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2026年06月13日
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ステラさんが見てる

2010年01月15日
それは、町も寝静まった夜中の事だ。
シャーリィが寝てしまったのを確認して、俺はこっそりと外に出た。
目指した場所は、ステラの墓。
別にシャーリィと一緒に行けばいいのだが、どうしてもステラに話したい事があったからだ。シャーリィに変な気を使ってもらうのもあれだから、こっそりと抜け出した。

「ステラ……。」

ひっそりと佇む墓石に、俺は声をかける。返事なんて端から期待していない。聞いてもらうだけで良い。端から見れば異様な光景かもしれないけど、そんなの気にするもんか。

「…ステラ、久しぶり。俺は元気だよ。色々とあって少し疲れてるけど、シャーリィの方が心配なんだ。シャーリィ、なんか毎日仕事尽くしでさ、たくさん仕事を押し付けられてるんだ。」

シャーリィは最近、たくさんの仕事に追われている。水の民の代表として世界中を回っていたり、困ってる人に声を掛けてしまって、なんか変な書類みたいなのを押し付けられてたりする。シャーリィは優しいから、断らない。全部自分で背負い込んでしまう。
俺は、声を掛けることしかしていない。無力な自分に腹が立つ。

「…俺、シャーリィに何もしてあげられないのかな…。」

なんて情けない悩みだろう。それでも、ステラに相談したら何か浮かぶと思ったんだ。
…そんなミラクルが起こるわけでもなかったから、ステラに謝った。それくらい、自分で解決策を練らなきゃ駄目だよな。墓石に背を向けた時だった。

『…………セネル、セネル。』



…………ん?
今、誰の声だ。俺の幻聴だろうか。悩みすぎて頭がおかしくなったんだろうか。ステラ…の声が、するはずがない。居るはずがないのに。
振り払うように頭を振ると、再び『セネル、聞こえてる?』と、自分に問いかける声が聞こえた。

「……ステ、ラ?」
『セネル!やっとで気付いてくれたのね。』

声の主はいない。墓石から聞こえてくるようだ。正直ビビった。
…おばけ…という奴か。俺はそんなもの信じない性質だが、この懐かしい声、しっかりと耳に響くこの感じ、幻聴でも、おばけでもない気がした。

『セネル、貴方の気持ち、聞いたわ。シャーリィは優しい子だから、しょうがないかもしれない。』
「…でも、でも!俺は、何かしてあげたいんだ…。」

本当にステラなのか、もしかしたら誰かの悪戯かもしれない、そう思っていたはずなのに、何故だか俺はその声に語りかけていた。

『セネル、難しく考えちゃだめなの。もっと単純に、貴方がシャーリィにできることがあるのよ。』
「………?」
『ずっと、シャーリィの傍にいてあげる事。それだけで、きっとシャーリィは挫けないわ。私だって、セネルが傍にいてくれるだけで、幸せになっていたもの。』

姉妹だから、そういうところが似ちゃうのね、と、ステラは笑った気がした。

そうか。俺は本当に難しく考えすぎていたのかもしれない。
シャーリィは俺が声を掛けると、嬉しそうに笑って「大丈夫だよ」と言っていた。それは単なるシャーリィの強がりで、俺に心配をかけさすまいとそう答えていたんだと思っていた。その返答をされた時も、俺は自分の小ささに悔やんだりした。俺はシャーリィが心配で声をかけていたのに、逆に気を使われていたんだ、と。無理に笑わせてしまっているんじゃないか、と。
でも、そうじゃなかった。シャーリィは、いつも本心で俺に笑いかけてくれていたんだな。あいつは俺に遠まわしに「傍にいて欲しい」と、そう言っていたんだ。
俺はいつでも、シャーリィの隣にいることを心掛けてきたけど、結局はまたシャーリィの気持ちを察してやることができなかったんだ。俺はなんて不甲斐ないんだろう。

「ありがとうステラ、俺、ずっとシャーリィの傍にいるよ。」
『うん、私以上に、シャーリィを幸せにしてあげてね。』

ステラに相談して正解だった。俺は、清々しい気持ちで家に帰ろうとした。

『……あ、でもね……。』
「…ん?どうしたんだ、ステラ?」
『私にとって、セネルはとっても大切な人だけど…。それと同時に、シャーリィもとっても大切な妹なの。』
「うん、知ってるさ。」
『だからね、いくらセネルでも…。』
「………うん。」

『シャーリィを泣かせたら、絶対に許さないからね?』

そう言ったステラは、とても、とても優しく微笑んでいた気がした。
けど、俺の心臓は真冬の氷のように、カチリと固まった。


――――――――

中途半端なセネシャリと姉妹の話。死んだはずの人の声が墓石から聞こえてくるなんてお約束ですよね。
シャーリィはセネルとステラから絶大な大きさの愛を貰っていれば良いなぁと。
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本当の事を話せずに、ただ

2009年11月21日
走った。走った。走った。
木の間を縫って、できるだけ遠くに、なるべく、早く。
そうしたら、俺の手をぎゅっと握って、必死に俺の後ろを走っていたシャーリィが転んだ。
シャーリィは無言で涙目になりながら、頑張ってその場に立とうとしていたけど、すぐに崩れ落ちる。
足が震えていてうまく立てないのだろう。あたりまえだ、さっきまで、たくさんのヴァーツラフ軍の奴らに囲まれていたんだ。心細かっただろう、それに今は、ステラだっていない。
俺は聞いた。「大丈夫か?」と。
シャーリィは答えた。

「お兄ちゃん……お姉ちゃんは……どこにいるの…?」

しゃくりあげながら、シャーリィは手で顔を覆う。
ああ、ごめんなシャーリィ、俺のせいなんだ。俺のせいで村が襲われて、ステラや、シャーリィまでもを巻き込んで―――
なんて言う勇気、俺にはなかった。言ったら、シャーリィは確実に俺を軽蔑するだろう。
言わない、言ってはいけない。だってこれは、ステラとの約束だから―――
ステラは俺が爪術士でありることに気付いていた。でも、それをわかっていながらも、俺にシャーリィを託してくれたんだ。
俺の本当の目的は、シャーリィを誘拐することだったのに。ステラになら、いつか話そうと思っていたけど、やっぱり俺は話せなかった。怖かったんだ。軽蔑されるかもしれないって。
俺は、償わなければならない。自分が起こしたことが、どんなに大きいことか。犠牲にしてしまった。仲良くしてくれた人々や、愛していた人を。俺がステラのためにしてやれることは、シャーリィを、守ることだから。
俺は手を差し出してシャーリィの小さい手をぎゅっと握った。

「シャーリィ、頑張れ。、立ち止まっちゃ駄目だ。走らなきゃ、追いつかれるんだ。」

シャーリィはぼろぼろと涙を零しながらも、こくりと頷く。今度は、シャーリィに気を使って、できるだけ早く、しかしシャーリィが無理しない程度に走った。
ステラは、後から来る。絶対に追い付いてくる。俺たちは逃げなきゃ、ステラに会えないんだ。ステラの名前を出すと、シャーリィの足取りが少しばかり軽くなることに気付いたから、シャーリィが疲れて座り込んでしまったら、ステラに会えなくなると、最低な言葉を使っていた。

ステラ、シャーリィ、ごめん。俺のせいで、お前たちの平穏な生活を崩してしまった。全部全部全部、俺のせいなんだ。
それなのに、ステラは許してくれた。一番大切なものを、俺に託してくれた。
シャーリィは、俺について来てくれた。何も言わず、ただひたすらについて来てくれた。
それなのに、俺は――――

俺は返しきれないほどの愛を、あの姉妹から貰っていたのに。
俺は、最初から裏切っていた。
俺は、嘘をつきすぎたんだ。


――――――――

セネステでセネシャリ。ステラの一番大切なものはシャーリィだと俺は信じてる。

私の気持ち

2009年11月13日
私は、お兄ちゃんが好き。
それと同じように、私のお姉ちゃんも、お兄ちゃんのことが好き。
…そして、お兄ちゃんはお姉ちゃんのことが好き。

薄々は感づいていた。
お兄ちゃんは、お姉ちゃんに惹かれているってこと。
私が入り込める隙間なんて無いんだってこと。
…それでも、いつか私に振り向いてくれるんじゃないかって、絶対に叶うはずがない望みを胸に持ちながら、私だって精一杯頑張った。
でも結局は、私は駄目。なにもかも。
メルネスにはなれないし、水の民のみんなを救うことはできないし、テルクェスは出せなくなっちゃったし、水の民の癖に海には嫌われちゃったし、何もできないし、足手纏いだし。

その点、お姉ちゃんはどうだろう。
優しいし、包容力はあるし、キレイだし、私よりもメルネスの資質があるし、私よりもずっとずっと強いし、熱を出した私のために危険な外に行ってくれて、私を守るために戦ってくれて―――
お兄ちゃんを、心の中でずっと想ってて、ずっと守っていて。

ああ、私って本当に何もできない。何もできない私が此処にいて、何でも出来るお姉ちゃんがいないなんて、おかしいよ。お姉ちゃんは、お兄ちゃんからの水舞の儀式の誘いを、ずっと待っていたんだよね?幸せになる筈だったお姉ちゃんが、どうして?どうして死んじゃったの?
フェニモールは私を元気付けてくれた。それで、少なからず勇気をもらったんだ。
お姉ちゃんの分まで、私が幸せになるんだ、って。



拒絶された。全てを、伝える前に。
どうしてか?お兄ちゃんは、お姉ちゃんのことを忘れていなかったから。
そうだよね。お姉ちゃんの分まで私が幸せになるなんて、図々しいにも程があるよね?死んでしまったお姉ちゃんを差し置いて、私だけが幸せになるなんて、許されない事なんだよね…?
うん、わかってるよ。お兄ちゃんは、お姉ちゃんの傍にいてあげてね。
私は、水の民のメルネスとして、みんなを幸せにしたい。お姉ちゃんも、それを望んでいるから。
もちろん、お兄ちゃんの幸せも―――

お兄ちゃんには言って無かったけどね、私今度、もう一回託宣の儀式に挑戦するの。
次こそ、メルネスになってみせるよ。みんなの期待に、答えて見せるから。
なかなか会えないとは思うけど、私は元気にやるから。
けど、今は泣いたっていいよね。私はまだ、フェニモールの言う「普通の女の子」だから…。

お兄ちゃん、ごめんね。ありがとう。さよなら。


――――――――

最近こういうダークな雰囲気の文を書くのが好きです。独白みたいな。
メインシナリオでのシャーリィが託宣の儀式を行う前だと思ってくれれば。
これの後に、前に書いたセネルの独白に続けばいいなぁと思いつつ。

本当の心

2009年11月05日
俺に、シャーリィの告白を受け止める覚悟はなかった。

シャーリィが何を言いたかったのか、俺は気付いていたのに、シャーリィを拒んだ。
彼女が俺を好いてくれること、嬉しかったはずなのに。
俺は、逃げていた。シャーリィから、現実から逃げていただけだった。

あのときは、本心からそう言えた。
『俺は、ステラの傍にいてやらなきゃ……。』
ステラは、ずっと一人ぼっちだった。俺が助けに行くのを、ずっと待っていてくれた。
でも、救えなかった。俺の、最愛の女性。水舞の儀式を、俺の誘いをずっと待っていてくれた彼女。
シャーリィは、わかってくれた。そうだよね、と、頷きながら。
俺は、ほっとした。シャーリィの気持ちを聞いたら、俺の何かが壊れるような気がしたから。

でも、結局は、自分が可愛いだけだった。俺の何かが壊れるような気がした?ふざけるな。
俺の中は壊れなかった。だけど、代わりにシャーリィの中が壊れたんだ。俺に拒絶された、悲しみ、苦しみ、痛み、不安、それらを全て押さえつけて、シャーリィは笑っていたのに。
俺がシャーリィを拒絶したんだ。自分は傷ついていない、俺の分の傷は、シャーリィが全部背負っていたのに。

シャーリィがメルネスになってしまった時は、助けたくて必死だった。
何故か?ステラが、悲しむと思ったから?
違う。あのときは、ステラも何も関係なく、ただシャーリィを元に戻したい、それだけを願って進んできた。
何故?何故、俺はシャーリィを元に戻したいと、そう思っていたんだ?
俺は、どうして彼女を助けようとしているんだ?
拒絶したんじゃないのか?今更、シャーリィは俺の話を聞いてくれるのか?

―――俺は何時でも、自分に虫のいい決断しかしていなかった。
シャーリィの気持ちも考えず、それをシャーリィのためだと思いこんで、それでシャーリィが喜ぶと思って。
シャーリィは今まで、俺にたくさんのことをくれた。たくさんのことを教えてくれた。たくさん、俺を支えてくれた。
俺は?シャーリィに何を与えてやれた?シャーリィに何を教えてやれた?シャーリィに、何をしてやれた?
俺は、シャーリィに甘えてばかりだった。

『ステラの傍にいてやらなきゃ。あいつは、ずっと一人ぼっちで、俺のことを待ってくれていた…』

違う、違う違う違う!俺はこんな言葉で、ただ逃げていただけだった!本当に一人ぼっちだったのは誰だよ?あのとき、本当に不安だったのは誰だよ?
俺のことを、夜遅くまで家に明かりをつけて、寝ないで待っていてくれてたのは誰だよ?いつでも、どんな時でも何も言わずに、俺の傍にいてくれたのは…

俺は、もう現実から逃げない。シャーリィの不安も、悲しみも、痛みも、全ての気持ちを、俺が受け止める。
そして、俺の本当の気持ちを――シャーリィに知ってほしいから。
今なら言える。俺の想いを、全部、全部、全部。
だから、俺のもとに戻っておいで。シャーリィの居場所は、ここにあるんだから。
…待ってるから。いつまでも、いつまでも。


「……信じてるよ、シャーリィ。」


――――――――

セネルの心の中を盛大に妄想。もりもりセネシャリ。つーかセネ→シャリ。セネシャリ大好き!
セネルがシャーリィを振った瞬間、セネルの好感度が大幅に下がった記憶があります。
ところでこれシャーリィって何回使ってるのかな…。※26回使っていました。
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