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2026年06月13日
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ばさらにょたしょーと

2012年01月15日
ばさらの短すぎるおはなしたち
片方が必ず女の子になってるにょた話集です

上の話ほど新しくなってます

上から
・親♀慶→♂孫
・幸♀佐
・三♀家
・政♀小
となっています

全体的に中途半端でよく分からない話ばっかりです









※慶次が女の子で、孫一が男の子

「元親ー!なあ、孫一のこと教えてくれよー」

ソイツはいつもその言葉を俺のところに来るときの理由に使う。
最初はなんにも言わずに遊びに来てたってのに、最近じゃあそればっかりだ。
初めこそ、いつも恋愛のことを語るくせに恋をすることを誰よりも怖がっていたソイツが、やっと夢中になれる恋を見つけたのだと、友人として喜んだものだ。
だがいざアイツが真面目に追いかけようと決めた人間が現れると、どうも気に入らなくなる。しかもソイツも俺のダチだ。
雑賀孫一。慶次は一目惚れだという。まあ確かにアイツは男前だし、クールだし…いや、男前なら俺だって負けてねぇよな?
でもアイツは俺を親友以上だとは思わなかったし、俺だってアイツを恋愛対象としてなんか見たことがない。それなのに、いざ慶次に想い人ができると俺は気になって仕方がないのだ。
心の何処かでコイツは俺のなんだと思っていたからかもしれない。自分の浅ましさに自嘲した。俺以上に自由気ままであるコイツを一つに留めておくなんて無理なことだ。

「慶次、オメェさん、サヤカのどこに惚れたんだ?」
「えー、かっこいいし男前なとこ」

だろうなぁ。

「あと、俺の背中を押してくれた真っ直ぐなとこ」

照れたように笑う慶次の顔を初めて見て、俺じゃあ勝てないなと悟ることが悔しかった。
うじうじ悩んでる時点で、俺はサヤカには絶対勝てない。アイツは悩みも恐れも持っていない。本当に強い男だ。
だから俺は、これ以上慶次がサヤカの中に踏み入ることを拒む。
これ以上、慶次の瞳に俺が映らなくなることを恐れて。

「慶次、そういやぁ海で珍しい魚を見つけてな。身もたっぷりついてて美味そうなんだ。獲りにいかねぇか?」
「マジで?行く行く!魚食いたい!」

話を誤魔化しても逸らしても、アイツは疑うことなく俺に付いてくる。話す隙も無いくらい夜まで遊んで、土産を持たせて帰らせる。いつものことだ。その間だけ慶次はサヤカのことを忘れる。俺だけが独占できるんだ。

そこまで思って漸く気付く。
俺は慶次が好きらしい。


10120115







※佐助が女の子
 
自分の主は恋愛事にとことん疎かった。
年頃だし異性に興味が出ても良い頃だろうと思っていたのに、彼は此方の期待を見事に裏切る戦馬鹿の筋肉脳だった。
一に鍛練二に修行、三四に戦で五にお館様。
前田の甥が恋愛事について話すと破廉恥と槍を振り、前田の夫婦の姿を見るなり顔を真っ赤にしてやはり破廉恥と叫ぶ。アンタの破廉恥はどこまでが破廉恥なわけ、と佐助は何度もツッコみたくなった。
真田家の将来が心配になるくらい、現当主である真田幸村は浮わついた話が駄目だった。
 
「旦那って女が苦手なわけ?」
「…苦手…というか…俺はまだまだ未熟者故、そのような色恋などに現を抜かしている暇はないのだ」
 
意外と真面目な返事が返ってきて、佐助は目を丸くしたあとすぐに溜息をつく。幸村の堅物さにも困ったものだ。
しかし同時に、彼が夢中になる異性とはどんな人物なのか、単純に興味が沸き出た。幸村も結局は健全な優良男子。いつかは彼を骨抜きにするような女性と出会うのだ。
 
「旦那、好みのタイプとか教えてよ」
「っ、何故その様なことを聞くのだ?」
 
竹刀を一振り、汗を流す横顔は綺麗で男前。つい見惚れてしまう。歳を重ねて落ち着きを持ったらきっと黙っていても女が近寄ってくるだろう。
それが気に入らないなと思いながらも、佐助は自分の立場は誰よりも弁えている。幾ら自身が幸村を想おうと、絶対に報われないことくらい肝に銘じていた。
だからこそ、自分が認めた女と添い遂げて欲しいと思った。どこの馬の骨とも知らない人間に幸村を譲るつもりなど毛頭ない(これは息子を見守る母のような心境だ)。
 
「やっぱ可愛い子?それとも美人系?つかぶっちゃけ顔で見る?身体で見る?乳はデカイ派?小さい派?」
 
少しのからかいも含めて佐助は聞いた。きっと幸村のことだから、真っ赤になって言葉を淀ませるに違いない。
そう思ったのに、幸村は佐助を振り返って溜息をついたのだ。え、何で呆れられてんの俺様、と驚くと、彼の口からはこんな言葉が漏れた。
 
「佐助なら何でも良い」
 
嬉しいという感情より、呆れの方が先に沸いた。


(本当に鈍いのは、一体どっちだったのか)
 
 
20120115







※家康が女の子
 
包帯をぐるぐるに巻いたその指は傷だらけだった。
整えたら綺麗であろう形の良い爪も、健康的な肌色をした丸めの指も、割れ放題で荒れ放題。切り傷やこびりついた泥などで、お世辞にも女の指とは言い難かった。
しかしその手の持ち主である家康は、そんなことを気にするタマではない。素手で戦うことも己が傷つくことも、選んだのは彼女自身である。汚れようと傷付きようとも、平和のためだといつも笑っているのだ。
同時に、彼が自分の手を好きでいてくれるからだった。豊臣のために奮っているわけではないが、彼は戦で拳を握る彼女の手が好きだと言ったのだ。
しかしその男が今、家康の傷だらけの指を顰めっ面で睨んでいた。
指に触れる籠手の感触が冷たいなと思いながら、包帯を巻く手を止めたその男を不思議そうに見つめた。
 
「傷が増えたか」
「…さあ、どうだろう。多分増えてるとは思うが」
「やはり私には理解できん。自ら傷付きに行く事が愚かだと何故わからない」
 
ぴりぴりと傷が少し沁みたが、この程度では何とも思わないくらいには耐性がついた。ぶつぶつと呟きながらもしっかりと包帯を巻いてくれる三成のお陰でもある。
 
「秀吉様も、貴様の手が好きだと言う。奮うのは良いことだがあまり粗末に扱うな」
 
拳で戦う相手に拳を粗末に扱うななど、難しいなあと苦笑した。
しかし、三成に心配されるというのもなかなか新鮮で、少し嬉しかった。
その心配も秀吉のためなのだと気付かないわけがない。分かっているけど嬉しかった自分は単純だ。
三成が家康の手が好きだと言ったのも、きっと秀吉が好きだと言ったから。そんな言葉を言ったことさえ三成は忘れているだろう。
 
(なあ三成、ワシはお前に手が好きだと言われて嬉しかったんだ)
 
女である自分の手は小さく頼りない。それでも好きだと言ってくれた彼は、あのときも秀吉の事を思っていたのだろうか。
家康は三成に気付かれないよう、切な気に眉を下げた。
 
 
20111211







※小十郎が女の子
 
私は彼にとって信頼出来る一部下でなくてはならない。私は彼の右目としてそれ相応の振る舞いをしなければならない。
彼に親愛の情は抱いても、恋愛の情は決して抱いてはいけないのだ。それが片倉家に生まれたものの使命であり、末路であった。
 
「小十郎は、政宗様の御子は産めません」
「何でだ」
「小十郎は政宗様の背中を任されたもの。然りとて、只の家臣で在ることには変わりありません。それ故、小十郎が伊達家当主であられる政宗様の後継ぎを産むなど、身分を弁えないにも程があります」
 
こんな言葉をつらつら並べ立てたところで、この方が納得するなどと思っていなかった。そう思うことが出来たのは、私がこの方に愛されていると知っていたからだ。
私も彼を愛していた。故にもう終わらせないといけない。彼の目を醒まさせなければ、伊達の名を汚さぬように。
 
「ふざけんな、身分とか関係ねぇ。俺はお前が良いっつってんだ」
「伊達家の未来を思って、小十郎めは申しております。貴方も当主としての自覚を持ってくださりませ」
「…俺に、お前以外の女を選べと、そう言うのか」
「それが、小十郎の願いでございます」
 
目を伏せた瞬間、力強く抱き締められた。
背中に回る大きな手と、私の身体など簡単に包み込める成長した身体。もう駄々を捏ねる子供ではない、国を束ねる主として確実に一人の男に近付いている。
同じ様に手を背に添えると、額が肩口に押し付けられる。
 
「じゃあ俺は、子なんて要らねぇ。お前じゃないなら、お前以外との子なんて要らねぇッ…」
 
震える指が髪を優しく撫でて、私は不意に泣きそうになる。
ああ、私は何故彼と同じでいられなかった。同じでいられたなら、彼にこんな選択を迫る必要もなかったのに。
どうして私は女に生まれた。もしも男であったのならば、いつまでも近くで見守ることを許され、こんな感情が邪魔をすることもなかったのに。
私が女であることが、こんなにも彼を狂わせてしまった。
 
「小十郎めは、男として生を受けたかった」
 
最後に呟いた本音を、政宗様はどう受け取っただろう。
 
 
20111201
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