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2026年06月13日
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面影

2010年04月20日

カイルは何事もなかったかのように振舞う。
少なからず、いや、ひどくショックを受けているはずなのに。
ジューダスのあの一言。

(みんなが見ているのは、お前じゃない。)

みんなが見ているのは、お前の父親、スタンだ。城の兵士もそうだったし、ウッドロウだってそうだった。
誰も、カイルを見ていない。後ろに居る、スタンの面影だけを見ている。
何もわかっていない、ただただ浮かれていたカイルは、その言葉を聞いて、ジューダスやロニ、リアラの前から走り去って行った。
リアラが気を使ってカイルを追いかけ、ロニが怒りを爆発させた。他に言い方があるだろうと。
その、ロニの異常なまでにカイルに甘い所が気に入らなかった。
少し八つ当たりも混じったような言葉で、ジューダスはロニに厳しい言葉を投げる。

城に魔物が突っ込んできたから、二人でカイルとリアラを探した。
そうしたら、カイルは何も落ち込んでいなかった。
何故だろう。何故彼は、立ち直れるのだろう。
ウッドロウが心配だということで、全員で城に向かおうとしていた。

「ジューダス。」
「……?なんだ。」
「…さっきは、ありがとう。」
「……礼を言われるようなことをした覚えはないが。」
「いや、さっき俺に厳しいこと言ってくれたじゃん。ほら、ロニって俺に甘いから、そういうことは言わないんだ。」

ロニの事を、少しは分かっているようだ。
しかし、そんなただの説教じみた言葉など、礼を言われる筋合いはない。

「本当の事を言ったまでだ。…そんなことでいちいち礼などいらん。」
「うん……でも、言っておきたかったんだ。」

ありがとう、もう一回そう言って、にこりと微笑んだ。
人懐っこい、何か懐かしい感じがする―――
心臓の辺りが、ドクンと音を立てて動く。
この笑顔…似てる。いつも、自分に向けられていた、あの

「…っと、こんなところでぐずぐずしてちゃ駄目だよね!行こう、ジューダス!」

ふいっと自分に背を向ける少年。
その背中が、あの英雄と被った。

「――――スタ……――――」
「へ?」

何か言った?と、自分が手を伸ばした少年は振り向く。
行き場の無くなった手は、不自然に宙を彷徨った。
こちらを見る目は、顔は、姿は、自分が求めていたものではなかった。
何でもない、そう呟いて、カイルと共に城の中に走った。

偉そうに説教しておきながら。
偉そうに言葉を紡いでおきながら。
偉そうに、カイルを語っておきながら。

(結局僕も、カイルじゃなく、後ろに居るあいつを見ているんだ…)

誰にも気付かれないくらい小さく、ジューダスは自嘲気味に笑った。


――――――――

ジュ→カイでリオ→スタ。リオンはリオンでスタンの事好きで、ジューダスはジューダスでカイルの事大事に思ってればいい。

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