃう感じがしたから、今度絶対話してもらおうと思った。
――――――――
リカエル+アンジュで、アンジュ視点。アンジュの口調って可愛いよね(関係無い
ケンカの内容はあれです、なんかリカルドがデリカシー無さ過ぎな発言でもしたんじゃないですか(適当
ところで、実際に脛蹴られるとどれくらい痛いんでしょうか。
一緒に居るのは、リカルドさん。
戦闘も一段落して、各々休憩してる時だったかな。私が木陰で休んでいた時、ルカ君とスパーダ君とイリアは見えたけど、視界にエルとリカルドさんがいなかった。
エルは散歩にでも行ったのかな、それにリカルドさんが付いて行ったのかも?それとも、二人ともバラバラにどっかに行っちゃったのかしら?もう、ここを離れるんだったら私に一言いってくれればいいのに。勝手にいなくなったことは、後でリカルドさんに文句を言おう。
暇だったから、二人を探しに行くことにした。
二人はすぐに見つかった。けど、なんだか入りにくい雰囲気だった。
そこで、冒頭に戻るわけね。エルが何だかリカルドさんを睨んでるみたい。当のリカルドさんは全然動じてない表情をしているけど。何があったんだろ?
話してることは全然聞こえない。もう少し近くに行ってみようかなって思って、エルの後ろにそっと近づいた。
リカルドさんは私に気付いたらしくて、私と目が合うと、少し驚いていた。心なしか困ってるようにも見えたけど、気のせいかなだと思って、どうしたのって声を掛けようとした。
……瞬間だった。
「おっちゃんのアホんだらぁっ!!もうウチに構わんといてぇや!!」
急にエルが怒鳴ったから、悲鳴をあげそうになった。それからすぐに、エルったらリカルドさんの脛を思いっきり蹴り上げちゃって。エルはリカルドさんに見向きもせず、私のすぐ横を走り抜けていった。私にも気付いてなかったみたい。
エルが見えなくなると、涼しげな顔をしてたリカルドさんが、地面によろよろと崩れ落ちちゃった。しかもリカルドさんたら脛を抑えて、「………おぉぉ………」とか何とか呻いてたし。
こんな頼りなさそうなリカルドさんを見たのは初めてだったから、少し呆然としちゃったけど、私はすぐに正気に戻ってリカルドさんに駆け寄った。
「リカルドさん?大丈夫ですか?」
「………セレーナか……問題はない………。」
大丈夫には見えなかった。顔はとにかく青冷めてたし、冷や汗もすごい。脛って蹴られたらこんなに痛いんだなって、今日初めて知ったかもしれない。
気休めにでも治癒術を掛けてあげようと思ったけど、リカルドさんに止められた。
「……俺の自業自得なんだ……。この痛みの分、ラルモの怒りをしっかりと受け止める……。」
ふらふらと立ちあがると、とにかくふらふらと歩き始める。とりあえず私は、そんな彼を支えながら歩いた。
それにしても、滅多に怒らないエルがここまで怒る出来事って何なんだろう?
リカルドさんは一回だけ、少しの間だけ、私たちを裏切ったことがある。
そのことに、スパーダ君もイリアも(ルカ君は微妙だったけど)すんごく怒ってた。私は単純にショックだったけど、それはエルも同じだった。エルは怒らなかった。
その後、ちゃんと私達のところに戻ってきてくれた。スパーダ君は悪態を付いていたけど、エルは喜んでた。
エルは、リカルドさんには割と結構懐いてる。そして、人に苛立ちとか、怒りとかをあんまり感じない。
「リカルドさん、エルに何かしたんですか?」
「………したつもりはなかった…。」
うーん、すっごく気になるなぁ。
でもリカルドさんは話してくれそうにないし、変に気まずくなるのもあれだったから、これ以上聞くのはやめておこう。二人にも事情があるものね。
みんなのところに戻ったら、不機嫌オーラを全開にしてるエルに、他の三人が困っているのを発見した。
……このままほっといたらパーティ内も気まずくなっちゃう感じがしたから、今度絶対話してもらおうと思った。
――――――――
リカエル+アンジュで、アンジュ視点。アンジュの口調って可愛いよね(関係無い
ケンカの内容はあれです、なんかリカルドがデリカシー無さ過ぎな発言でもしたんじゃないですか(適当
ところで、実際に脛蹴られるとどれくらい痛いんでしょうか。
君のため
2009年10月08日
今日はもう遅くなったから、ここでキャンプをとることになった。
「ファーラ!メルディがゴハン手伝うよー!」
「あ!メルディありがと!じゃ、お鍋見ててくれる?」
はーい!と返事をすると、メルディは軽やかに鍋の方へ移動する。
その間に、ファラは玉葱に取りかかる。
鍋からはいい香りが漂っている。今日のゴハンはなんだろなー、とメルディはウキウキしながら自身の役割を果たしていた。
しばらくすると、鍋がコトコトと音を立て始めた。ファラに「混ぜておいてね!」と言われたので、鍋の蓋をそっと開ける。野菜スープのようだ。少しだけ、とお玉で味見してみると、煮込まれたたくさんの野菜は柔らかく、味もしっかり付いている。
「バイバ!すっごく美味しいんだな!」
「そう?メルディにそう言ってもらえてよかった!」
ファラは料理が上手い。
メルディも、自分は料理ができる方だと言っていた。できる方と言うか、上手い部類に入る方だ。
それでも、ファラの上手さには敵わないと、思っていた。素早い動きとか、慣れた手つきとか、決まった野菜の大きさとか。メルディも、ファラの料理の腕に憧れている。
メルディはふと思う。
「なーファラ。」
「ん?何?」
「ファラは、なんで料理うまいか?メルディ、羨ましいよー。」
ファラは一瞬きょとんとしたが、すぐににこりと笑う。
「そんな事無いよ、メルディだって料理上手いじゃない。」
「ううん、ファラ、すっごく上手!アコガレ!」
「ありがと、何だか照れちゃうなぁ。」
そのとき、ファラも今まで気にしていなかったことが思い浮かぶ。
(私、いつからこんなに料理をするようになったんだっけ?)
考えたことも無かった。
気がついた時には、もう料理をしていた気がする。でも、始めた理由はちゃんとあった気がする。
……何だっただろうか?
料理は何時から初めた?初めての料理は何だった?何でオムレツが一番の得意料理になった?
初めて料理を食べてくれた人は、誰だった?
いつも私の料理をする姿を、見守っていたのは………?
ファラの手が止まる。それを見たメルディが、不思議そうにファラを見た。
「ファラ?」
「……メルディは、料理が上手くなりたい?」
「なりたいよ!料理うまくなって、好きな人にいっぱい作ってあげたいよ!」
嬉しそうに言うメルディをみて、ファラの頭に一人の人間が浮かぶ。
素直じゃない、秀才の幼馴染の姿。
そう思ったら、自然と笑いが漏れる。きっと彼なら、メルディの作った料理に文句を言いつつ、全部しっかり食べるだろうと思いながら。
「そうだね、喜ぶかもね。」
「はいな!ファラは、誰のために料理作るか?」
誰の、ために?
私は誰のために料理を作ったのか?覚えたのか?さっきの自身との問答が、再び繰り返される。
考えれば考えるほどわからなかった。
「やっぱり、リッドのためか?」
メルディの嬉しそうな声に、ファラはハッとする。
リッド?
料理は何時から始めた?―――リッドがお腹が減ったって言ってたから、作ってみたんだ。
初めて作った料理は何だった?―――それがオムレツだったんだ。
何でオムレツが一番の得意料理になった?―――リッドがそのオムレツをおいしいおいしいって言って食べてくれたから、もっと上手くなるためにたくさん練習したんだ。
初めて料理を食べてくれた人は?―――紛れも無く、リッドだった。お父さんでも、お母さんでもなく。
いつも私の料理する姿を、見守っていてくれたのは?―――いつもいつも、同じ人。
料理を覚えたのは何で?―――リッドに、もっと食べてもらいたかったから。
私は誰のために料理をするの?―――そうだ。ただ一人の、リッドのため、に。
「……ふふっ、そっか、リッドのためかぁ…。」
「ファラ?」
「ね、メルディ、料理が上手くなる隠し味、教えてあげる。すっごく簡単だから。」
「ワイール!ほんとか?!」
メルディは飛び上がって喜んでいた。そして、ファラにキラキラとした視線を向ける。
「隠し味って、何ー?ソディとは違うのか?」
「うん。作ってあげる人への、愛情だよ。」
簡単でしょ?とファラが言うと、メルディは最初キョトンとしていたが、すぐに満面の笑みで頷いた。
――――――――
ファラとメルディの話でした。いつものごとく長くなった…!なんかリッド←ファラって感じ?
ファラの初めての料理がオムレツとか、初めて食べてくれた人がリッドとか、全部捏造です。でもあながち間違いでもないと思うんだ…。そういうリファラ萌え。
ちなみにこの頃のメルディは、まだキールのことを意識しているわけじゃありません。でてないけど、キールはメルディのことを意識してます。寧ろ好きになってます。
「ファーラ!メルディがゴハン手伝うよー!」
「あ!メルディありがと!じゃ、お鍋見ててくれる?」
はーい!と返事をすると、メルディは軽やかに鍋の方へ移動する。
その間に、ファラは玉葱に取りかかる。
鍋からはいい香りが漂っている。今日のゴハンはなんだろなー、とメルディはウキウキしながら自身の役割を果たしていた。
しばらくすると、鍋がコトコトと音を立て始めた。ファラに「混ぜておいてね!」と言われたので、鍋の蓋をそっと開ける。野菜スープのようだ。少しだけ、とお玉で味見してみると、煮込まれたたくさんの野菜は柔らかく、味もしっかり付いている。
「バイバ!すっごく美味しいんだな!」
「そう?メルディにそう言ってもらえてよかった!」
ファラは料理が上手い。
メルディも、自分は料理ができる方だと言っていた。できる方と言うか、上手い部類に入る方だ。
それでも、ファラの上手さには敵わないと、思っていた。素早い動きとか、慣れた手つきとか、決まった野菜の大きさとか。メルディも、ファラの料理の腕に憧れている。
メルディはふと思う。
「なーファラ。」
「ん?何?」
「ファラは、なんで料理うまいか?メルディ、羨ましいよー。」
ファラは一瞬きょとんとしたが、すぐににこりと笑う。
「そんな事無いよ、メルディだって料理上手いじゃない。」
「ううん、ファラ、すっごく上手!アコガレ!」
「ありがと、何だか照れちゃうなぁ。」
そのとき、ファラも今まで気にしていなかったことが思い浮かぶ。
(私、いつからこんなに料理をするようになったんだっけ?)
考えたことも無かった。
気がついた時には、もう料理をしていた気がする。でも、始めた理由はちゃんとあった気がする。
……何だっただろうか?
料理は何時から初めた?初めての料理は何だった?何でオムレツが一番の得意料理になった?
初めて料理を食べてくれた人は、誰だった?
いつも私の料理をする姿を、見守っていたのは………?
ファラの手が止まる。それを見たメルディが、不思議そうにファラを見た。
「ファラ?」
「……メルディは、料理が上手くなりたい?」
「なりたいよ!料理うまくなって、好きな人にいっぱい作ってあげたいよ!」
嬉しそうに言うメルディをみて、ファラの頭に一人の人間が浮かぶ。
素直じゃない、秀才の幼馴染の姿。
そう思ったら、自然と笑いが漏れる。きっと彼なら、メルディの作った料理に文句を言いつつ、全部しっかり食べるだろうと思いながら。
「そうだね、喜ぶかもね。」
「はいな!ファラは、誰のために料理作るか?」
誰の、ために?
私は誰のために料理を作ったのか?覚えたのか?さっきの自身との問答が、再び繰り返される。
考えれば考えるほどわからなかった。
「やっぱり、リッドのためか?」
メルディの嬉しそうな声に、ファラはハッとする。
リッド?
料理は何時から始めた?―――リッドがお腹が減ったって言ってたから、作ってみたんだ。
初めて作った料理は何だった?―――それがオムレツだったんだ。
何でオムレツが一番の得意料理になった?―――リッドがそのオムレツをおいしいおいしいって言って食べてくれたから、もっと上手くなるためにたくさん練習したんだ。
初めて料理を食べてくれた人は?―――紛れも無く、リッドだった。お父さんでも、お母さんでもなく。
いつも私の料理する姿を、見守っていてくれたのは?―――いつもいつも、同じ人。
料理を覚えたのは何で?―――リッドに、もっと食べてもらいたかったから。
私は誰のために料理をするの?―――そうだ。ただ一人の、リッドのため、に。
「……ふふっ、そっか、リッドのためかぁ…。」
「ファラ?」
「ね、メルディ、料理が上手くなる隠し味、教えてあげる。すっごく簡単だから。」
「ワイール!ほんとか?!」
メルディは飛び上がって喜んでいた。そして、ファラにキラキラとした視線を向ける。
「隠し味って、何ー?ソディとは違うのか?」
「うん。作ってあげる人への、愛情だよ。」
簡単でしょ?とファラが言うと、メルディは最初キョトンとしていたが、すぐに満面の笑みで頷いた。
――――――――
ファラとメルディの話でした。いつものごとく長くなった…!なんかリッド←ファラって感じ?
ファラの初めての料理がオムレツとか、初めて食べてくれた人がリッドとか、全部捏造です。でもあながち間違いでもないと思うんだ…。そういうリファラ萌え。
ちなみにこの頃のメルディは、まだキールのことを意識しているわけじゃありません。でてないけど、キールはメルディのことを意識してます。寧ろ好きになってます。
守るお前と守られる俺
2009年10月04日
無理をしていたわけじゃない。
大体、一番疲れているのは前線で戦っているあいつの方だ。
俺さまはあいつが守ってくれてる中で、後ろから魔法を唱え続けるだけ。
たまーに前に出て戦ったりするけど、やっぱり俺さまに前線は合わないようだ。
今日も今日とて、後ろの方で魔法を唱える。敵を攻撃したり、仲間を回復したり。
……まぁ、はっきり言って回復も魔法も、すんごくだるいんだわ。
集中するから、気力が続かなくなったり、詠唱途中で邪魔されたりしたら、集中が急に切れてすんごい疲労が圧し掛かる。
魔法で疲れているのはジーニアスのガキもリフィル様も同じようなもんだけど。
一応俺さま、前線でも戦ってんのよね。
疲れた疲れた疲れた。
街まであと少しだって言うのに、弱音を吐きたくなった。
とうとうジーニアスとリフィル様はパーティから抜けた。ようやく休めるわけだ。
でも、俺さまは外れなかった。何故かというと、俺さまが外れるとパーティには回復役がいなくなる。しかも二人が抜けたパーティ編成はロイド、コレットちゃん、プレセアちゃんと来た。
コレットちゃんはいいとして、問題は二人だ。この二人は前線で、しかもあり得ないほどズバズバ突っ込んでいくから、生傷が絶えない。女の子なんだから、体大切にしろよなプレセアちゃん。
さっきは前線がロイドだけだったし、俺さまとリフィル様で回復が二人いた。から、何とかなったけど、俺さま一人で回復が間に合うか心配だ。ま、前線が二人な分、守りが固くなるからいいんだけど。
とか何とか考えてる間に、再び敵さんのお出ましだ。お呼びじゃねーってのに。
ああもう、体がだるい。
「ゼロス、お前さ、大丈夫なのか?」
は?何が?
「リフィル先生がいなくなって、回復とか辛いだろ。俺ら、傷多いし。」
おやおや、心配してもらっちゃってる?全然大丈夫だって、心配ご無用。……と言いたいところだけどね、ぶっちゃけすんごく疲れてる。さっきロイドくん達が止め切れなかった敵にやられた腕は痛いし、攻撃魔法に回復魔法に剣まで使って前線とか、何これどんだけ俺さま頑張ってんのって感じだけど、最初に言った通り、魔法使ってる奴よりも前線で戦ってるロイドくん達の方が大変なんだってわかってる。だから俺様がこんな我儘言えるはず無いのよ。
「何だよロイドくん、心配してくれてるわけ?お前らの方が大変なんだし、変な気使うなよ。俺様はぜんっぜん平気だぜ~。」
「嘘言うなよ。お前、さっきよりも顔色悪いぞ。」
そういうことは言わないでほしい。せっかく我慢してんだから、気付いたことをズバズバ言うな。
こいつは無駄に人の心の中を読んだりちっさい表情もよく見ているので、少しでも表情を崩したら負けだ。俺さまはいつもの笑顔を見せる。
「そんなこと無いって。俺さまの事ばっかり気にしてると、敵に隙を見せちまうぜ?そしたら俺さまの仕事増えるからさぁ、心配してくれてるんだったら頑張ってくれよ?」
そしたら、ロイドは予想外にも悲しそうな表情を見せたから、少しビビった。
「……ごめん。俺が怪我したり、敵を止められなかったせいでお前の仕事増えてるんだもんな…。何だかんだで、後方も前線もどっちも任せてるんだもんな……。」
ロイドくんの目線は、俺さまの怪我した腕。グミをもっと買い足しておくんだったな。少ないから使うわけにもいかないし、力を保存しておくために自分には治癒術をかけないようにしている。
こんな怪我、大したことは………痛いけど、あまり気になるほどじゃない。何だかロイドくんは自分が悪いと思ってるみたいだ。冗談、そんなことあるわけない。
「これは俺さまの不注意だぜ?お前が気にすることなんてなんもねーよ。」
「でも、後ろを守るのは俺たちの役目なのに…。」
どうしたらロイドの元気が元に戻るだろうか。下手に慰めたら逆効果になるだろうか?
俺さまなりに考えてたら、ロイドくんは顔をあげて、俺さまの肩をがしっと掴んできた。
何だよ、と聞こうとした時―――
「ごめん、次は、絶対にお前を守るから。そんで、俺も怪我しないように頑張るから!」
あ……うん、わかった…頼りにしてるぜ。
そう返すと、ロイドは人懐っこい笑顔でにこりと笑って、俺さまに背中を向けて走り出した。他の奴らのところに行ったんだろう。
……こんな面と向かって『守る』なんて言われたのは初めてだった。何時も、自分も身は自分で守っていたから。守られるなんてまっぴらだったから。
くそ、と思って俺さまは掌で顔を覆った。
ロイドに守られるなら、と、思ってしまった自分がいた。
――――――――
遠まわしですがロイゼロです。これはロイ←ゼロな感じかな?ゼロス一人称。
人に面と向かって「お前を守る」っていえるロイドは男前すぎると思う。
ていうか短くしたいのにどうしてこうも長くなるのか。
大体、一番疲れているのは前線で戦っているあいつの方だ。
俺さまはあいつが守ってくれてる中で、後ろから魔法を唱え続けるだけ。
たまーに前に出て戦ったりするけど、やっぱり俺さまに前線は合わないようだ。
今日も今日とて、後ろの方で魔法を唱える。敵を攻撃したり、仲間を回復したり。
……まぁ、はっきり言って回復も魔法も、すんごくだるいんだわ。
集中するから、気力が続かなくなったり、詠唱途中で邪魔されたりしたら、集中が急に切れてすんごい疲労が圧し掛かる。
魔法で疲れているのはジーニアスのガキもリフィル様も同じようなもんだけど。
一応俺さま、前線でも戦ってんのよね。
疲れた疲れた疲れた。
街まであと少しだって言うのに、弱音を吐きたくなった。
とうとうジーニアスとリフィル様はパーティから抜けた。ようやく休めるわけだ。
でも、俺さまは外れなかった。何故かというと、俺さまが外れるとパーティには回復役がいなくなる。しかも二人が抜けたパーティ編成はロイド、コレットちゃん、プレセアちゃんと来た。
コレットちゃんはいいとして、問題は二人だ。この二人は前線で、しかもあり得ないほどズバズバ突っ込んでいくから、生傷が絶えない。女の子なんだから、体大切にしろよなプレセアちゃん。
さっきは前線がロイドだけだったし、俺さまとリフィル様で回復が二人いた。から、何とかなったけど、俺さま一人で回復が間に合うか心配だ。ま、前線が二人な分、守りが固くなるからいいんだけど。
とか何とか考えてる間に、再び敵さんのお出ましだ。お呼びじゃねーってのに。
ああもう、体がだるい。
「ゼロス、お前さ、大丈夫なのか?」
は?何が?
「リフィル先生がいなくなって、回復とか辛いだろ。俺ら、傷多いし。」
おやおや、心配してもらっちゃってる?全然大丈夫だって、心配ご無用。……と言いたいところだけどね、ぶっちゃけすんごく疲れてる。さっきロイドくん達が止め切れなかった敵にやられた腕は痛いし、攻撃魔法に回復魔法に剣まで使って前線とか、何これどんだけ俺さま頑張ってんのって感じだけど、最初に言った通り、魔法使ってる奴よりも前線で戦ってるロイドくん達の方が大変なんだってわかってる。だから俺様がこんな我儘言えるはず無いのよ。
「何だよロイドくん、心配してくれてるわけ?お前らの方が大変なんだし、変な気使うなよ。俺様はぜんっぜん平気だぜ~。」
「嘘言うなよ。お前、さっきよりも顔色悪いぞ。」
そういうことは言わないでほしい。せっかく我慢してんだから、気付いたことをズバズバ言うな。
こいつは無駄に人の心の中を読んだりちっさい表情もよく見ているので、少しでも表情を崩したら負けだ。俺さまはいつもの笑顔を見せる。
「そんなこと無いって。俺さまの事ばっかり気にしてると、敵に隙を見せちまうぜ?そしたら俺さまの仕事増えるからさぁ、心配してくれてるんだったら頑張ってくれよ?」
そしたら、ロイドは予想外にも悲しそうな表情を見せたから、少しビビった。
「……ごめん。俺が怪我したり、敵を止められなかったせいでお前の仕事増えてるんだもんな…。何だかんだで、後方も前線もどっちも任せてるんだもんな……。」
ロイドくんの目線は、俺さまの怪我した腕。グミをもっと買い足しておくんだったな。少ないから使うわけにもいかないし、力を保存しておくために自分には治癒術をかけないようにしている。
こんな怪我、大したことは………痛いけど、あまり気になるほどじゃない。何だかロイドくんは自分が悪いと思ってるみたいだ。冗談、そんなことあるわけない。
「これは俺さまの不注意だぜ?お前が気にすることなんてなんもねーよ。」
「でも、後ろを守るのは俺たちの役目なのに…。」
どうしたらロイドの元気が元に戻るだろうか。下手に慰めたら逆効果になるだろうか?
俺さまなりに考えてたら、ロイドくんは顔をあげて、俺さまの肩をがしっと掴んできた。
何だよ、と聞こうとした時―――
「ごめん、次は、絶対にお前を守るから。そんで、俺も怪我しないように頑張るから!」
あ……うん、わかった…頼りにしてるぜ。
そう返すと、ロイドは人懐っこい笑顔でにこりと笑って、俺さまに背中を向けて走り出した。他の奴らのところに行ったんだろう。
……こんな面と向かって『守る』なんて言われたのは初めてだった。何時も、自分も身は自分で守っていたから。守られるなんてまっぴらだったから。
くそ、と思って俺さまは掌で顔を覆った。
ロイドに守られるなら、と、思ってしまった自分がいた。
――――――――
遠まわしですがロイゼロです。これはロイ←ゼロな感じかな?ゼロス一人称。
人に面と向かって「お前を守る」っていえるロイドは男前すぎると思う。
ていうか短くしたいのにどうしてこうも長くなるのか。
君の笑顔に恋をした
2009年09月28日
最初はただ単純に、しゃべらない奴だと思った。
いつも無口で、無表情で、表情を作ったと思ったら眉間に皺を寄せているだけの険しい顔。
背も高いから、睨んでるようにも見えた。
話しかけても、黙ったままおれの話を聞いて、分かっているのか分からないけど、小さく相槌を打つだけ(スルーされるよかいいけど)。
でも、一緒に旅をしていてわかってきた、こいつの事が。
こいつは、きっと不器用なんだと。表現の仕方がわからないんじゃないか、と。きっと無表情の中で、どういう顔をしていいのか悩んでいる。
なんだかんだいいつつ、おれの話をちゃーんと聞いてるし。
困った時は助けてくれるし、おれが変な時は気にかけてくれたし、話相手になってくれたし。
ああ、すっごく優しい奴なんだと、ようやく気付いた。
たまにあいつを見てると思う。
いつも眉間に皺を寄せているが、本当の顔はとても整っている。顔ならその辺の女よりも綺麗なんじゃないか、とも思ったこともある。仏頂面だから、綺麗な顔が見えない。もったいないと、思った。
それから、睫毛が長い。
あいつはいつも、軽く目を伏せる。その時に、見える。長くて、綺麗な。
髪の毛は、それはもうサラサラ、サラッサラだ。
何時だったか、あいつの髪を結ったことがある。指を通すとすりぬけていくような、そんな感じ。触ってて気持ちよかったからずっと触っていたかったけど、あいつに怪訝な顔をされた。
あと、意外と華奢だった。
身長もでかいし、鍛えてるからしっかりとしているのは確かだ。でも、無駄な肉が無いからか、何だか華奢なイメージが大きい。実際、細っこい。手首とか、………腰辺りとか。
そんで、色素が薄い感じ。
北の方で育ったからか、あまり肌が黒い方ではない。白すぎってわけでもないけど。
あいつの銀髪だって、色素が薄い。太陽に反射して、たまにキラキラ光るのを見ると、おれはほんとに綺麗だと思う。
―――なにより、ほんの一瞬とか、本当にたまにしか見せてくれない、笑顔が可愛かった。
笑顔というか、微笑んでいるというか。
おれを見て、そんな笑い方をして。
何時からだろう、おれがこんなにあいつの事を考えるようになったのは。
そもそもおれは何であいつの事を考えるんだろう。
それは、大事な仲間だから?いやいや、それはみんなだろう。人一倍心配だから?どっちかってーとアニーかマオが心配だ。あいつが、おれに微笑んだから?きっと誰にでも笑いかけるだろう。
………おれは、あいつが笑ってくれた時、純粋に嬉しかったんだ。
もっと笑ってほしいとか、おれに笑いかけて欲しいとか、そんなことばかりが頭の中で渦を巻く時もあった。
なんだろう?この感じ。
この、愛しくて愛しくてたまらない感じ、とでも言おうか。うわ、おれ恥ずかしい。
悩んでいても仕方ないってことはわかってる。
だからあいつが、再びおれに笑ってくれたら、この感じは消えるだろうか?
お前の笑った顔が、もう一回見たいよ。……ヴェイグ。
――――――――
ティト→ヴェイの無意識片思い話でした。
純情鈍感と天然鈍感だからくっつきそうでくっつかないこの感じがティトヴェイのいいところです(え
まあ、ズバッと告白しちゃうのもそれはそれで萌えます。
いつも無口で、無表情で、表情を作ったと思ったら眉間に皺を寄せているだけの険しい顔。
背も高いから、睨んでるようにも見えた。
話しかけても、黙ったままおれの話を聞いて、分かっているのか分からないけど、小さく相槌を打つだけ(スルーされるよかいいけど)。
でも、一緒に旅をしていてわかってきた、こいつの事が。
こいつは、きっと不器用なんだと。表現の仕方がわからないんじゃないか、と。きっと無表情の中で、どういう顔をしていいのか悩んでいる。
なんだかんだいいつつ、おれの話をちゃーんと聞いてるし。
困った時は助けてくれるし、おれが変な時は気にかけてくれたし、話相手になってくれたし。
ああ、すっごく優しい奴なんだと、ようやく気付いた。
たまにあいつを見てると思う。
いつも眉間に皺を寄せているが、本当の顔はとても整っている。顔ならその辺の女よりも綺麗なんじゃないか、とも思ったこともある。仏頂面だから、綺麗な顔が見えない。もったいないと、思った。
それから、睫毛が長い。
あいつはいつも、軽く目を伏せる。その時に、見える。長くて、綺麗な。
髪の毛は、それはもうサラサラ、サラッサラだ。
何時だったか、あいつの髪を結ったことがある。指を通すとすりぬけていくような、そんな感じ。触ってて気持ちよかったからずっと触っていたかったけど、あいつに怪訝な顔をされた。
あと、意外と華奢だった。
身長もでかいし、鍛えてるからしっかりとしているのは確かだ。でも、無駄な肉が無いからか、何だか華奢なイメージが大きい。実際、細っこい。手首とか、………腰辺りとか。
そんで、色素が薄い感じ。
北の方で育ったからか、あまり肌が黒い方ではない。白すぎってわけでもないけど。
あいつの銀髪だって、色素が薄い。太陽に反射して、たまにキラキラ光るのを見ると、おれはほんとに綺麗だと思う。
―――なにより、ほんの一瞬とか、本当にたまにしか見せてくれない、笑顔が可愛かった。
笑顔というか、微笑んでいるというか。
おれを見て、そんな笑い方をして。
何時からだろう、おれがこんなにあいつの事を考えるようになったのは。
そもそもおれは何であいつの事を考えるんだろう。
それは、大事な仲間だから?いやいや、それはみんなだろう。人一倍心配だから?どっちかってーとアニーかマオが心配だ。あいつが、おれに微笑んだから?きっと誰にでも笑いかけるだろう。
………おれは、あいつが笑ってくれた時、純粋に嬉しかったんだ。
もっと笑ってほしいとか、おれに笑いかけて欲しいとか、そんなことばかりが頭の中で渦を巻く時もあった。
なんだろう?この感じ。
この、愛しくて愛しくてたまらない感じ、とでも言おうか。うわ、おれ恥ずかしい。
悩んでいても仕方ないってことはわかってる。
だからあいつが、再びおれに笑ってくれたら、この感じは消えるだろうか?
お前の笑った顔が、もう一回見たいよ。……ヴェイグ。
――――――――
ティト→ヴェイの無意識片思い話でした。
純情鈍感と天然鈍感だからくっつきそうでくっつかないこの感じがティトヴェイのいいところです(え
まあ、ズバッと告白しちゃうのもそれはそれで萌えます。