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2026年06月13日
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いろいろ

2012年07月05日
携帯で書いてた小ネタ


1、勇者学で盾と杖。わたしこの組み合わせ好きな…

2、ぺよんで主完。番長が完二大好きすぎる話(いつも









「河野くん、借りてたゲーム返すよ」
「おー。どうだ?最高に面白かっただろ?」
「うん。僕は2が一番好きだな」
「あーなるほどな。2の見所っつったらあれだよな。第三章で若菜さんが…」


ゲームを返すだけの用件だったんだけど。
彼は聞いてもいないのにこのゲームのことは何でも喋りたがる。すっかり帰るタイミングを逃してしまった僕は、大人しく彼の話が終わるのを待つか、運良く鋼野先生が通り掛かって河野くんを連行していくのを待つしかなかった。
しかし、常にツッコミばかりしかしない彼が素のままに自分の好きに語るのはこの作品以外にない。今まで思いを共有できるような友人に恵まれなかったのだろう。
アクションサスペンスと言ったか。少し曖昧だ。RPGとか格ゲーなどのジャンルが好きな人間は進んで手を伸ばさない作品だとも思う。現に僕は去年まで名前くらいしか知らず、河野くんに白い目で見られたこと(ついでに思い切り馬鹿にされたこと)が何とも言えなかった。
勿論僕はゲームと銘打つものならなんだって好き。でも推理モノは少し地味なイメージが強くて、彼に勧められたときも正直乗り気じゃなかった。
でもやっぱり人気シリーズだけあってなかなかの作り込みで、思ったよりも全然楽しめた。確か4まで出ている筈だったが、河野くんは3までしか貸してくれなかった。4と言えば前には部室でやっているのを見たことがあるが。きっと彼の中でその作品は海藻物語と認識されていないのだろう。

「はあ…こんな名作がもう続編でないと思うと本当に辛いよな…」

会社が吸収されたことで名作からクソゲーへと飛躍的な退化を成し遂げたゲームへの虚しさを滲ませながら、河野くんは遠い目をする。多分これからも一応出るかと思うんだけど、それはもう名作としては絶対に扱われないだろう。なんと言ってもクソゲーだと断定されてしまうような出来だから。

「…1のさ、最終章のピーターはカッコイイよね」
「ん?ああ、ピーターは少しおちゃらけてるけど何気に名言多いからな!ピーターの一番の名言なんだと思う?一つに決めるのは難しいんだが、敢えて言うなら3のよし子さんに対してのあの…」

話のネタは尽きない。
このゲームを語るときの彼の生き生きとした目が眩しくて、僕はついつい話を広げようと頑張ってしまうのだ。
僕自身こんなに思い入れを入れたゲームなんて無かったから、だから僕はこれほど好きなことを語れる彼がとても羨ましく思えていたのだ。


20120630
いみとおちがない



――――



今日の体育は100メートル走をするのだと、完二は心底面倒くさそうに言った。俺はというと完二が走っている姿を是非写真に収めたいななんてどうでもいいことを考えていた。
五時間目はなんと、この事を予想していたかのように自習になっていた。プリントを解かなくちゃいけないんだけどそんなことはどうでもいい。俺にとっては学校側の評価より完二の勇姿を見る方が大事なのだ。

ということで俺は教室を飛び出して校庭の隅のフェンスに張り付いていた。勿論完二には内緒で来た。サプライズというヤツだ。
一年生ががやがやと歩いている。その群れから少し遅れてふらふらと欠伸をしながら可愛い後輩はやって来た。彼はジャージでも自分のスタイルを崩さず、上着は肩に乗っけたまま。可愛いなあと思った。
相変わらず他の子達と距離がある。それでもいいと思う。群れにいない分、姿が良く見える。本音を言ってしまうなら、彼がクラスメイトと普通に接するようになると俺が寂しいのだ。
準備運動もそこそこに、漸く第一走者がレーンに並ぶ。完二は列から離れて木陰にいた。うん、今日あっついもんね。そのまま四回目くらいの欠伸。眠そうだなあ。
早く完二の番が来ないものだろうか。
一年生って小さいなあ。完二の出番が来るまでが暇すぎて、一年生を観察し始めた俺の感想だ。まだまだ細くて、女の子なんて包み込めちゃうよ。完二は小さくないしそんな細くもない。包み込むというより寧ろ包み込められるけど、でも可愛いんだよなあ。誰にも負けないよなあ。女の子顔負けだよ。
かっこいい先輩を演じたい俺はなんとか緩む顔を直そうとするが、多分引きつっているだけで全然直ってない。

「巽!そろそろ並べ!」

パッと顔を上げたら、体育教師の近藤が完二に手招きしていた。あの人は完二を恐れない人だ。だから俺は嫌いじゃない。
完二はすごく緩慢な動きで立ち上がった。眉をしかめながら嫌そうに。体育は嫌いなのかなあ。
今更ながらに俺が彼の体育の授業を見るだなんて初めてだった。

「完二、頑張れ」

我慢できなくなって俺はフェンスの上に昇って叫んだ。そしたら完二がびっくりしたみたいに肩を伸ばして、俺の姿を瞳に映すなりその目をまんまるに見開いた。因みに完二だけではなく他の子達の視線までも独り占め状態になり、少しだけ恥ずかしくなった。

「え、ちょ、何で先輩がここに、授業中じゃ」
「自習なんだ。完二の頑張る姿を目に焼き付けておきたくて」

お得意のスマイルで応対すると、彼は困ったように眉を下げたあと、少し照れたみたいに唇を尖らせた。

「…頑張ります」
「うん。あとでご褒美にホームランバー買ってあげるね」
「マジスか!」

目を輝かせる姿、本当に可愛らしい。ホームランバーなんていつでも買ってあげるのに、俺に対して遠慮という言葉をこれ見よがしに発揮してしまうために俺が彼に奢ったことは少なかった(逆に陽介なんかはいつも言い寄られているらしく、それが羨ましくて羨ましくて悔しかった思い出がある)。
レーンに並んだ完二に手を振ると、小さくだが振り返してくれた。一位になったら二本買ってあげよう。久し振りに可愛い完二のためにお金を使えるのだ。糸目などつけるものか。

ピッ、笛を吹く音が校庭に小さく響いて、完二の走る姿を見た。
でかい図体が足を引っ張るのか特別早いとは言えないけど、彼の武器はその足の長さだった。他と一回りくらい歩幅が違って、たんたんとリズム良く地面を駆ける。
普段の猫背で姿勢が悪くて足を引き摺るみたいに歩く姿もいいけど、背筋を前に伸ばしながら飛んでいくみたいに駆け抜ける姿もなかなかいい。何より一生懸命になるときの、唇の結び方が堪らない。俺が見ているからと、良いところを見せようと頑張る姿が堪らなく可愛いのだ。

陸上部の人間がいたのか、完二は二位だった。まあ、部活に入ってもないのにこんなに早いのなら文句はない。
お疲れさま、そう叫んだら、完二は汗を拭ったあと笑いながら俺にピースサインを向けた。俺はフェンスからおこっちそうになる。

おま、おまえ、それは可愛すぎるだろ…!

顔がすごく熱くなる。太陽のぎんぎんとした日差しと温度も相俟って熱中症になりそう。
ふらついた俺を心配してくれたのか、完二が大丈夫ッスか、とこっちに寄って来た。
ちょっと下がった眉と広いおでこに滲む汗とか。さっきまでの得意気な表情もピースサインも。

「完二ぃ!」
「っ、なんスか急に大声出して」
「惚れ直しちゃったよ!!」

蝉にだって負けないくらいの声で叫んだら、今度は完二が倒れるんじゃないかってくらい真っ赤になった。
あーあー、可愛いなあ俺の完二!


20120701
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