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まいごのまいごの
人ごみの中に、小さい金髪を発見した。
背は小さいものの(自分よりは大きいらしいが)、ふわふわと風に揺れている金髪は、どの人間よりも目立っていた。
人の波をくぐり抜けて、その金髪の少年の腕を掴んだ。
少年は驚いて振り向き、見慣れた仮面を被っている少年をみると、すぐに驚きの顔を満面の笑みに変えた。
「ジューダス!急にいなくなっちゃうから探したんだよ?」
「それはこっちの台詞だ馬鹿者!ふらふらするなと言っただろう!」
息を切らしながら怒りを露にする仮面の少年に、金髪の少年――カイルは困ったように笑った。
「あ…ご、ごめん。珍しいものがいっぱいあったからさ、見てみたいなーって…。」
素直に謝りながら、怒られたことに少しだけしゅんとなる。
それを見たジューダスは、はぁ、と小さく溜息をついた。
「…別に怒っている訳じゃない。…心配…していたんだ。」
「…え?」
「勝手にいなくなると…心配するだろう。少しくらい声をかけろ。」
そういうと、カイルは少し嬉しそうに笑った。
ジューダスは、そんなカイルを訝し気に見る。
「…何を笑っている。」
「いや、さ。ジューダスが心配してくれるなら、迷子になるのも良いかなぁと思って。」
へらへらと笑うカイルに、ジューダスは呆れながら溜息をつく。
「…そんな言葉、実際に迷子になってから吐くんだな。」
ジューダスはカイルの手を握ったまま、自分達が今夜泊まる宿に向かって歩き出した。急に引っ張られたカイルは転びそうになったが、何とか歩調を合わせる。
カイルは、自分の手を握って前を歩いている少年を見つめながら、再び言葉を紡いだ。
「オレ、はぐれて良かったかも。」
「…また何だ、急に。」
「ジューダスが探しに来てくれたから。」
珍しく驚いたような顔をしながら、ジューダスは立ち止まってカイルの顔を見る。相変わらずにこにこと笑っていた。
そんな少年に腹が立って、ついでにその少年の言葉で少しでも顔が熱くなったような感覚を受けた自分にも腹が立って、ジューダスは何も言わずに宿に向かって走り出した。
カイルの手を、握ったまま。
もちろん、カイルは転んだ。
――――――――
ジューダスが探しに来るなら、迷子になりたいです(願望
ロニカイとジュカイどっちにしようか迷ったけどジュカイでいってみた(これジュカイ?
ぶっきーとかいざー
自らの手でシャッフルされていくカードを見つめながら、吹雪は静かに問いかける。
一方の亮は、シャッフルし終わった自身のデッキを指定された場所に置き、いつでもデュエルができる状態にある。
亮は吹雪の言葉に顔を上げ、少しの間無言でその顔を眺めていた。
「…ああ。」
ゆるりと頷く。吹雪はシャッフルし終わったカードの束を置くと、漸く亮の顔を見て、にこりと笑った。
どちらからともなくデッキからカードを引き、手札のモンスターカードを自分の手前に伏せる。
「よかった。僕も亮の事が大好きさ。」
「…ああ。」
「両想いってやつだよね?あぁ、たくさんの僕のファンの子たちに悪いなぁ。」
「…ああ。」
どうやら亮はいつに増してぼーっとしているようだ。ただ単にデュエルに集中したいから受け流しているだけなのか、それとも本当に上の空なのか。
苦笑しながら、吹雪は手札を二枚伏せてターンを終了させる。亮は一枚カードを引き、モンスターを攻撃表示で召喚、吹雪の伏せたモンスターはあっけなく破壊されてしまう。
「…吹雪。」
「なんだい亮。」
「お前は俺の事が好きなのか。」
それさっき僕が聞いた質問、そう思いながら、やはりさっきの言葉を聞いていなかったのだと確信する。普段は真面目でクールな彼も、どこか抜けているところがあるから可愛い。
話を聞かれていなかったのも、まぁ少しばかりはこの野郎とも思うが、もう慣れた。
「僕は亮のこと、大好きだよ。」
「…そうか。俺もだ。」
さっきの会話をリピートしているとしか思えない亮の言葉に、思わず吹き出してしまった。
その言葉が本心であろうが偽りであろうが、今の吹雪には十分だった。
当の亮は、何故吹雪が笑っているのかいまいち分かっていないようで、カードを一枚伏せて「お前の番だ。」と吹雪を促す。
「ねぇ、亮。この勝負、僕が勝ったらデートしよう。」
「わかった。」
「あっさりだね。僕は嬉しいけど、亮はほんとに良いの?」
「別に拒絶する理由はないからな。」
「やさしー。」
吹雪は再びモンスターを場に出す。今度は、攻撃表示だ。亮のモンスターよりも少し攻撃力が上回っている吹雪のモンスターは、当然、亮のLPにダメージを与えつつ、モンスターを破壊する。
ここで漸く、亮の顔に苦笑という感情が浮かび上がってきた。
「先手を取られてしまったな。」
「ちょっとしか削れなかったけどね。」
「……吹雪。この勝負、俺が勝ったら……。」
「うん、何?」
「……俺に一日付き合ってもらおう。」
目を丸くした後、再び吹雪は笑いだした。
亮は「なにかおかしいか?」とでも言うような目で吹雪を見ていた。
「いや、亮の口からそんな言葉が出るなんて想像してなかったから。」
「嫌なのか?」
「嫌じゃないよ!って言うか……」
更にカードを一枚伏せて、吹雪は嬉しそうに微笑んだ。
「どっちが勝っても、損はしないよね。内容ほぼ一緒だし。」
「全くだ。」
顔を見合わせて、楽しそうに笑いあった。
――――――――
吹亮吹にもえるきょうこのごろ。
なんか俺の中でカイザーがただの不思議ちゃん^q^
そして吹雪さんのキャラをちゃんとつかめていないような
面影
カイルは何事もなかったかのように振舞う。
少なからず、いや、ひどくショックを受けているはずなのに。
ジューダスのあの一言。
(みんなが見ているのは、お前じゃない。)
みんなが見ているのは、お前の父親、スタンだ。城の兵士もそうだったし、ウッドロウだってそうだった。
誰も、カイルを見ていない。後ろに居る、スタンの面影だけを見ている。
何もわかっていない、ただただ浮かれていたカイルは、その言葉を聞いて、ジューダスやロニ、リアラの前から走り去って行った。
リアラが気を使ってカイルを追いかけ、ロニが怒りを爆発させた。他に言い方があるだろうと。
その、ロニの異常なまでにカイルに甘い所が気に入らなかった。
少し八つ当たりも混じったような言葉で、ジューダスはロニに厳しい言葉を投げる。
城に魔物が突っ込んできたから、二人でカイルとリアラを探した。
そうしたら、カイルは何も落ち込んでいなかった。
何故だろう。何故彼は、立ち直れるのだろう。
ウッドロウが心配だということで、全員で城に向かおうとしていた。
「ジューダス。」
「……?なんだ。」
「…さっきは、ありがとう。」
「……礼を言われるようなことをした覚えはないが。」
「いや、さっき俺に厳しいこと言ってくれたじゃん。ほら、ロニって俺に甘いから、そういうことは言わないんだ。」
ロニの事を、少しは分かっているようだ。
しかし、そんなただの説教じみた言葉など、礼を言われる筋合いはない。
「本当の事を言ったまでだ。…そんなことでいちいち礼などいらん。」
「うん……でも、言っておきたかったんだ。」
ありがとう、もう一回そう言って、にこりと微笑んだ。
人懐っこい、何か懐かしい感じがする―――
心臓の辺りが、ドクンと音を立てて動く。
この笑顔…似てる。いつも、自分に向けられていた、あの
「…っと、こんなところでぐずぐずしてちゃ駄目だよね!行こう、ジューダス!」
ふいっと自分に背を向ける少年。
その背中が、あの英雄と被った。
「――――スタ……――――」
「へ?」
何か言った?と、自分が手を伸ばした少年は振り向く。
行き場の無くなった手は、不自然に宙を彷徨った。
こちらを見る目は、顔は、姿は、自分が求めていたものではなかった。
何でもない、そう呟いて、カイルと共に城の中に走った。
偉そうに説教しておきながら。
偉そうに言葉を紡いでおきながら。
偉そうに、カイルを語っておきながら。
(結局僕も、カイルじゃなく、後ろに居るあいつを見ているんだ…)
誰にも気付かれないくらい小さく、ジューダスは自嘲気味に笑った。
――――――――
ジュ→カイでリオ→スタ。リオンはリオンでスタンの事好きで、ジューダスはジューダスでカイルの事大事に思ってればいい。
あたたかい
好きで目を覚ました訳ではない。体に突き刺さるような冷たさに目を覚ました。
自分達が囲んでいた焚き火は、当の昔にその勢いを消されて、今は炭になった木の破片しか残っていない。
ムクリと起き上がると、冷たい風が肌にあたる。服を突き向けて全身にあたる風に、ぶるりと身震いした。
今日はいつもより寒かったのではないかと考える。
割と自分は着こんでいる方だと思っている。そんな自分でも寒いと思っているのなら、足を丸ごと出しているコハクや、ヘソ出しルックのイネスは相当なのではないか。
しかし、そんなシングの心配をよそに、コハクもイネスもすっかりと熟睡中だ。というか、女性陣はベリルも含めて寄り添いながら眠っているので、言うほど寒くないのかもしれない。
眠っているから感じていないだけだとしても、寒いという感覚があって起きてしまったシングにとって、それはとても羨ましいことでもある。
クンツァイトに至っては寝ているのか起きているのか、寒さを感じているのさえ怪しいが、目を瞑っている辺り、とりあえず寝てると判断した。
自分の腕をさすりながら、何故目が覚めてしまったんだろうと自身を恨む。今からもう一回寝るにしても、少しの間この寒さを耐え抜くことができるのだろうか。
もしかしたら、ずっと目が冴えたままかもしれない。
シングは、少しでも寒さを凌ごうと、身を縮こませる。
「………寒いなぁ………。」
「まったくだ。」
独り言のつもりだった呟きに、他の予想できなかった声が混ざってきた。
シングは勢いよく声がした方向に首を向ける。
「……ヒ、スイ……。…起きてたの?」
「さみぃから目ぇ覚ました。」
先程のシングと同じように、起き上ったヒスイは小さく身震いをする。
寒いのは慣れているはずだったんだが、頭の隅でそう思っていると、小さくなっているシングに視線を移す。
丸まっている小動物のような少年に、小さく手招きをした。
気付いたシングは、何の警戒もなくヒスイの手招きに応じ、目の前までちょこちょこと歩く。
思い切り、抱き締められた。
「えぇ?!な、なに?どうしたの?」
「うるせぇよ、他の奴らが起きるだろうが。」
頭にクエスチョンマークを浮かべながら喚くシングに、ヒスイが小さく言葉を紡ぐ。
すぐに口を噤んだシングだったが、それでもヒスイの不可解な行動に小さく言葉を投げかける。
「どうしたの?ヒスイまさか寝ぼけてる?」
「そんなんじゃねーって。……普通に寝てるよか、あったけーだろーが。」
ぎゅう、音がするくらい強く抱き締める。
シングよりも一回り大きい目の前の青年は、完全にシングを腕の中に納めていた。
急なことでどうすればいいのか分からなかった。しかし、不思議と嫌だとは思わない。
それに、温かいのも確かだ。
大人しく体を預けると、温かい所為か、一気に眠気が襲ってくる。
ヒスイが見たときには、既にシングは夢の中へ旅立っていたようだった。
それでも、ヒスイはシングを離そうとしない。むしろ、強く強く、ずっと抱き締めていた。
シングが起きるまで、ずっと。
(……あぁ、すごくあったけぇなぁ……。)
――――――――
眠い時に書いてたので、文章めちゃくちゃです。
無意識にヒスイ→シングだといいな!ヒスシン大好き!
ヨハ十エド 2
ここはレッド寮。
何故僕はここに居るんだろう。
エドは自分が思っていた疑問を、自分の心に問いかけた。もちろん、答えは返ってこない。
右隣には、異常に楽しそうな遊城十代、左隣には、その十代よりも更に楽しそうなヨハン・アンデルセン。
……これは何の罰ゲームだろうか。
少し学園の方に野暮用があって、校長室の方まで足を運んだ。
用事を終わらせたら特に何もなかったから、適当に島をぶらついていた。
仕事の方も一旦区切りがついて、二日ほど暇を取れていた。とりあえずアカデミアに居れば退屈はしないだろうと考えていたが、まさか十代とヨハンに拉致られるとは誰も予想できなかった筈だ。
現に、エドは予想できなかった。
「…………おい。」
「うおーーやべぇぇマジでエドだぁぁ!!本物だよな?」
「当たり前だろ!エドの方から来てくれるなんて思ってなかったぜ!」
嬉しそうに笑う十代と、それをさらに上回る嬉しそうな笑いのヨハン。
彼らは楽しそうにデッキ調整をしている。エドと闘り合う気は満々のようだ。が、当のエドは未だに話について行けず、似た者同士の二人に挟まれたまま、ある意味困惑していた。
嫌な予感がする。いや、嫌な予感しかしない。
「エド!じゃあさっそくデュエルしようぜ!」
「は?ちょっと待て、急にそんなこといわれても」
「ヨハンの次は俺とデュエルな!てか三人一緒にやれたらいいのになー。」
「人の話を聞け!大体僕は忙しいんだ!」
二日は暇が取れているが。
驚くほど話を聞かない。この二人は何に取り憑かれているんだ、本気でそう思わざるを得ないエドである。
十代とヨハンは、顔を見合わせた。
「あれ?お前、二日は休み取れたって言ってなかったっけ?」
「なっ…何でお前が知ってるんだ!」
「いや、だってさっき校長室で。」
「盗み聞きしてたのかお前ら……。」
「違うって!エドが来たって言うから、捜してたらたまたま聞いちゃって。」
「これはチャンスだ!って思ってエドを待ち伏せしてたんだぜ。」
エドは頭を押さえる。こんなに頭が痛くなったのは久々だ。
忙しい、という逃げ道は塞がれてしまった。天然というのは恐ろしいものである。
別にデュエルがしたくない訳ではない。ただ、久しぶりの休息は、何もせず、ただぼんやりと過ごすのも悪くないと思っていただけだ。
しかし、この二人がタッグとなってかかってきた今、回避をする方がきっと難しい。
エドは、早々に折れた。
「………わかった。デュエルでも何でもするから準備させろ。」
「よっしゃぁ!!楽しみだなぁ!」
「やっぱそうこなくっちゃなっ!」
少しは人の気も考えて欲しい。切実にそう思いながら、エドは大きく溜息をついた。
――――――――
十代とヨハンがただのウザちゃんに!ゴメヌ
十代とヨハンのハイテンションコンビに挟まれて困っている(呆れている)エドを是非見たい。