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2026年06月13日
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いろいろ
2012年07月05日
主従(戦国BSR:幸村と政宗)
2012年02月04日
ばさらにょたしょーと
2012年01月15日
ばさらの短すぎるおはなしたち
片方が必ず女の子になってるにょた話集です
上の話ほど新しくなってます
上から
・親♀慶→♂孫
・幸♀佐
・三♀家
・政♀小
となっています
全体的に中途半端でよく分からない話ばっかりです
片方が必ず女の子になってるにょた話集です
上の話ほど新しくなってます
上から
・親♀慶→♂孫
・幸♀佐
・三♀家
・政♀小
となっています
全体的に中途半端でよく分からない話ばっかりです
(戦国BSR:政宗と慶次)
2011年11月03日
甘い甘いと思ってはいたが、ここまで甘ちゃんだとは思ってもいなかった。
目の前に倒れるでかい図体は死んでいるわけじゃない。少し強めだが峰打ちにしておいた。
こんな優柔不断で偽善者ぶってる奴の命なんざ背負ってやることも無いとふと思ってしまったのだ。
そんなことを少しでも考えた自分が酷く嫌になった。どんな人間でも命は命で、そこには上下も何も無いと俺は個人的には思っている。
でもこいつは一国を束ねる主でもなければ名を連ねる武将でもない。
自由奔放な風来坊で、甘ったれた、ただの子供だという印象が強かった。
実際の年齢は俺よりも高いのだろう。でもこいつは馬鹿の一つ覚えのように同じ言葉を繰り返し、同じ行動を繰り返す。愛だの恋だの、この時代にはあまり似つかわしくない言葉と、喧嘩だ祭りだと、命のやり取りをまるで遊びのように扱う。
あいつ自身は『命のやり取り』だなんて思ってもいないんだろう。思いたくないだけかもしれない。傷付けて傷付いて、その恐怖から逃げるために態と遊びだと称しているだけかもしれない。
俺はそんな中途半端なところが大嫌いだった。遊びなんかで命を背負って欲しくねぇ、遊びなんかで信念を踏み潰して欲しくねぇ。
奴が望んでる戦の無い平和な世の中、それは全員が望んでいることで、俺だって例外じゃない。けど、それを掴み取るために争いをする。戦争が次々と起こる。
矛盾している、世の中。平和を作るために犠牲を必要としている世の中は、誰もが望む世界だけど望んじゃいない世界でもある。
平和になればみんな笑うけど、犠牲が出ればみんな泣く。本当の幸せだなんて誰一人として与えられていないというのに、それでも人は平和を求めて戦い続けるのだ。
刀に付いた血を払い落とす。こびり付いた血の味を刀は覚えていく。ぎらりと銀色に光る切っ先は、一体何人を命を切ってきたのか。俺でさえそれは分からない。
近くには数々の屍が転がっている。俺だって殺したいわけじゃない。殺らなきゃ殺やられる。それはただの言い訳にしか過ぎない。結局は、奪っているんだから。
今日の俺達は快勝だった。無敵だとかなんとか騒ぐ馬鹿を黙らせたら、戦は終わった。
上杉に目に物を見せるために、逃げる残党を追いかけて切っていた。
そんなときに、その男は現れた。
目の前のそいつは上杉軍なんかじゃなかった。でかい刀を肩に担いで、派手な着物に長い髪。見間違いようの無い遊び人。
そいつは上杉に手を貸すと言ったから、敵。元々は上杉軍じゃないなんてことはここでは関係ない。手を貸すと言って俺に刀を向けたそのときから、そいつがどんな人間でも俺の敵になる。
こいつが上杉を助けたのはただの気紛れかもしれない。本来の甘ちゃん気質が放っておけなかったのかもしれない。
でも、覚悟が足りない。俺を切る、恐怖と決別する覚悟。
殺気が感じられない刀を弾くのなんて簡単で、一太刀入れるとそいつは逃げてしまう。追いかける理由なんて本当はなかったけど、そのときの俺は甘ったれたその男が気に入らず最高に機嫌が悪かったんだろう。
簡単に背中を見せるその緩さとか、中途半端な覚悟とか。腹立たしかった。
でも不思議とそいつ自身の本質を嫌うことはなかった。
喋っていることは脈絡もないし責任感もない、覚悟もなければ本気で殺す勇気もない。でも俺から上杉の残党を護ろうと刀を振るうところには少し共感を覚えた。
あいつは勝つために傷付けるんじゃなくて、護るために傷付ける。やっぱり甘ちゃんだなと思いながらも、それだけは本気で嫌いになることはなかった。
そんな俺の甘い考えが、こいつを殺すまでに至らなかった。
ド派手な髪飾りは壊れていて、地面に長い茶色の髪が流れている。目を瞑って気を失っているその顔は、戦場に似合わないほどに綺麗な顔をしていた。
「……Hey!小十郎!」
一番に信頼する右目の名前を呼ぶと、そいつは直ぐに俺の傍にやってくる。
「どうなされましたか、政宗様」
「こいつ、持って帰って傷の療養してやる。馬に乗せとけ」
「…承知致しました」
小十郎よりも体格がいいであろうその身体を、俺の右目はいとも簡単に担ぎ上げた。
「客人だ、丁重に扱えよ」と言ったら「分かっております」と答えが返ってくる。だけど馬に乗せた音が酷く乱暴で、だけど俺は苦笑だけ漏らした。
あいつは乱暴なつもりはないんだろうと分かっているからだった。
何でこいつを持ち帰ろうだなんて思ったのかは俺にだってよく分からない。
別にその辺に放置したって、何の問題もなかった筈だけど。こいつがどうなったところで、俺には関係のない話なんだけど。
こいつが気紛れで上杉を助けたように、俺も気紛れでこいつを助けてやりたかったのかもしれない。
人間の考えることは変わりやすい、なんて自分のことなのに客観的に思った。
同時に、甘さを捨て切れていない自分に苦く笑った。
――――――――
遠回しだけど政慶が好きだったり
慶次の名前全然出てないけど!
目の前に倒れるでかい図体は死んでいるわけじゃない。少し強めだが峰打ちにしておいた。
こんな優柔不断で偽善者ぶってる奴の命なんざ背負ってやることも無いとふと思ってしまったのだ。
そんなことを少しでも考えた自分が酷く嫌になった。どんな人間でも命は命で、そこには上下も何も無いと俺は個人的には思っている。
でもこいつは一国を束ねる主でもなければ名を連ねる武将でもない。
自由奔放な風来坊で、甘ったれた、ただの子供だという印象が強かった。
実際の年齢は俺よりも高いのだろう。でもこいつは馬鹿の一つ覚えのように同じ言葉を繰り返し、同じ行動を繰り返す。愛だの恋だの、この時代にはあまり似つかわしくない言葉と、喧嘩だ祭りだと、命のやり取りをまるで遊びのように扱う。
あいつ自身は『命のやり取り』だなんて思ってもいないんだろう。思いたくないだけかもしれない。傷付けて傷付いて、その恐怖から逃げるために態と遊びだと称しているだけかもしれない。
俺はそんな中途半端なところが大嫌いだった。遊びなんかで命を背負って欲しくねぇ、遊びなんかで信念を踏み潰して欲しくねぇ。
奴が望んでる戦の無い平和な世の中、それは全員が望んでいることで、俺だって例外じゃない。けど、それを掴み取るために争いをする。戦争が次々と起こる。
矛盾している、世の中。平和を作るために犠牲を必要としている世の中は、誰もが望む世界だけど望んじゃいない世界でもある。
平和になればみんな笑うけど、犠牲が出ればみんな泣く。本当の幸せだなんて誰一人として与えられていないというのに、それでも人は平和を求めて戦い続けるのだ。
刀に付いた血を払い落とす。こびり付いた血の味を刀は覚えていく。ぎらりと銀色に光る切っ先は、一体何人を命を切ってきたのか。俺でさえそれは分からない。
近くには数々の屍が転がっている。俺だって殺したいわけじゃない。殺らなきゃ殺やられる。それはただの言い訳にしか過ぎない。結局は、奪っているんだから。
今日の俺達は快勝だった。無敵だとかなんとか騒ぐ馬鹿を黙らせたら、戦は終わった。
上杉に目に物を見せるために、逃げる残党を追いかけて切っていた。
そんなときに、その男は現れた。
目の前のそいつは上杉軍なんかじゃなかった。でかい刀を肩に担いで、派手な着物に長い髪。見間違いようの無い遊び人。
そいつは上杉に手を貸すと言ったから、敵。元々は上杉軍じゃないなんてことはここでは関係ない。手を貸すと言って俺に刀を向けたそのときから、そいつがどんな人間でも俺の敵になる。
こいつが上杉を助けたのはただの気紛れかもしれない。本来の甘ちゃん気質が放っておけなかったのかもしれない。
でも、覚悟が足りない。俺を切る、恐怖と決別する覚悟。
殺気が感じられない刀を弾くのなんて簡単で、一太刀入れるとそいつは逃げてしまう。追いかける理由なんて本当はなかったけど、そのときの俺は甘ったれたその男が気に入らず最高に機嫌が悪かったんだろう。
簡単に背中を見せるその緩さとか、中途半端な覚悟とか。腹立たしかった。
でも不思議とそいつ自身の本質を嫌うことはなかった。
喋っていることは脈絡もないし責任感もない、覚悟もなければ本気で殺す勇気もない。でも俺から上杉の残党を護ろうと刀を振るうところには少し共感を覚えた。
あいつは勝つために傷付けるんじゃなくて、護るために傷付ける。やっぱり甘ちゃんだなと思いながらも、それだけは本気で嫌いになることはなかった。
そんな俺の甘い考えが、こいつを殺すまでに至らなかった。
ド派手な髪飾りは壊れていて、地面に長い茶色の髪が流れている。目を瞑って気を失っているその顔は、戦場に似合わないほどに綺麗な顔をしていた。
「……Hey!小十郎!」
一番に信頼する右目の名前を呼ぶと、そいつは直ぐに俺の傍にやってくる。
「どうなされましたか、政宗様」
「こいつ、持って帰って傷の療養してやる。馬に乗せとけ」
「…承知致しました」
小十郎よりも体格がいいであろうその身体を、俺の右目はいとも簡単に担ぎ上げた。
「客人だ、丁重に扱えよ」と言ったら「分かっております」と答えが返ってくる。だけど馬に乗せた音が酷く乱暴で、だけど俺は苦笑だけ漏らした。
あいつは乱暴なつもりはないんだろうと分かっているからだった。
何でこいつを持ち帰ろうだなんて思ったのかは俺にだってよく分からない。
別にその辺に放置したって、何の問題もなかった筈だけど。こいつがどうなったところで、俺には関係のない話なんだけど。
こいつが気紛れで上杉を助けたように、俺も気紛れでこいつを助けてやりたかったのかもしれない。
人間の考えることは変わりやすい、なんて自分のことなのに客観的に思った。
同時に、甘さを捨て切れていない自分に苦く笑った。
――――――――
遠回しだけど政慶が好きだったり
慶次の名前全然出てないけど!
(蜂:恩田と漆原)
2011年08月24日
「にゃあー」
声のした方向を見遣ると、猫を抱えている男が一人。
それは紛うことなく私の仕えている人物で、しかし彼の突拍子もない言動は日常茶飯事だったために私は余計なリアクションはしない。
その人は私をじっと見つめている。何かを伝えたいのかは分からないが、流石に私も言葉がないと彼の思考を読むのは不可能だ。いや、喋ったら喋ったで思考などまるで読めないことは分かっている。
彼は只管ににゃあ、にゃあと猫の鳴き真似をして私を見る。時折猫の腕を持ち上げてゆらゆら揺らしたり、掌を広げてみたりと、ジェスチャー付きで。
私は読んでいたスケジュール帳を閉じて、何ですかと声を掛けた。
この人を無視するなどということは許されないのだ。何しろ子供のような性格だから、すぐに拗ねてムキになってきっと拳銃を乱射し始めるだろう。それ以上に厄介なことだなんてきっとこの世に存在しないと言い切れる程にだ。
当の彼は、楽しそうな声色で上機嫌気味に話し出す。
「にゃー」
「………」
「にゃー。恩田ちゃんはにゃんこの呪いに掛けられてしまったためにゃん語しか話せなくなっちゃったにゃー」
どうやらそういう設定らしい。
大変だにゃー?と言いながら恩田さんは猫の頭に顔を埋める。恩田さんは動物には優しい。優しいと言っても人間の私達と比べては態度が柔らかいといっただけなのだが。
そもそも彼に優しいと厳しいの境界線があるのかさえ怪しい。彼にとってはそんな感情全て同じもので、そして下らないものなんだろう。
でもきっとこの人は動物が好きなのだろうと思う。この前も犬と戯れていたし、捨てられた犬猫に同情からか餌を買ってくる。そのときの顔は酷く無邪気で、本当に何を考えているか分からない人だと常に感じている。
恩田さんに抱えられている猫はお世辞にも綺麗とはいえなかった。また何処から拾ってきたのか知らないが、栗色の毛は遠目から見てもふわふわとは言えない。ところどころ泥で汚れているし、先程から思っていたが猫の毛が辺り一面に散らばっているのだ。
元から綺麗とは言えないこの部屋に今更猫の毛の十本や二十本、あまり変わりはないだろう。しかし、恩田さんはそれを嫌う。動物にはあれほど優しいのに、猫だって胸に抱いて頭を撫でながら寝てしまうくらいなのに。
部屋に毛が一本でも落ちてると、途端に不機嫌そうな顔になる。
何かこだわりがあるのだろうか。別に知りたいとは思わないが、どうにも不思議だ。
そんなことを思っている間にも、相変わらず猫語なる新しい言語を作って猫との会話を図り始める彼は、端から見ればただの無邪気な子供でしかない。
「…恩田さん。これからの予定が…」
「にゃにゃー!にゃんこ語以外今の俺には通じないにゃー!」
つまり聞きたくないらしい。統率力はあるのに本人はこんなにも面倒くさがり。耳を塞ぎながら猫に同意を求める恩田さんを見て、一つ溜息が零れた。勿論恩田さんに気付かれないように、こっそりと。
別にこのまま放置することも可能だが、これから大事な仕事がある。彼も大事だと言うことは理解してるとは思うが、何せ全て気分でものを決める人だ。仕事だ職務だ関係なく、やりたくない日はやらない。面倒くさい日はやらない。
しかし無理矢理引っ張っていくことは出来ない。出来る筈もない。
無言になった私にちらりと目を向けて、恩田さんは独り言のように猫に向かって呟いた。
「にゃんこの呪いを解くにはー、ウルちゃんからのちゅーが必要なんだにゃー?」
にゃー?と首を傾げると、恩田さんは同じように猫の首を傾ける。
目が合うと、彼は子供のような顔で楽しそうに笑っていた。
それはまるで挑戦しているような、誘っているような。揶揄っているような。
本気なのか遊びなのかなんて分からない。それも全てこの人の気分で決まる。きっと全て遊びなんだろうとは大方予想できる。彼に本気などと言う言葉は要らない。必要がない。
だからこの人の言っていることを、本気で捉える必要はないのだ。
彼の指からそっと猫を奪い取って、そのまま彼の唇に唇を落とした。猫を失った右手は不自然に宙に浮いたまま、別に私の服を掴むとか抵抗するとか、そんなことは一切しない。
これは本人が望んだことだから。
「呪いは解けましたね」
「………にゃーーーー」
「三十分までには車を出すので、それまでに準備しておいてください」
猫を地面に降ろすと、それは一目散に何処かに駆けていった。あとで掃除をしておかなければ。
恩田さんは少しだけ不満そうな表情をしていたが、まーいっか、とだけ呟いてソファに寝そべらせていた身体を漸く起こした。
一張羅のコートには猫の毛が大量についている。それを落とすこともせずに、ポケットに手を入れてスキップに近い形で歩き出す。
「恩田さん、コートを猫の毛を…」
「いーらないっ。たまにはこんなのも良さげじゃーん」
笑う顔はやっぱり子供に近く、でも考えることは子供の容量を超える。
歩きながら猫の毛をぱらぱらと地面に落としていくのをその姿を見つめて、ああこれは一応新しいコートも準備した方が良さそうだと思った。
――――――――
何が書きたかったのかはわたしにも分かりません
でも言いたいことは恩田ちゃん超可愛いってことです
恩田ちゃんは動物好きそうだけど、動物の毛だけ見ると「うわっ汚い」って思う人種だと思う
声のした方向を見遣ると、猫を抱えている男が一人。
それは紛うことなく私の仕えている人物で、しかし彼の突拍子もない言動は日常茶飯事だったために私は余計なリアクションはしない。
その人は私をじっと見つめている。何かを伝えたいのかは分からないが、流石に私も言葉がないと彼の思考を読むのは不可能だ。いや、喋ったら喋ったで思考などまるで読めないことは分かっている。
彼は只管ににゃあ、にゃあと猫の鳴き真似をして私を見る。時折猫の腕を持ち上げてゆらゆら揺らしたり、掌を広げてみたりと、ジェスチャー付きで。
私は読んでいたスケジュール帳を閉じて、何ですかと声を掛けた。
この人を無視するなどということは許されないのだ。何しろ子供のような性格だから、すぐに拗ねてムキになってきっと拳銃を乱射し始めるだろう。それ以上に厄介なことだなんてきっとこの世に存在しないと言い切れる程にだ。
当の彼は、楽しそうな声色で上機嫌気味に話し出す。
「にゃー」
「………」
「にゃー。恩田ちゃんはにゃんこの呪いに掛けられてしまったためにゃん語しか話せなくなっちゃったにゃー」
どうやらそういう設定らしい。
大変だにゃー?と言いながら恩田さんは猫の頭に顔を埋める。恩田さんは動物には優しい。優しいと言っても人間の私達と比べては態度が柔らかいといっただけなのだが。
そもそも彼に優しいと厳しいの境界線があるのかさえ怪しい。彼にとってはそんな感情全て同じもので、そして下らないものなんだろう。
でもきっとこの人は動物が好きなのだろうと思う。この前も犬と戯れていたし、捨てられた犬猫に同情からか餌を買ってくる。そのときの顔は酷く無邪気で、本当に何を考えているか分からない人だと常に感じている。
恩田さんに抱えられている猫はお世辞にも綺麗とはいえなかった。また何処から拾ってきたのか知らないが、栗色の毛は遠目から見てもふわふわとは言えない。ところどころ泥で汚れているし、先程から思っていたが猫の毛が辺り一面に散らばっているのだ。
元から綺麗とは言えないこの部屋に今更猫の毛の十本や二十本、あまり変わりはないだろう。しかし、恩田さんはそれを嫌う。動物にはあれほど優しいのに、猫だって胸に抱いて頭を撫でながら寝てしまうくらいなのに。
部屋に毛が一本でも落ちてると、途端に不機嫌そうな顔になる。
何かこだわりがあるのだろうか。別に知りたいとは思わないが、どうにも不思議だ。
そんなことを思っている間にも、相変わらず猫語なる新しい言語を作って猫との会話を図り始める彼は、端から見ればただの無邪気な子供でしかない。
「…恩田さん。これからの予定が…」
「にゃにゃー!にゃんこ語以外今の俺には通じないにゃー!」
つまり聞きたくないらしい。統率力はあるのに本人はこんなにも面倒くさがり。耳を塞ぎながら猫に同意を求める恩田さんを見て、一つ溜息が零れた。勿論恩田さんに気付かれないように、こっそりと。
別にこのまま放置することも可能だが、これから大事な仕事がある。彼も大事だと言うことは理解してるとは思うが、何せ全て気分でものを決める人だ。仕事だ職務だ関係なく、やりたくない日はやらない。面倒くさい日はやらない。
しかし無理矢理引っ張っていくことは出来ない。出来る筈もない。
無言になった私にちらりと目を向けて、恩田さんは独り言のように猫に向かって呟いた。
「にゃんこの呪いを解くにはー、ウルちゃんからのちゅーが必要なんだにゃー?」
にゃー?と首を傾げると、恩田さんは同じように猫の首を傾ける。
目が合うと、彼は子供のような顔で楽しそうに笑っていた。
それはまるで挑戦しているような、誘っているような。揶揄っているような。
本気なのか遊びなのかなんて分からない。それも全てこの人の気分で決まる。きっと全て遊びなんだろうとは大方予想できる。彼に本気などと言う言葉は要らない。必要がない。
だからこの人の言っていることを、本気で捉える必要はないのだ。
彼の指からそっと猫を奪い取って、そのまま彼の唇に唇を落とした。猫を失った右手は不自然に宙に浮いたまま、別に私の服を掴むとか抵抗するとか、そんなことは一切しない。
これは本人が望んだことだから。
「呪いは解けましたね」
「………にゃーーーー」
「三十分までには車を出すので、それまでに準備しておいてください」
猫を地面に降ろすと、それは一目散に何処かに駆けていった。あとで掃除をしておかなければ。
恩田さんは少しだけ不満そうな表情をしていたが、まーいっか、とだけ呟いてソファに寝そべらせていた身体を漸く起こした。
一張羅のコートには猫の毛が大量についている。それを落とすこともせずに、ポケットに手を入れてスキップに近い形で歩き出す。
「恩田さん、コートを猫の毛を…」
「いーらないっ。たまにはこんなのも良さげじゃーん」
笑う顔はやっぱり子供に近く、でも考えることは子供の容量を超える。
歩きながら猫の毛をぱらぱらと地面に落としていくのをその姿を見つめて、ああこれは一応新しいコートも準備した方が良さそうだと思った。
――――――――
何が書きたかったのかはわたしにも分かりません
でも言いたいことは恩田ちゃん超可愛いってことです
恩田ちゃんは動物好きそうだけど、動物の毛だけ見ると「うわっ汚い」って思う人種だと思う