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2026年06月13日
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本当の事を話せずに、ただ

2009年11月21日
走った。走った。走った。
木の間を縫って、できるだけ遠くに、なるべく、早く。
そうしたら、俺の手をぎゅっと握って、必死に俺の後ろを走っていたシャーリィが転んだ。
シャーリィは無言で涙目になりながら、頑張ってその場に立とうとしていたけど、すぐに崩れ落ちる。
足が震えていてうまく立てないのだろう。あたりまえだ、さっきまで、たくさんのヴァーツラフ軍の奴らに囲まれていたんだ。心細かっただろう、それに今は、ステラだっていない。
俺は聞いた。「大丈夫か?」と。
シャーリィは答えた。

「お兄ちゃん……お姉ちゃんは……どこにいるの…?」

しゃくりあげながら、シャーリィは手で顔を覆う。
ああ、ごめんなシャーリィ、俺のせいなんだ。俺のせいで村が襲われて、ステラや、シャーリィまでもを巻き込んで―――
なんて言う勇気、俺にはなかった。言ったら、シャーリィは確実に俺を軽蔑するだろう。
言わない、言ってはいけない。だってこれは、ステラとの約束だから―――
ステラは俺が爪術士でありることに気付いていた。でも、それをわかっていながらも、俺にシャーリィを託してくれたんだ。
俺の本当の目的は、シャーリィを誘拐することだったのに。ステラになら、いつか話そうと思っていたけど、やっぱり俺は話せなかった。怖かったんだ。軽蔑されるかもしれないって。
俺は、償わなければならない。自分が起こしたことが、どんなに大きいことか。犠牲にしてしまった。仲良くしてくれた人々や、愛していた人を。俺がステラのためにしてやれることは、シャーリィを、守ることだから。
俺は手を差し出してシャーリィの小さい手をぎゅっと握った。

「シャーリィ、頑張れ。、立ち止まっちゃ駄目だ。走らなきゃ、追いつかれるんだ。」

シャーリィはぼろぼろと涙を零しながらも、こくりと頷く。今度は、シャーリィに気を使って、できるだけ早く、しかしシャーリィが無理しない程度に走った。
ステラは、後から来る。絶対に追い付いてくる。俺たちは逃げなきゃ、ステラに会えないんだ。ステラの名前を出すと、シャーリィの足取りが少しばかり軽くなることに気付いたから、シャーリィが疲れて座り込んでしまったら、ステラに会えなくなると、最低な言葉を使っていた。

ステラ、シャーリィ、ごめん。俺のせいで、お前たちの平穏な生活を崩してしまった。全部全部全部、俺のせいなんだ。
それなのに、ステラは許してくれた。一番大切なものを、俺に託してくれた。
シャーリィは、俺について来てくれた。何も言わず、ただひたすらについて来てくれた。
それなのに、俺は――――

俺は返しきれないほどの愛を、あの姉妹から貰っていたのに。
俺は、最初から裏切っていた。
俺は、嘘をつきすぎたんだ。


――――――――

セネステでセネシャリ。ステラの一番大切なものはシャーリィだと俺は信じてる。
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