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結局は一番(P4:主完)
勿論知っているよ。すごいな完二、お前そんな難しい言葉を知ってるのか、よく勉強したな偉い偉い。
と言う台詞に誤魔化されるほど彼は子供ではないことは俺も重々承知している。
当の完二は少しだけはにかみながら、馬鹿にせんでくださいよと俺のために用意した湿布の袋をべりりと破る。
(俺は馬鹿にしているつもりはないのだけど)こんな俺に対してこんな可愛い笑みを見せてくれるのは本当にこの可愛い後輩だけだ。
真っ赤に腫れた俺の頬に少し強めに湿布をぴしゃりと張る。この痛みは俺の自業自得。そしてこの強さは彼が少なからず怒っていることを指す。
「完二、流石は俺が惚れた子」
「それ、何人に言ってきたんスか」
そう、自業自得。俺の告白を真に受けなくなったのも、全ては俺の所為。分かってるのに止めない。一種の性癖みたいなものだろうか。
「それで、今回は誰に叩かれたんです」
「一組の佐藤さん」
「それって何股目ですか」
「うーん、15股くらいかな」
まだばれないと思ったんだけど、そう呟いたら完二の目には少しばかりの軽蔑が伺えた。
別に女遊びが激しいつもりはないんだけど。ただ告白してくれた子の気持ちを無下に出来ないなあって思って付き合い続けてたらいつの間にかこんなに彼女まみれになっちゃったんだよ。
そりゃ俺だって悪いとは思ってたんだけど、言い出すタイミングも見当たらないし泣き出されても困るし(面倒くさいし)。
俺の浮気(のつもりはないんだけど)を知った女の子達は必ず俺にビンタを一発。それでもすきなの、って泣く子も居ればあなたとはこれまで、って離れて行く子も居て、そんな人だとは思わなかったって勝手に俺の人物像を作って勝手に失望したりしてる。
女の子って勝手だよね、俺は深く息を吐いた。
アンタはもっと勝手だ、そう完二は言った。
「そうだなあ。お前が言うなら俺は自分勝手なのかもなあ」
「アンタは人の気持ちを全く考えちゃいない」
「完二の気持ちを汲み取ることに関しては俺は誰にも負けない自信があるけどな」
湿布の匂いがする後輩の手を握った。緩く腕を振るのは離して欲しいという合図なんだけど、俺はそんなの関係ない。
だって、お前は振り払わないんだもの。
「先輩はいつまで俺のことをからかうつもりっスか」
「俺はお前をからかったことなんてないよ」
「何人も何人も誑かしておいてよく言う」
誑かす、何て言葉を完二が使うなんて思ってなかったから少しびっくりした。
「俺ねえ、お前が15人の中で一番なんだ」
「は?」
「15人中一番なんだよ、お前が。お前が一番好きなんだ」
また嫌悪の目で見られることを期待したのに、そいつは期待を裏切って一瞬目をぱっと光らせた。
強面(俺は一度もそんなことを思ったことはないけど)な表情を一瞬だけ潜めて、確実に輝かしい顔を見せた。完二の表情を読み取ることなど俺にとっては朝飯前以前の問題だ。
そう、こいつは今の一瞬確かに俺の言葉に喜びを露わにした。
そしてすぐに顔を曇らせて、はいはいと適当にあしらったフリをする。
なんて正直だ。なんて可愛いんだろう。包み隠さない完二がたまらなく好きだった。
俺はお前を一番にするし、お前も心のどっかで俺の一番になりたかったんだねえ。そう思うと気分がほんのりしてくる。先程の俺の頬を思い切り殴った女子の顔も名前も忘れてしまった。
やっぱり一番がいいのだ。俺もお前も。
――――――――
何だこれ…^^;
テレビでやってた「○股中の一位」っていうの
うちの番町最低でごめんなさいてへへ!
慣れてないだけ(角弓)
「………」
「何さ。何を怒ってるのさ」
「………」
「傷に薬をつけたいなぁ。一角が手を退けてくれたらつけれるんだけどなぁ」
「………」
「このままじゃ出血多量で死んじゃうなぁ」
「………」
「ねえってば…本当にどうしたの」
僕の頭を片手で抱え込んだまま一角は微動だにしない。額の傷は浅くなくて、血は溢れ出てくる。この程度の傷じゃあ正直殆どというか全然痛くもないんだけど、早く処置をしなきゃ僕の顔に傷が残っちゃうじゃないか。
血が僕の目に流れてこないのは、一角の手が僕の傷を押さえつけてるからだ。たまに擦れるみたいに指先が触れるのが何となくじんじんと痺れて、これって痛いってことなのかなとか思った。
この体制になってもういくらか経つけども、彼は喋ることもなければ動くこともない。逆に僕は血が出すぎてる所為か少しばかり頭が重くなってきた。
「……一角」
「うるせえ」
久しぶりに聞いたような彼の言葉は、そんな突き放したような厳しい一言だった。
おかしいなぁ。今の僕はそんな言葉をかけられる状況じゃない。今日の彼は珍しく不機嫌だ。
それでも僕はこの空間が心地好い。少し怒ってる彼とか、それなのに僕の傷に優しく触れる指とか、ゆらゆらとする目の前の空間とか。何だか眠くなってきた。
ぎゅう、と音がしそうなくらいに頭を抱きこまれる。ああ、優しい感触だなぁと思った。
一角の顔が近い。僕の角度だと横顔しか見えないけど、とても格好いい。そりゃあ僕の方が綺麗な顔だけど、男前なのは悔しいことに一角の方だ。
本当は悔しいなんて思ったことないけど。
「ねえ、寝てもいいかなぁ」
「勝手にしろ」
「薬は君が付けておいてね」
「はっ、こんなの舐めときゃ治るっつーの」
「じゃあ君が舐めておいてよ。一角になら舐められたいなぁ」
「変態かオメーは」
そう言いながら僕の傷に口付けを落とした一角は、本当にらしくない。
でも僕はそんな一角だって大好きで仕方がないのだ。
――――――――
柄にもなく心配しちゃってどうすればいいのか分からなくて逆切れ気味の一角
角弓がスキーーーーーーーーーーー
酔っ払い(ユリフレ)
突き飛ばされた先は柔らかいベッドの上だったから衝撃は殆どなかった。しかし勢いは強かったため、僕の代わりにベッドがぎしりと声をあげた。
その上に覆い被さってきた人間の黒髪は、窓からの月の光を浴びて青紫色に光っていて綺麗だなとぼんやり思う。肩から滑り落ちた一房の長い髪が頬を擽る。
その感覚は、僕と彼の距離が近い証拠だった。
他のこと考えんな、低く呟かれて天井に向けていた目を漸く彼の瞳と合わせる。吸い込まれそうな漆黒は、焦点が合っていないように見えた。眠そうに細められた瞳を見つめながら、僕は彼の髪の毛に指を絡めるくらいしかできない。
「ユーリ」
さらさらと指から通り抜けていく髪は心地好かったのに、彼は鬱陶しいとでも言いたげに僕の手首を掴んでシーツに縫い付けてしまう。それなのに彼はもう片方の手で僕の髪を撫で回す。自由を認められていないようで少し不満だった。
「ねえ、ユーリ」
「ん」
「酔っ払いの相手は面倒臭いよ」
「ん」
よく下町の酒場で酔っている人間を介抱したこともあったけど、まともに話はできないし、笑い上戸に泣き上戸、暴れまわる人間だっていた。
でも彼は今までで一番質が悪い。滅多に酒なんて飲まないしあまり好きでもないから、弱いくせに酒癖が悪い。絡み酒と言うのか。でも僕以外には絡まないのが救いだ。迷惑を掛けることがない。
酔っている筈なのにあまり紅潮してない肌は部屋が暗いこともあってよく見えないが、多分表情は無に一番近いんだろう。
僕を押し倒している理由は、僕を犯したいとかそういうことではないのだろう。ただ、気分を発散させるものが僕しかないからだ。
彼が何を考えているのか、昔の僕なら或いは、しかし今の僕ではわからない。遠い時間が長すぎたのだ。
「フレン」
「何だい」
「抱かせろ」
「酔いすぎだよ」
俺は酔ってないという酔っ払いの常套句を聞きながら、ああやっぱり酔っているんだなと思った。
耳を擽る彼の指を制止しようと腕を掴むと、手の甲にキスをされた。自身の腕ごと唇に持っていく動作は優雅で格好良い。
小さな音をたてながら口付けを続ける。唇は勿論、薄く漏れる吐息だって熱くてしょうがない。ああこれでは流されてしまう。
「酔った勢いじゃ後悔するよ」
「酔ってないって言ってるだろ…」
「どうして酔ってないって言い切れるんだ?」
「何で酔ってるって言い切れんだよ?」
そのまま答えも聞かず、耳に口付けられる。僕は酔ってもいないのに顔に熱が集まってしまう。
嫌だな、流されたくないなと思いながらも、自由を制限された僕は為す術もないまま目を閉じた。何だか胸がきりきりと痛い。
早く早く、酔いが回って寝てしまえと、それだけを思った。
(どうして君が酔っていると言い切るのか)
(だって普段の君はこんなことを絶対しない)
(僕に向かって「抱かせろ」なんて)
(僕に対して口付けなんて)
(天地がひっくり返っても、絶対にしないだろう)
(だって、僕達は)
――――――――
愛がないわけじゃないよ、愛に気付いてないんだよ
ふとした時にフレンちゃん愛しいフレンちゃんうおおおおおおってなったのでできた産物
ユーリのイメージとか壊すようだったらごめんなさい
あーるじゅうごきんみまんくさいかんじがかきたいです。ふんいきぶんしょう
可愛い、可愛い(P4:主と完二)
そう言いながら俺の腕を引っ張ったのはりせだ。
うん、見せて。と言ったら、りせが見せてくれたのは鞄についているマスコットだった。
「完二がね、作ってくれたんだよ」
嬉しそうにゆるゆると揺れるりせにつられるように揺れる、掌に収まってしまう程の小さい人形。ピンク色のウサギの両耳にはこれまた小さいリボンがついていて、丁寧に服まで着ている。
「りせにそっくりのウサギだな」
「うん!これね、完二が私をモチーフに作ってくれたの。可愛いでしょ」
「ああ、すごく可愛いよ」
前に彼が言っていた編みぐるみという奴だろうか。細かすぎる毛糸の目とか、それなのに少しも狂いのないデザインだとか、本当に人間が作ったのかを疑う程の出来栄えだった。
彼の大きな指でこんな細かなものが編めるのか、些か信じられないだろうが。
完二ならできるんだろうな、と思ったりした。
それから、俺も欲しいなぁ、と思ったりもした。
それから暫くしたら、直斗も俺に見て欲しいとマスコットをぶら下げてきた。黒い大きめの帽子を被った、青くて綺麗なネコ。可愛いな、そう言ったら直斗は照れくさそうに頷いた。
いいなぁ、俺も欲しい、完二の手作りマスコット。
そんなことを考えてる間に、何故だかどんどん増えていく。
まずは陽介、次に天城、里中にクマ。ヘッドホンをぶら下げたイヌ、肉に食いつくイヌ(里中はこのデザインが少し不満だったようだけど)、カチューシャをつけたネコ、クマに至ってはキグルミの外観そのままをマスコットにしていた。
それなのに、俺には来ない。この流れは俺に来なければおかしいはずなのに、俺に来ない。
「完二、俺も欲しいな、手作りマスコット。みんなとお揃い」
俺と完二以外誰も居なくなった一年生の教室で、向き合うように席に座って呟いた。
目の前の後輩は最初、キョトンとしたように目を丸まらせていたけど、すぐにあっと思い出したように顔を輝かせる。
あ、ちゃんと俺の分はあるんだなと安心した。
「先輩のは一番最初に作り始めたんスけど」
「うん」
「何かどんなの作ってもしっくりこないっつーか、先輩っぽくねーなぁと思ったっつーか」
「うん」
「それで、ちまちま作り直してた先輩のが昨日完成したんで今日渡そうと思ってたんスよ!」
嬉しそうに鞄を開ける完二は、その俺のマスコットがとてもうまくいったのだろう。
その様子を見る俺も嬉しかった。
完二が鞄の中から小さいポーチを取り出して、その中から取り出した物体を俺の掌にころんと置いた。
俺の手に乗っかってるのは、俺自身だった。
掌サイズの俺の形をした編みぐるみ。
えっ、なにこれ可愛い。
「何これ可愛い」
「本当は動物で統一したかったんスけど、先輩はやっぱ先輩のままが一番しっくりくるよなぁと思って…」
髪の毛ふわふわ。目もちゃんとついてる。あっよく見たらペルソナカード持ってる。
最高に良い出来に仕上がったと思うんで!と自信たっぷりで笑う完二を見て、「こいつの最高の出来って軽く世界レベルを上回ってるよなぁ」と思った。
それと同時にすごく嬉しくて、柄にもなく舞い上がってしまいそうになる。
「どっスか」
「うん、最高に可愛い」
その返答に満足したのか、完二は嬉しそうに、照れくさそうに笑った。
ああ、すごく可愛い。
「本当に可愛いよ」
マスコットも、お前も。
――――――――
完二可愛いよおおおおおおおおおおおおおおお
可愛いものが大好きで可愛いものを作るのが趣味な完二君が可愛くないわけがない
眠いせいか文章ガッタガタです。お昼に構成しようね!
合格おめでとう!(イチウリ)
・一護さんと雨竜さん
・大学に進みたい設定
・雨竜さんはすでに推薦合格してるんで大学行き決定
・一護さんは雨竜さんと同じ大学行きたいなーみたいな
・ただのイチウリです
・普通にらぶらぶになっちゃったYO
それでもよければどうぞ