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2026年06月13日
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完二は俺の嫁(P4:主完)
2012年06月14日
結婚するなら可愛い女の子がいいなあ。
テレビで流れた有名人の結婚報道を見て、ふとそう思った。
声に出したつもりはなかったんだけど、隣に座っている後輩の視線で声に出ていたことに気付いた。その視線がほんの少し刺々しくてちょっとばかり嬉しくなる。
「なあに完二。嫉妬でもした?」
「…………別、に」
図星のようだ。にやにやが止まらない。
嘘をつくのが下手くそだからすぐにわかる。単純で分かりやすいところはこの子の可愛いところ。
「……先輩はプレイボーイッスからね」
「ちょっとそれどういう意味」
拗ねちゃったみたいだ。プイと顔を背ける仕草も可愛いなあと思いながら、髪の毛をわしゃわしゃにかき混ぜた。
大丈夫だよ、お前以上に好きな人なんて存在しないから。
「でも結婚は女がいいんでしょ」
「俺さあ、結婚したらする前よりも好きが減ると思うんだよね」
テレビでもよくやってるじゃない。離婚報道なんて見てて不快なもの、何で公共の電波で流すんだろ。あれって結婚さえしなければこんなことにはならないわけだよ。痴話喧嘩なら修復できるけど、離婚はどうにもなんないでしょ?やっぱり手に入る直前までが最高潮だよね気持ちって。
俺は絶対結婚したら相手への愛がなくなっちゃう気がする。だったらせめて可愛い女の子と結婚して平手貰って別れたい。
「だから完二のこともラブだけど結婚はしない」
「…はっきり言うんスね。俺のことも好きじゃなくなっちまいますか」
「うーん、正直それはないと思うんだなあ。お前が俺を見限ることはあると思うけど、俺がお前を捨てるなんて考えたことない」
だって俺は完二が大好きなんだもの。
隣の後輩は途端に顔を真っ赤にして目を泳がせ始めた。そんな姿も誰よりだって可愛い。
正直な話、この可愛い子が俺の下を離れて行かない保障なんてどこにもなくて、いざ俺が彼と結婚したいと言い出したらきっと彼は全力で断ってくるだろうと信じて疑わない。俺よりも全然健全だし、当初予定してたより馬鹿じゃなかったし。ただ俺に流されているだけの現状も事実のひとつだけど。
彼に拒絶されたら無事に生きていられるかわからないくらいにはショックを受ける。優しい子だし、思った以上に好かれてるから一応無いとは思うんだけど、結婚なんてして離婚だなんてことになったら、立ち直れる気が全くしない。
俺はそれくらいこの子だけが好きだった。
「お、れだって」
「ん?」
「俺だって、見限るとか、ないッス」
「…どうかな。感情は案外脆いもんだよ」
「先輩が俺を好きでいてくれんなら、俺だって先輩のこと好きでいられる自信があります」
「それは、俺がお前を好きじゃなくなったらお前もそうなるってこと?」
「俺を捨てることはないんでしょ」
おや、割と言うようになったじゃないの。
照れ臭そうに頭を掻いて、また俺から目を逸らした。俺の方はというとだらしなく顔が緩んでいる。顔の筋肉がゆるゆる。だって可愛いんだもの。仕方ないじゃないの。
こりゃあ本当に彼と結婚だなんてする気が起きない。絶対に離してやれる気がしない。離れてしまったら俺が死ぬ可能性がある。
同時に、この子と一生一緒に居れる手段はないだろうかと考えたとき、結婚しようと真っ先に思い付いた俺の思考回路が矛盾だらけだと気が付いた。
「…うん、やっぱり結婚しようか完二」
「感情よりもアンタの理屈のが脆いッスよね」
完二が呆れたように言うけれど、こんな俺を形成したのはお前でもあるということを忘れてもらっては困る。
俺の理屈を崩れさせたのは、結局この子への想いだけなのだ。
20120613
――――――――
ちょいちょい書き進めてたからぐだぐだでござるの巻
うちの番長は基本的にぐだぐだと屁理屈を喋るのが得意です。それもこれも完二が好きすぎる故
テレビで流れた有名人の結婚報道を見て、ふとそう思った。
声に出したつもりはなかったんだけど、隣に座っている後輩の視線で声に出ていたことに気付いた。その視線がほんの少し刺々しくてちょっとばかり嬉しくなる。
「なあに完二。嫉妬でもした?」
「…………別、に」
図星のようだ。にやにやが止まらない。
嘘をつくのが下手くそだからすぐにわかる。単純で分かりやすいところはこの子の可愛いところ。
「……先輩はプレイボーイッスからね」
「ちょっとそれどういう意味」
拗ねちゃったみたいだ。プイと顔を背ける仕草も可愛いなあと思いながら、髪の毛をわしゃわしゃにかき混ぜた。
大丈夫だよ、お前以上に好きな人なんて存在しないから。
「でも結婚は女がいいんでしょ」
「俺さあ、結婚したらする前よりも好きが減ると思うんだよね」
テレビでもよくやってるじゃない。離婚報道なんて見てて不快なもの、何で公共の電波で流すんだろ。あれって結婚さえしなければこんなことにはならないわけだよ。痴話喧嘩なら修復できるけど、離婚はどうにもなんないでしょ?やっぱり手に入る直前までが最高潮だよね気持ちって。
俺は絶対結婚したら相手への愛がなくなっちゃう気がする。だったらせめて可愛い女の子と結婚して平手貰って別れたい。
「だから完二のこともラブだけど結婚はしない」
「…はっきり言うんスね。俺のことも好きじゃなくなっちまいますか」
「うーん、正直それはないと思うんだなあ。お前が俺を見限ることはあると思うけど、俺がお前を捨てるなんて考えたことない」
だって俺は完二が大好きなんだもの。
隣の後輩は途端に顔を真っ赤にして目を泳がせ始めた。そんな姿も誰よりだって可愛い。
正直な話、この可愛い子が俺の下を離れて行かない保障なんてどこにもなくて、いざ俺が彼と結婚したいと言い出したらきっと彼は全力で断ってくるだろうと信じて疑わない。俺よりも全然健全だし、当初予定してたより馬鹿じゃなかったし。ただ俺に流されているだけの現状も事実のひとつだけど。
彼に拒絶されたら無事に生きていられるかわからないくらいにはショックを受ける。優しい子だし、思った以上に好かれてるから一応無いとは思うんだけど、結婚なんてして離婚だなんてことになったら、立ち直れる気が全くしない。
俺はそれくらいこの子だけが好きだった。
「お、れだって」
「ん?」
「俺だって、見限るとか、ないッス」
「…どうかな。感情は案外脆いもんだよ」
「先輩が俺を好きでいてくれんなら、俺だって先輩のこと好きでいられる自信があります」
「それは、俺がお前を好きじゃなくなったらお前もそうなるってこと?」
「俺を捨てることはないんでしょ」
おや、割と言うようになったじゃないの。
照れ臭そうに頭を掻いて、また俺から目を逸らした。俺の方はというとだらしなく顔が緩んでいる。顔の筋肉がゆるゆる。だって可愛いんだもの。仕方ないじゃないの。
こりゃあ本当に彼と結婚だなんてする気が起きない。絶対に離してやれる気がしない。離れてしまったら俺が死ぬ可能性がある。
同時に、この子と一生一緒に居れる手段はないだろうかと考えたとき、結婚しようと真っ先に思い付いた俺の思考回路が矛盾だらけだと気が付いた。
「…うん、やっぱり結婚しようか完二」
「感情よりもアンタの理屈のが脆いッスよね」
完二が呆れたように言うけれど、こんな俺を形成したのはお前でもあるということを忘れてもらっては困る。
俺の理屈を崩れさせたのは、結局この子への想いだけなのだ。
20120613
――――――――
ちょいちょい書き進めてたからぐだぐだでござるの巻
うちの番長は基本的にぐだぐだと屁理屈を喋るのが得意です。それもこれも完二が好きすぎる故
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(P4:主→←完)
2012年06月01日
先輩が暴力沙汰を起こしたとかなんとかという噂を聞いて驚いたのは俺だけではなかった。
里中先輩も天城先輩も、そんな筈がないと顔を青くしていた。りせも直斗も信じられないと首を振る。しかし花村先輩だけは知っていたかのように冷静だったのを見て、俺はなんとも言えない気分になる。
花村先輩曰く、最近の先輩は何かに苛ついているようだったという。無言で何かを睨み付けたり、物を蹴ったり投げたりと。でも絶対に人を傷付けたりしなかったという。当然だ。先輩は優しい人なのだから。
それなのに、募った苛々がとうとう人間を害してしまったらしい。
先輩に何があったのか知りたかった。悩みがあるのなら相談に乗るのに。俺は馬鹿だから相談相手としては不足しているが、先輩の力になりたいと思う気持ちは負けない。
そう思って謹慎中の先輩に会いに行ったら。
「…俺の苛々の原因って、お前なんだよねぇ」
なんてことを言われたので普通にショックだった。
知らずの内に先輩の気に障ることをしたのだろうか。スミマセンと悄気ながら謝ると、先輩も俺に謝ってきたのだ。
「ごめん。お前はなんにも悪くないのに。俺が勝手に苛ついてるだけなんだ」
力無く笑うその人の指は傷だらけだった。絆創膏がたくさん。
この人の指が傷だらけになっていい筈がない。
「苛ついてンなら、俺を殴ってくださいよ。俺丈夫だから、全然耐えられますよ」
「馬鹿、お前に手を出したら意味ないんだ」
人を殴った手は、俺の頭を驚くほど優しく撫でる。こんなに優しい人を、俺に優しくしてくれる人を俺自身が苛つかせてる。すごくいたたまれなくなった。
すみませんでした。自分でも予想外に弱い声で呟くと、やっぱり先輩は首を横に振って、お前のせいじゃないんだ、ごめんよ完二と謝り返される。
ふ、と先輩は息を吐いた。少し切なげに目を揺らして、指を俺のピアスに掠める。くすぐったいなと思ったけど、何もしなかった。
「…ねえ完二。俺ねえ、お前が好きだよ。誰よりも何よりも」
「でもねえ、お前は俺を敬愛以上に見てくれない」
「それがどうしてももどかしくて腹立たしくてね。俺の想いが届かなくて悲しくてね」
「発散させないとなんにも悪くないお前を傷付けてしまうと思って」
「…ごめんね。自分勝手で。お前はなんにも悪くないんだよ。だからお前は謝らなくていいんだよ」
もう帰りなさい。
そう言われたのに、俺の足は動くことをしなかった。困ったように眉を下げる先輩。俺は酷い後悔に襲われた。
そのまま勢いだけで先輩の目を手のひらで覆う。目の前の人はいきなりの俺の行動に変な声を出す。
「な、にするの」
「先輩、泣きそうな顔してっから」
「そんなことないよ」
そう言う先輩の声は心なしかひきつっている。心臓の奥から込み上げてくるものを押し込めて、俺は手のひらに力を入れた。
「泣かないでくださいよ」
「泣いてないってば」
「憧れの先輩がピーピー泣いてんのは見たくない」
「…失望?」
「先輩が泣いてるとつらい」
「…」
「俺を傷付けたくないって思うなら、ひとりで傷付いて泣いたりしねーでください」
「泣いてないってば…」
俺の手をきゅうと握りながら、先輩は口の端をほんの少し上げた。
それから小さい声で呟く。何で俺を好きになってくれないのかなあと。
俺が先輩を好きじゃないわけがないのに。
普通の好きでは先輩は満足しない。昔からそれはわかっていた。
ずっと前から先輩は特別だった。普通と言うにはこの人の存在は大きくなりすぎてしまった。
伝わっていないことが悔しかったのだ。先輩が大好きなのに、当の本人に伝わってないことが。
というか、多分。
「俺は先輩のことすごい好きです」
「……お前は優しい子だね」
先輩自身が俺の思いを否定しているということに、この人は気付いていない。俺を好きだと豪語するのに、俺の好意を認めようとしてくれない。
それがこの上無く悔しくてムカついて、でもどうしようもなくて、泣きそうになることしかできなかった。
20120601
――――――――
うちの番長こんなんばっかり
運命(P4:花早紀)
2012年05月23日
もう何回目だ。
俺達の運命は最初から決まっていて、そして誘われるかのように終局へと向かう。
もう何回目だ。
運命は変えられない。俺は全部知っていた。
もう、何回目だ。
俺はあと何回、貴女がただ死んでいく運命を、無力な自分を悔やめばいいんだ。
「先輩、お疲れ様」
目の前の彼女は疲れた顔で綺麗に笑った。
俺は全部知っていた。その笑顔が嘘だってことも、本当は俺になんか笑いかけたくもないんだってことも、最初っからうざがられていたってことも、知りたくない事だって、全部。
「うん、疲れたよー。花ちゃんのお父さん、人使い荒すぎー」
からからと笑うその口調の裏では、全てが鬱陶しいと彼女の本心が鳴いていた。
でも俺はその彼女が好きだった。綺麗で、優しくて、可愛くて。初めて会ったときの印象はそんなもので、本心なんて知らなかった。だから好きになった。
「先輩、良かったら次の週末、気分転換に映画でも見に行きません?チケットちょうど二枚持ってんです」
「えー?でも最近忙しくておやすみ取れないんだよねー」
「俺が親父の方にちょっとお願いしてみるんで」
「ふーん……花ちゃんとデートかあ?ちょっとは考えてあげてもいいかも?」
「マジっすか!よっしゃ!」
俺は知っていた。このやり取りが無意味だってこと。彼女にはその気がまったくなかってこと。
もうすぐ四月が来る。
あいつがこの田舎にやってくるのを、ただ黙って待つだけ。
俺の運命は最初から決まっていた。
抗う事はできないって知っていた。だから流れに身を任せることしかできない。(いや、正確に言うと『運命』に抗うほどの度胸がなかっただけだ。俺はただの臆病者)
四月が来る。
転校生が来る。
彼女が死ぬ。
「…小西先輩」
「なに?」
「なんかあったら、俺に、…頼りになんねーと思うけど、相談してください」
「どーしたの改まってさ。まあ、花ちゃんじゃあ頼りにはなんないねー。私より弱そうだし?」
くすくすと笑う彼女はとても綺麗だ。
その顔がもうすぐ見られなくなると。もうすぐで彼女は笑顔を奪われて、惨めにも電柱に吊らされて殺される。
俺は彼女に課せられた運命を知っていた。
俺が何を言おうとどんなことをしようと、彼女の運命を変えられることはできない。彼女を救う事は出来ない。
ああ、もうすぐ彼女が死ぬ。
俺はまた。俺は。
「……気をつけてくださいね」
「なにを?」
「や、最近物騒だし」
「そっかな?そんなの都会くらいじゃん。花ちゃんは相変わらずお節介だなぁ。そんなところも花ちゃんらしくてまあいいと思うけどね」
何回でも何回でも何回でも俺はこの人を好きになる。好きになる理由さえ分からなくなるくらい。
彼女は何回でも殺される。
そして俺は何回でも振られる。
(そんなことはどうだっていい。ただ彼女に生きて欲しいだけなのに)
(あいつが来るまで、あと三週間)
(もう少し、もう少しだけ)
――――――――
何週目かの陽介の話
花早紀の切なさには胸が押しつぶされそうになります。だって早紀ちゃんだってちょっとくらい陽介のこと気にかけてたもん絶対
桜の木の下(イチウリ)
2012年05月07日
「花見、行こうぜ」
そういわれて連れて行かれたのが、なんてことはない、彼が学校に行くときの通り道だった。
歩道を少し外れたところに川があって、そのすぐ近くに小さい桜の木が二、三本だけ立っていた。
既に季節は五月だからか、桜ははらはらと散っていた。枝についてるものはまあまだまだ多いのだけど、この調子なら明後日くらいには全部落ちて普通の木になってしまうんだろう。
「木の数は少ねーけど、たくさん咲いてたら綺麗なんだ。昔よく妹と来てた」
太陽の光に目を細めながら、その男は少しだけ微笑んでいた。
彼曰く、秘密の場所なのだそうだ。
なにせ道の外れだし、小さくて本数もないからあまり人の目に留まらないらしい。
「いいんじゃないか。人も少なくて静かだし」
「お前なら、大勢が集まる定番の桜の木の下よりもこっちの方が喜ぶと思ったんだ」
確かに大勢居るよりだったら全然居ない方が好きだ。僕は少し肩を竦める。
花見、という言葉を久しぶりに聞いた気がした。小さいときは師匠と二人でよく行っていたけど、亡くなってからはぱったり行かなくなった。そういえば竜弦とは一回も行ったことがないかもしれない。行こうとも思わないが。
何年ぶりかの花見は黒崎と一緒。何だか不思議な気分だ。
この男と行動を共にするだなんて考えたこともなかったし、正直誘われたときも付いていったのが不思議なほどだ。何も考えないままに彼についていくなんて、昔の僕ではありえなかっただろう。
「というか、何で急に花見なんだ」
「……思い出作り?」
「一昨日あたり、浅野君達に誘われたときは行かなかったじゃないか」
「そりゃだってオメーがいねーから」
変わり者だ、と常に思う。
僕と居るよりも彼らと居た方が思い出作りになるのに。僕と桜の花を見たところで何かが起きるわけでもないし、正直退屈だろう。僕は浅野君みたいに楽しい話はできないし井上さんみたいに場を和ませることもできない。
僕自身は普通に嬉しいと感じた。彼に誘ってもらえたこととか、久々に桜が見れたこととか。
風に吹かれて散っていく桜のさまはとても綺麗で、ついつい目を奪われたままで時間が過ぎていく。
黒崎は別に喋るでもなく帰るでもなく、僕と同じようにその場に立ったまま桜を眺めていた。風でゆらゆらと揺れる彼の短いオレンジ色の髪の毛が太陽に照らされて眩しく光っている。
そこで気付いたのは、彼の目線が散る桜じゃなくて明らかに僕に向いてるということ。
「何だよ」
「……気に入ったか?」
「ああ…そうだな。僕は好きだよ」
黒崎は小さく笑った。
「お前と二人だけでこれそうなところだ。ちゃんと覚えとけよ」
「みんなには教えないのか」
「ああ、ここは俺の秘密の場所だからな」
それを僕にだけ教えてくれるというのに、どんな意図があるのだろう。
子供みたいに笑ってる黒崎を見たら、そんな問いはどうでも良くなった。
はらりはらりと確実に一枚ずつ散っていく桜。それが足元に溜まっていく。
もうすぐ春が終わるのだ。
なあ黒崎。気付いているかな。僕たちはもう何回もこの木の下には来れないよ。
春が過ぎて、また春が来て、また過ぎてまた来たら、僕たちはこの町に居ないかもしれないじゃないか。
「もう何回これっかわかんねーけど」
そう切り出した黒崎に、思考が読み取られたのかと一瞬びくりとした。
彼の視線は真っ直ぐだけど、それが桜を映しているのか木を映しているのか、はたまた空に向かっているのかは分からなかった。
それからその視線はまた僕に移る。眉間に皺が寄って厳しい印象を与えるけど、常に優しい光を灯した彼の目がゆっくりと細まった。
「来年も一緒に来ような」
こっちに伸びてきた指は僕の髪の毛を掠って、桜の花弁を摘んでいた。締りが無さそうに緩く笑う黒崎につられて、僕も何となく笑った。
――――――――
なんじゃこりゃあああああー久々に書いたから二人のキャラを掴み損ねてる
しかし砂吐き砂糖大盛りなイチウリも大好きなので高校卒業後もイチャイチャしてるとよいよ!
幸せについて本気出して(P4:主完)
2012年05月01日
「ねえ、ごめんよ」
「俺は望んでなかったんだ。俺はただ傍に居れればそれでいいって、ただそれだけで、あとはなんにも望んじゃいなかったんだ」
「ねえ、ごめんな」
「好きなんだよ。傍にいるだけじゃ足りないんだ。好きなんだ。お前のことが」
「お前が俺のこと好きじゃなくてもいいやって、お前に好きな子が居てもいいやって」
「お前が幸せなら俺も幸せだし、だなんて思ってたけど、違うんだ」
「ごめん、ごめんな」
「好きだよ。だから抱き締めたいしキスしたいしエッチだってしたいと思うよ」
「俺は結局、駄目なんだ」
「お前が俺を好きで居てくれないことがこんなにも辛い」
「ねえ、どうして俺のことを好きになってくれないの」
「ねえ、俺っておかしいのかなあ」
先輩は子供のように泣きじゃくりながら拙い口調で一気に吐いた。
俺は直斗が好きだった。同性愛は嫌いだった。
それなのになんでだろう。この人のことをどうしても放っておけない。
どうして先輩が泣きながら謝るのか、わからなかった。
どうして先輩が俺のことが好きなのか、わからなかった。
それから、どうして俺が泣いてるこの人を無性に愛しく思うのか、理解できなかった。
「先輩は、どうしてそんなに謝るんですか。俺、嬉しいです。先輩からの好意」
「違うんだよ、違うんだよ、俺のそれはそんなに綺麗なものじゃないんだ。俺、俺は」
「先輩…」
「俺は傍に居たいだけだったのにお前を本気で好きになる道を進んだんだ、本当は誰にも渡したくないんだ。直斗との恋なんて破局すれば良いなんて思ってたし、同性愛者でいてほしいだなんて思ってた。お前の幸せは俺の幸せだとか言っておいて、結局はお前の不幸ばっかり願って、それで俺が幸せになろうとしてただけなんだ」
「……」
「ごめん、ごめんね完二。俺みたいなのがお前を好きでごめん。でも、でも。軽蔑したっていいし殴ってもいい。もう二度と口を聞かないってんならそれでもいい。でも、でも」
俺のこと嫌いにならないで。
先輩はとうとうびーびーと泣き出した。
俺の中のかっこいい先輩のイメージとはかけ離れた姿に少し狼狽しながらも、やっぱり俺がこの人を放っておくことはなかった。
謝らないでくださいよ。泣くなんて先輩らしくねーよ。
先輩の頭を撫でてみると、その人はびくりと肩を揺らした。何だか普段と立場が逆転したみたいだ。
「なあ先輩。先輩が泣いてると俺不幸ッス。俺が幸せになっても先輩が泣いてんじゃあ、俺幸せになれねーよ」
「……」
「笑ってる先輩が好きですよ」
勢いよく首に抱き付かれてそのまま後ろに倒れた。
近付いた頭をもう一度撫でると、先輩がこっちを見た。少し幼さが残る整った顔立ちは、今は涙でぐちゃぐちゃに歪んでる。やっぱり涙なんて似合わないと思った。
俺はやっぱり直斗が好きだし、同性愛も嫌いだ。
でも俺の日常の中には常に先輩の優しい笑顔があって、その笑顔に支えられて今の俺が居る。
俺の幸せに先輩の存在は必要不可欠で、恋愛だとか同性愛だとか友情だとかそういうの全部抜きにしても、俺はこの人の笑顔を一番に望んでいたのだ。
だから、早く泣きやんでくださいよ。
――――――――
考えてみた。タイトルはポ/ル/ノ/グ/ラ/フ/ィ/テ/ィから
いろんな主完サイト様を見てるとやっぱり主人公が傍若無人で完二が泣いてる作品が多めだなあと思ったのでとりあえず主人公のほうを泣かせてみた
わたしこういう話好きなあ
「俺は望んでなかったんだ。俺はただ傍に居れればそれでいいって、ただそれだけで、あとはなんにも望んじゃいなかったんだ」
「ねえ、ごめんな」
「好きなんだよ。傍にいるだけじゃ足りないんだ。好きなんだ。お前のことが」
「お前が俺のこと好きじゃなくてもいいやって、お前に好きな子が居てもいいやって」
「お前が幸せなら俺も幸せだし、だなんて思ってたけど、違うんだ」
「ごめん、ごめんな」
「好きだよ。だから抱き締めたいしキスしたいしエッチだってしたいと思うよ」
「俺は結局、駄目なんだ」
「お前が俺を好きで居てくれないことがこんなにも辛い」
「ねえ、どうして俺のことを好きになってくれないの」
「ねえ、俺っておかしいのかなあ」
先輩は子供のように泣きじゃくりながら拙い口調で一気に吐いた。
俺は直斗が好きだった。同性愛は嫌いだった。
それなのになんでだろう。この人のことをどうしても放っておけない。
どうして先輩が泣きながら謝るのか、わからなかった。
どうして先輩が俺のことが好きなのか、わからなかった。
それから、どうして俺が泣いてるこの人を無性に愛しく思うのか、理解できなかった。
「先輩は、どうしてそんなに謝るんですか。俺、嬉しいです。先輩からの好意」
「違うんだよ、違うんだよ、俺のそれはそんなに綺麗なものじゃないんだ。俺、俺は」
「先輩…」
「俺は傍に居たいだけだったのにお前を本気で好きになる道を進んだんだ、本当は誰にも渡したくないんだ。直斗との恋なんて破局すれば良いなんて思ってたし、同性愛者でいてほしいだなんて思ってた。お前の幸せは俺の幸せだとか言っておいて、結局はお前の不幸ばっかり願って、それで俺が幸せになろうとしてただけなんだ」
「……」
「ごめん、ごめんね完二。俺みたいなのがお前を好きでごめん。でも、でも。軽蔑したっていいし殴ってもいい。もう二度と口を聞かないってんならそれでもいい。でも、でも」
俺のこと嫌いにならないで。
先輩はとうとうびーびーと泣き出した。
俺の中のかっこいい先輩のイメージとはかけ離れた姿に少し狼狽しながらも、やっぱり俺がこの人を放っておくことはなかった。
謝らないでくださいよ。泣くなんて先輩らしくねーよ。
先輩の頭を撫でてみると、その人はびくりと肩を揺らした。何だか普段と立場が逆転したみたいだ。
「なあ先輩。先輩が泣いてると俺不幸ッス。俺が幸せになっても先輩が泣いてんじゃあ、俺幸せになれねーよ」
「……」
「笑ってる先輩が好きですよ」
勢いよく首に抱き付かれてそのまま後ろに倒れた。
近付いた頭をもう一度撫でると、先輩がこっちを見た。少し幼さが残る整った顔立ちは、今は涙でぐちゃぐちゃに歪んでる。やっぱり涙なんて似合わないと思った。
俺はやっぱり直斗が好きだし、同性愛も嫌いだ。
でも俺の日常の中には常に先輩の優しい笑顔があって、その笑顔に支えられて今の俺が居る。
俺の幸せに先輩の存在は必要不可欠で、恋愛だとか同性愛だとか友情だとかそういうの全部抜きにしても、俺はこの人の笑顔を一番に望んでいたのだ。
だから、早く泣きやんでくださいよ。
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考えてみた。タイトルはポ/ル/ノ/グ/ラ/フ/ィ/テ/ィから
いろんな主完サイト様を見てるとやっぱり主人公が傍若無人で完二が泣いてる作品が多めだなあと思ったのでとりあえず主人公のほうを泣かせてみた
わたしこういう話好きなあ