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2026年06月13日
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昼休み(イチウリ)
2010年12月23日
雪(白哉と恋次)
2010年12月19日
廊下を歩いていた時に、はらりと舞った白い結晶。
最初は気の所為だと思って気にしなかったが、目の前を一粒、二粒、落ちてくる結晶が次第に多くなっていくことで、これは現実なのだと頭で理解した。
ゆっくりと、けど確実に地面に向かって落ちてくる白。
それが綺麗で、少しの間空をじっと見つめていた。
廊下から外へ出て、はらはら落ちる白を自身の手に納めてみた。手に静かに乗った結晶は、音も無く一瞬にして消える。後に残ったのは小さい水の雫だけで、それを見て恋次は本当に確信した。
―――雪!!
大股で隊舎の中へ戻り、浮かれているような足取りで歩く恋次は、六番隊隊員達からは「機嫌が良い」と微笑ましく思われ、他隊舎の隊員からは訝しげな眼で見られる。
そんな小さい事、今の彼からすれば全く関係無いし、気にしている暇もない。
もっともっと重大な事があるのだから!
持っている資料さえも振り落としてしまいそうな勢いに、この野良犬が相当はしゃいでいるのが伝わる。
勢い良く執務室の戸を開けると、外の様子など気にも留めない、六番隊隊長が筆をさらさらと走らせているのが一番に目に映った。
眼は机上の資料から離さず、恋次が戻ってきても少し目を向けただけで、直ぐに逸らす。
そんな白哉の机に資料を半分置きながら、恋次は口を開いた。
「隊長、雪っスよ、雪」
「………ゆき?」
「もうそんな時期なんすねぇ。道理で寒い訳ですよ」
そう言いながら、彼の表情は至極嬉しそうで。それをみて白哉はちらと彼を見る。
「……雪など、毎年降るだろう。何をそんなに騒ぐ必要がある」
「たった数日しか降らないじゃないすか。明日積もっかなぁ」
態々執務室の戸を完全に開ける。冷たい空気が入り込んできて、流石の白哉も眉を寄せた。早く閉めろと口を開きかけたが。
「さっきよりも降る量増えてる!」と叫びながら、恋次が戸を全開にしたまま外に飛び出た。
言葉を失った口は、中途半端に開いたまま。
少しの間黙っていたが、筆を机に置いて静かに腰を上げた。
立ちあがって戸をほんの少しだけ閉める。その隙間から外を伺うと、自分の副官である男が雪を見ながら両手を広げて歓声を上げている所だった。
白の結晶は止まる事を知らないかのように、次々とはらりはらり。落ちてくる。
息を吐くと白くなった。やはりもうそんな時期なのか、改めて実感する。
副官にもう一度視線を戻すと、彼は周りにいる隊士を巻き込みながら未だに雪に感動している。
道行く隊士達に雪が降っている事を伝えているのか、楽しそうに笑う顔。
今にも駆け出しそうな(実際駆け出したのだが)、忙しない姿。
その恋次の姿を見つめながら、ふと、白哉の頭に一つの言葉が思い浮かんだ。
「……犬、か……」
ふ、とほんの小さく笑った。
――――――――
雪降ったね!ということで
恋次は雪降ったら犬並みにはしゃげばいい。猫みたいに寒いのが苦手で部屋に籠ってるのも可愛いけど!
最初は気の所為だと思って気にしなかったが、目の前を一粒、二粒、落ちてくる結晶が次第に多くなっていくことで、これは現実なのだと頭で理解した。
ゆっくりと、けど確実に地面に向かって落ちてくる白。
それが綺麗で、少しの間空をじっと見つめていた。
廊下から外へ出て、はらはら落ちる白を自身の手に納めてみた。手に静かに乗った結晶は、音も無く一瞬にして消える。後に残ったのは小さい水の雫だけで、それを見て恋次は本当に確信した。
―――雪!!
大股で隊舎の中へ戻り、浮かれているような足取りで歩く恋次は、六番隊隊員達からは「機嫌が良い」と微笑ましく思われ、他隊舎の隊員からは訝しげな眼で見られる。
そんな小さい事、今の彼からすれば全く関係無いし、気にしている暇もない。
もっともっと重大な事があるのだから!
持っている資料さえも振り落としてしまいそうな勢いに、この野良犬が相当はしゃいでいるのが伝わる。
勢い良く執務室の戸を開けると、外の様子など気にも留めない、六番隊隊長が筆をさらさらと走らせているのが一番に目に映った。
眼は机上の資料から離さず、恋次が戻ってきても少し目を向けただけで、直ぐに逸らす。
そんな白哉の机に資料を半分置きながら、恋次は口を開いた。
「隊長、雪っスよ、雪」
「………ゆき?」
「もうそんな時期なんすねぇ。道理で寒い訳ですよ」
そう言いながら、彼の表情は至極嬉しそうで。それをみて白哉はちらと彼を見る。
「……雪など、毎年降るだろう。何をそんなに騒ぐ必要がある」
「たった数日しか降らないじゃないすか。明日積もっかなぁ」
態々執務室の戸を完全に開ける。冷たい空気が入り込んできて、流石の白哉も眉を寄せた。早く閉めろと口を開きかけたが。
「さっきよりも降る量増えてる!」と叫びながら、恋次が戸を全開にしたまま外に飛び出た。
言葉を失った口は、中途半端に開いたまま。
少しの間黙っていたが、筆を机に置いて静かに腰を上げた。
立ちあがって戸をほんの少しだけ閉める。その隙間から外を伺うと、自分の副官である男が雪を見ながら両手を広げて歓声を上げている所だった。
白の結晶は止まる事を知らないかのように、次々とはらりはらり。落ちてくる。
息を吐くと白くなった。やはりもうそんな時期なのか、改めて実感する。
副官にもう一度視線を戻すと、彼は周りにいる隊士を巻き込みながら未だに雪に感動している。
道行く隊士達に雪が降っている事を伝えているのか、楽しそうに笑う顔。
今にも駆け出しそうな(実際駆け出したのだが)、忙しない姿。
その恋次の姿を見つめながら、ふと、白哉の頭に一つの言葉が思い浮かんだ。
「……犬、か……」
ふ、とほんの小さく笑った。
――――――――
雪降ったね!ということで
恋次は雪降ったら犬並みにはしゃげばいい。猫みたいに寒いのが苦手で部屋に籠ってるのも可愛いけど!
一緒に(イチウリ)
2010年12月12日
「君は少し勘違いをしているようだから言って置くけど」
誰もいない教室に、雨竜の声だけが響き渡る。
その言葉は彼の目の前にいるオレンジ色の髪の死神代行に向けられたもので、しかし当の彼はその言葉の意味がわからないとでも言うように首を僅かに傾げる。
机の中にある教科書やらノートを鞄に詰めながら、一護に目を向けずに続ける。
「僕達は確かに共闘した。協力したと言っても良いものか分からないけど、確かに共に戦った」
「ああ、そうだな」
「だけど、只それだけだ。だから別に僕は君の事を仲間やら何やらだとは思ってない」
教科書をトントンと束ねながら、彼は静かにそう言い放った。
そんな事を言えば目の前の死神の眉間に皺が深く刻まれるのを知っている。知っているから、敢えて彼の癇に障りそうな言葉を紡ぐ。眼鏡をかちゃりと上げながら、鞄を肩に掛ける。
今度は、一護の方から「オイ」と声が掛かる。ゆっくりと顔を上げた。
「俺は一緒に帰ろうぜって言っただけだろ。なのに何でそんなに話の内容が広がってんだよ」
「だから、君のその発言が問題なんだろ。何で君と帰らなくちゃならないんだ」
「一緒に帰るのに理由が必要かよ」
「僕と君は滅却師と死神、敵同士だ。死神と帰るなんて御免だね」
眉間の皺は先程より深いが、彼の声に明らかな怒気は含まれていない。大方、「コイツまだそんなめんどくせぇ事言ってんのかよ」とでも呆れているのだろう。
雨竜にとって、一護に呆れられる事など大した問題ではない。只、彼の神経は疑うものがある、とは思っているが。
確かに、雨竜の死神への感情は一護に出会ってから若干変わっただろう。しかしそれもほんの少し、一握りにもならない程度。結局どんな事があろうと、雨竜にとって死神は敵で、憎むべき存在なのは変わらない感情なのだ。それは一護も十分理解している。
でも、だからこそ「分かり合おう」と思うのは、可笑しい事なのだろうか。
「はっきり言っておくが、僕は君が、死神が嫌いだ。もう僕に構うなよ」
一護からすれば、「絡んで来たのはお前の方だろうが」である。
そんな一護の気を余所に、滅却師の青年はさっさと踵を返し、彼に背を向けて歩き去ろうとする。それを若干の苛立ちを含ませた目で見つめた後、一護も雨竜の後ろを付いて行く。
「………まだ何か用なのか」
「あ?使ってる生徒用玄関は一緒だろ。そこまでは強制的に一緒でも文句言えねーだろうが」
「僕が出て行った後に出れば問題ないだろ」
「お前の後に出るのが癪だったんだよ」
暫く無言で黙々と廊下を歩く二人の姿は、如何にも険悪なムードが否めない。一護の「普通に仲良くしたい」気持ちと雨竜の「死神とは仲良くなれない」気持ちがぶつかり合って相殺された結果である。
水色曰く「一護と石田くんは似た者同士だね」という事らしいが、正直言って俺の何処がコイツに似てるというのか。俺はこんなに意地っ張りじゃないし、こんな小さい事に何時までもこだわる程器が小さいつもりも無い。
そんな事をもやもやと考えている内に、いつの間にか目の前には生徒の下駄箱。反応が遅れてうっかり下駄箱に激突すると、雨竜が驚いたような呆れたような目線を此方に向けていた。
靴を乱暴に出す。しっかりと並べたままに地面に置く。こんな所でも、二人の違いが出てくるのだ。
「もう一回聞くけど」
さっさと靴を履いた一護が、後ろを振り向きながら口を開いた。眉根の皺は、勿論消えていないままだが。
「一緒に帰ろうぜ?」
「……まだ言ってるのか」
流石に諦めていたものとばかり思っていたのに、彼の粘り強さと頑固さを忘れていたようだ。
はあ、と態と聞こえるように溜息を零す。それを聞こえない振りを決め込んだまま、じっと目を逸らさない。
先に歩を進めたのは、雨竜の方だった。
答えもしないままに歩き始めたその青年に「オイ!」と声を掛けようとする。明らかなシカトは流石に腹が立つものだ。
「好きにしなよ」
すぐ横を通り抜けた瞬間に、小さく聞こえた短い言葉。
言おうとした文句は、喉の奥に引っ込んでしまった。言葉を失った開いた口は、意味も無く開いたまま。
当の彼は、一護に目もくれずに外への歩を進める。
慌ててその後ろ姿を追いかけて、若干距離がありながらもしっかりと隣に立って歩調を合わせる。
肯定された訳ではないけど、拒絶された訳でもない。その事実が、ほんの少しだけ嬉しかった。
「一歩前進」と呟いたら、雨竜に訝しげな目線を投げられた。
――――――――
一護と雨竜の友情って恋愛ぐらいもにゃもにゃしてそうだよね!っていう話
しょっちゅう一緒に帰ろうとか誘ってたら可愛い。そんでその度に言い合いしてればいい
……カプものにしては温い気がする(いつものこと
誰もいない教室に、雨竜の声だけが響き渡る。
その言葉は彼の目の前にいるオレンジ色の髪の死神代行に向けられたもので、しかし当の彼はその言葉の意味がわからないとでも言うように首を僅かに傾げる。
机の中にある教科書やらノートを鞄に詰めながら、一護に目を向けずに続ける。
「僕達は確かに共闘した。協力したと言っても良いものか分からないけど、確かに共に戦った」
「ああ、そうだな」
「だけど、只それだけだ。だから別に僕は君の事を仲間やら何やらだとは思ってない」
教科書をトントンと束ねながら、彼は静かにそう言い放った。
そんな事を言えば目の前の死神の眉間に皺が深く刻まれるのを知っている。知っているから、敢えて彼の癇に障りそうな言葉を紡ぐ。眼鏡をかちゃりと上げながら、鞄を肩に掛ける。
今度は、一護の方から「オイ」と声が掛かる。ゆっくりと顔を上げた。
「俺は一緒に帰ろうぜって言っただけだろ。なのに何でそんなに話の内容が広がってんだよ」
「だから、君のその発言が問題なんだろ。何で君と帰らなくちゃならないんだ」
「一緒に帰るのに理由が必要かよ」
「僕と君は滅却師と死神、敵同士だ。死神と帰るなんて御免だね」
眉間の皺は先程より深いが、彼の声に明らかな怒気は含まれていない。大方、「コイツまだそんなめんどくせぇ事言ってんのかよ」とでも呆れているのだろう。
雨竜にとって、一護に呆れられる事など大した問題ではない。只、彼の神経は疑うものがある、とは思っているが。
確かに、雨竜の死神への感情は一護に出会ってから若干変わっただろう。しかしそれもほんの少し、一握りにもならない程度。結局どんな事があろうと、雨竜にとって死神は敵で、憎むべき存在なのは変わらない感情なのだ。それは一護も十分理解している。
でも、だからこそ「分かり合おう」と思うのは、可笑しい事なのだろうか。
「はっきり言っておくが、僕は君が、死神が嫌いだ。もう僕に構うなよ」
一護からすれば、「絡んで来たのはお前の方だろうが」である。
そんな一護の気を余所に、滅却師の青年はさっさと踵を返し、彼に背を向けて歩き去ろうとする。それを若干の苛立ちを含ませた目で見つめた後、一護も雨竜の後ろを付いて行く。
「………まだ何か用なのか」
「あ?使ってる生徒用玄関は一緒だろ。そこまでは強制的に一緒でも文句言えねーだろうが」
「僕が出て行った後に出れば問題ないだろ」
「お前の後に出るのが癪だったんだよ」
暫く無言で黙々と廊下を歩く二人の姿は、如何にも険悪なムードが否めない。一護の「普通に仲良くしたい」気持ちと雨竜の「死神とは仲良くなれない」気持ちがぶつかり合って相殺された結果である。
水色曰く「一護と石田くんは似た者同士だね」という事らしいが、正直言って俺の何処がコイツに似てるというのか。俺はこんなに意地っ張りじゃないし、こんな小さい事に何時までもこだわる程器が小さいつもりも無い。
そんな事をもやもやと考えている内に、いつの間にか目の前には生徒の下駄箱。反応が遅れてうっかり下駄箱に激突すると、雨竜が驚いたような呆れたような目線を此方に向けていた。
靴を乱暴に出す。しっかりと並べたままに地面に置く。こんな所でも、二人の違いが出てくるのだ。
「もう一回聞くけど」
さっさと靴を履いた一護が、後ろを振り向きながら口を開いた。眉根の皺は、勿論消えていないままだが。
「一緒に帰ろうぜ?」
「……まだ言ってるのか」
流石に諦めていたものとばかり思っていたのに、彼の粘り強さと頑固さを忘れていたようだ。
はあ、と態と聞こえるように溜息を零す。それを聞こえない振りを決め込んだまま、じっと目を逸らさない。
先に歩を進めたのは、雨竜の方だった。
答えもしないままに歩き始めたその青年に「オイ!」と声を掛けようとする。明らかなシカトは流石に腹が立つものだ。
「好きにしなよ」
すぐ横を通り抜けた瞬間に、小さく聞こえた短い言葉。
言おうとした文句は、喉の奥に引っ込んでしまった。言葉を失った開いた口は、意味も無く開いたまま。
当の彼は、一護に目もくれずに外への歩を進める。
慌ててその後ろ姿を追いかけて、若干距離がありながらもしっかりと隣に立って歩調を合わせる。
肯定された訳ではないけど、拒絶された訳でもない。その事実が、ほんの少しだけ嬉しかった。
「一歩前進」と呟いたら、雨竜に訝しげな目線を投げられた。
――――――――
一護と雨竜の友情って恋愛ぐらいもにゃもにゃしてそうだよね!っていう話
しょっちゅう一緒に帰ろうとか誘ってたら可愛い。そんでその度に言い合いしてればいい
……カプものにしては温い気がする(いつものこと
彼の美しさ(角←弓)
2010年12月05日
僕は美しいものが好きだ。
何だって良い、兎に角美しいものは、特に僕以上に美しいものは少しだけ妬んでしまうけど大好きだ。
そんな僕は、数字の中では『三』がお気に入り。数字で書くんじゃなくて、漢数字で書く方。
だから隊の中でも『第三席』が僕のお気に入り。見ているだけで良いんだけど、どうせなら僕はその美しい『三』の席に座っていたかった。
でも、三席は僕じゃない。三席は僕じゃ無く、もっと相応しい人に贈られた。
僕はそれに不満は無いし、全く気にしてなんて無い。
一角は、僕には無い美しさを持っている。
彼の頭の輝きが美しい訳じゃない。いや、一角の頭は他の一般の死神には無い美しい輝きを持っている。と僕は思っている。違う、頭の話じゃなくて。
彼は、楽しみながら闘っている。嬉しそうに楽しそうに、相手と命のやりとりをしている。
僕は、それが美しいと思う。
一角の闘っている姿、どんなものでも勝てないくらいに、美しく輝く。
だから、第三席は彼の物。僕は『三』の字に良く似ている『五』の数字を頂いている。
たまに僕を見てこう言う人がいる。
「お前は三席にもなれる実力を持っているのに、何故五席に甘んじている?」
そんなの決まっているじゃないか、四の字はあまり美しくない。さっきも言った通り、三の字が一番好きなんだ。でも、三は一角の物、僕は五で十分。
一角を蹴散らして三の数字を手に入れる、なんて、考えたことも無いし出来るとも思ってないしやりたいとも思わないし、寧ろそんなことおこがましい上に自分の実力を見誤っているにも程がある。
だって、一角は強いもの。
一角は、美しいんだ。僕以上に、何倍も何倍も。
そんな美しい彼には、三の数字が一番似合っていると僕個人は思う訳だ。
まあ、一角は『一』が一番好きだとは思うけどね。
僕は美しいものが好きだ。
だから、三の数字が好き。
三の数字が似合う、一角も好き。
僕以上に美しい、一角の闘う姿が好き。
一角が庭の方で朝の鍛錬をしている姿を見ながら、僕はそんな事を考えて顔を綻ばせた。
すると熱い視線を送る僕に気付いたのか、一角が訝しげな眼で此方を見ている。
「…お前、何ニヤニヤしてんだ。気持ちわりぃぞ」
美しい僕の事を「気持ち悪い」だなんて、一角じゃなかったら殴りかかってるところだけど。
僕は当然のように美しい。でも、一角は僕以上に美しい物を持っている。
だから、君なら僕に何を言っても問題ない。
僕の事を「気持ち悪い」って言っても良いのは、一角と隊長だけだからね。
「一角がかっこいいな~と思って、見惚れてた?」
自分でもわかるくらいにニコニコ笑ってたら、もっと怪しい物を見るような顔された。
全く、僕は一角の美しいところを全部理解してるっていうのに、一角が僕の美しさに気付くのは一体何時なのだろう?
――――――――
角弓好き!寧ろ角←弓が好き
一角の後ろにいつもくっついてる弓親は可愛い
何だって良い、兎に角美しいものは、特に僕以上に美しいものは少しだけ妬んでしまうけど大好きだ。
そんな僕は、数字の中では『三』がお気に入り。数字で書くんじゃなくて、漢数字で書く方。
だから隊の中でも『第三席』が僕のお気に入り。見ているだけで良いんだけど、どうせなら僕はその美しい『三』の席に座っていたかった。
でも、三席は僕じゃない。三席は僕じゃ無く、もっと相応しい人に贈られた。
僕はそれに不満は無いし、全く気にしてなんて無い。
一角は、僕には無い美しさを持っている。
彼の頭の輝きが美しい訳じゃない。いや、一角の頭は他の一般の死神には無い美しい輝きを持っている。と僕は思っている。違う、頭の話じゃなくて。
彼は、楽しみながら闘っている。嬉しそうに楽しそうに、相手と命のやりとりをしている。
僕は、それが美しいと思う。
一角の闘っている姿、どんなものでも勝てないくらいに、美しく輝く。
だから、第三席は彼の物。僕は『三』の字に良く似ている『五』の数字を頂いている。
たまに僕を見てこう言う人がいる。
「お前は三席にもなれる実力を持っているのに、何故五席に甘んじている?」
そんなの決まっているじゃないか、四の字はあまり美しくない。さっきも言った通り、三の字が一番好きなんだ。でも、三は一角の物、僕は五で十分。
一角を蹴散らして三の数字を手に入れる、なんて、考えたことも無いし出来るとも思ってないしやりたいとも思わないし、寧ろそんなことおこがましい上に自分の実力を見誤っているにも程がある。
だって、一角は強いもの。
一角は、美しいんだ。僕以上に、何倍も何倍も。
そんな美しい彼には、三の数字が一番似合っていると僕個人は思う訳だ。
まあ、一角は『一』が一番好きだとは思うけどね。
僕は美しいものが好きだ。
だから、三の数字が好き。
三の数字が似合う、一角も好き。
僕以上に美しい、一角の闘う姿が好き。
一角が庭の方で朝の鍛錬をしている姿を見ながら、僕はそんな事を考えて顔を綻ばせた。
すると熱い視線を送る僕に気付いたのか、一角が訝しげな眼で此方を見ている。
「…お前、何ニヤニヤしてんだ。気持ちわりぃぞ」
美しい僕の事を「気持ち悪い」だなんて、一角じゃなかったら殴りかかってるところだけど。
僕は当然のように美しい。でも、一角は僕以上に美しい物を持っている。
だから、君なら僕に何を言っても問題ない。
僕の事を「気持ち悪い」って言っても良いのは、一角と隊長だけだからね。
「一角がかっこいいな~と思って、見惚れてた?」
自分でもわかるくらいにニコニコ笑ってたら、もっと怪しい物を見るような顔された。
全く、僕は一角の美しいところを全部理解してるっていうのに、一角が僕の美しさに気付くのは一体何時なのだろう?
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角弓好き!寧ろ角←弓が好き
一角の後ろにいつもくっついてる弓親は可愛い
隊長と副隊長(ギンとイヅル)
2010年12月02日
何故か僕は凹んでいる。
凹み過ぎて何故凹んでいるのかもわからないほどに、僕の気持ちは沈むに沈みまくっていた。
肩にずっしりとした重みを感じる。肩が重ければ気も重く、ついでに僕の表情も見る人が思わず顰め面を見せるくらいに酷く暗いもので、それは自分が良く分かっていることだった。
それでも僕の唯でさえ幸が薄そうな顔は生まれつきで、実際幸は薄いんだけど、まあそれは全部あの人の所為じゃなかなぁと頭の隅っこで思う。幸が薄いのは僕の日頃の行いの所為かも知れないが(でも僕は日頃悪い事なんてしてないし、寧ろそういう事をしているのはあの人の方で)、基本的にあの人が元凶の種を撒いて我関せずみたいに客観的な態度でいる所為だと思う。思うじゃない、絶対だ。
本日何度目か分からない溜息を零す。肺の中の空気が全部無くなるくらいの、重くて長い溜息。
不意に後ろに近付いてきた霊圧に、更に気が重くなった。
「なんや、酷い顔やねぇ。どないしたん、イヅル?」
のろのろと後ろを振り向くと、ああ思った通りの人。大体僕がこの人の霊圧を間違える訳が無い、でも今は正直外れて欲しかったかなぁとも感じる。
いつも閉じられている狐を思わせる眼と、常に端が吊り上がっている口。それにしても見れば見るほどこの人は狐に似ている気がする。隊長と同じような服を着た狐の姿を思い浮かべて、少しだけど肩の重みが減ったような気分になった。
「この世の終わりみたいな顔しとるよ。イヅルのネガティブオーラは半端ないやんなァ」
「…いえ、何でもありません」
「お?急に顔が綻んだなァ、ボクが来た事がそないに嬉しかったんや?」
ケタケタと笑う目の前のお人は、多分冗談でそういう事を言ってるんだと思う。この人は何を考えているのか分からない。だから何処までが真面目で何処までが冗談なのか、正直判断し難い。僕個人の意見ではこの人自体が冗談の塊だとも思っているが、そんなこと口が裂けても言える訳が無い。
僕が何も考えずにじっと隊長を見ていると、銀髪を揺らして首を傾けた。
「イヅル、干し柿食わへん?」
行き成りそう問われて、驚いて反応が遅れた。
この人の右手に少し膨らんだ袋が握られていた事に、今更気付く。
今までこれを収穫していたのだろうか。この人は干し柿が好きすぎて自分用に育てるくらいで、それを人に配っているのを偶に見かける(主に乱菊さんとか。多分朽木隊長には嫌がらせ目的でやっているんだと思う)。
けど、僕は生憎干し柿が嫌いだ。残念な事に嫌いなんだ。
「お気持ちは有難いのですが、僕は、その、干し柿はあまり好みません…」
「何やそうなんか?それは残念やなぁ」
隊長は珍しく、本当に珍しく残念そうに眉を下げる。あの、隊長が。
「最近イヅル元気無いかて、これ食べて元気だして貰お思たんやけど」
今なんて言ったのか、最初僕は自分の耳を疑った。
この人が、僕の心配をしたとでも言うのか?何を考えているかもわからず、いつも人を挑発しているかの如く笑みを絶やさないこの人が、副官である僕を心配してくれてる…
凹んで沈んで暗い気持ちだったその時の僕は、その人の言葉にうっかり感動してしまった。僕は何だかんだ言いつつこの目の前の市丸ギン隊長を尊敬しているのだ。そんな人からのこの優しい言葉に、僕は普通に飲み込まれてしまった。
「仕方ないなァ」と踵を返そうとする隊長に向かって、「やっぱり貰います!!」と高らかに宣言した時の隊長の顔と言ったら、異常なほどに楽しそうな嬉しそうな。
まあ、口に入れて頬張った瞬間に吐きましたが。
「ごめんなァイヅル、ボクイヅルが干し柿嫌いなの知ってて言うたんやけど、ホンマ食べてくれるなんて思て無かったんや、無理さしたね」
しゃがみ込んで僕の頭を撫でながら、全く悪びれた様子が無いように笑ってそんな事を口にする。ああもうくそ、こうなるなんて分かっていたことなのに。胃から込み上げてくる吐き気に耐えながら、僕は隊長じゃなくて簡単に流された自分に腹を立てた。
「ほな、四番隊行こか」と腕を引っ張られて、半分抱えられる形で立ち上がる。
最初の沈んだ暗い気持ちは無くなったけど、また違う感情が新たに体の中に入ってきたような、そんな感覚。
………ああ、これってストレスなのかなぁ、隊長の着物にしがみ付きながら、僕はぼんやりとそう思った。
――――――――
イヅル口調って楽。イヅルみたいな子の口調が一番楽だ。
ギンイヅとも確定できない内容だ…ギンイヅ可愛いよね
凹み過ぎて何故凹んでいるのかもわからないほどに、僕の気持ちは沈むに沈みまくっていた。
肩にずっしりとした重みを感じる。肩が重ければ気も重く、ついでに僕の表情も見る人が思わず顰め面を見せるくらいに酷く暗いもので、それは自分が良く分かっていることだった。
それでも僕の唯でさえ幸が薄そうな顔は生まれつきで、実際幸は薄いんだけど、まあそれは全部あの人の所為じゃなかなぁと頭の隅っこで思う。幸が薄いのは僕の日頃の行いの所為かも知れないが(でも僕は日頃悪い事なんてしてないし、寧ろそういう事をしているのはあの人の方で)、基本的にあの人が元凶の種を撒いて我関せずみたいに客観的な態度でいる所為だと思う。思うじゃない、絶対だ。
本日何度目か分からない溜息を零す。肺の中の空気が全部無くなるくらいの、重くて長い溜息。
不意に後ろに近付いてきた霊圧に、更に気が重くなった。
「なんや、酷い顔やねぇ。どないしたん、イヅル?」
のろのろと後ろを振り向くと、ああ思った通りの人。大体僕がこの人の霊圧を間違える訳が無い、でも今は正直外れて欲しかったかなぁとも感じる。
いつも閉じられている狐を思わせる眼と、常に端が吊り上がっている口。それにしても見れば見るほどこの人は狐に似ている気がする。隊長と同じような服を着た狐の姿を思い浮かべて、少しだけど肩の重みが減ったような気分になった。
「この世の終わりみたいな顔しとるよ。イヅルのネガティブオーラは半端ないやんなァ」
「…いえ、何でもありません」
「お?急に顔が綻んだなァ、ボクが来た事がそないに嬉しかったんや?」
ケタケタと笑う目の前のお人は、多分冗談でそういう事を言ってるんだと思う。この人は何を考えているのか分からない。だから何処までが真面目で何処までが冗談なのか、正直判断し難い。僕個人の意見ではこの人自体が冗談の塊だとも思っているが、そんなこと口が裂けても言える訳が無い。
僕が何も考えずにじっと隊長を見ていると、銀髪を揺らして首を傾けた。
「イヅル、干し柿食わへん?」
行き成りそう問われて、驚いて反応が遅れた。
この人の右手に少し膨らんだ袋が握られていた事に、今更気付く。
今までこれを収穫していたのだろうか。この人は干し柿が好きすぎて自分用に育てるくらいで、それを人に配っているのを偶に見かける(主に乱菊さんとか。多分朽木隊長には嫌がらせ目的でやっているんだと思う)。
けど、僕は生憎干し柿が嫌いだ。残念な事に嫌いなんだ。
「お気持ちは有難いのですが、僕は、その、干し柿はあまり好みません…」
「何やそうなんか?それは残念やなぁ」
隊長は珍しく、本当に珍しく残念そうに眉を下げる。あの、隊長が。
「最近イヅル元気無いかて、これ食べて元気だして貰お思たんやけど」
今なんて言ったのか、最初僕は自分の耳を疑った。
この人が、僕の心配をしたとでも言うのか?何を考えているかもわからず、いつも人を挑発しているかの如く笑みを絶やさないこの人が、副官である僕を心配してくれてる…
凹んで沈んで暗い気持ちだったその時の僕は、その人の言葉にうっかり感動してしまった。僕は何だかんだ言いつつこの目の前の市丸ギン隊長を尊敬しているのだ。そんな人からのこの優しい言葉に、僕は普通に飲み込まれてしまった。
「仕方ないなァ」と踵を返そうとする隊長に向かって、「やっぱり貰います!!」と高らかに宣言した時の隊長の顔と言ったら、異常なほどに楽しそうな嬉しそうな。
まあ、口に入れて頬張った瞬間に吐きましたが。
「ごめんなァイヅル、ボクイヅルが干し柿嫌いなの知ってて言うたんやけど、ホンマ食べてくれるなんて思て無かったんや、無理さしたね」
しゃがみ込んで僕の頭を撫でながら、全く悪びれた様子が無いように笑ってそんな事を口にする。ああもうくそ、こうなるなんて分かっていたことなのに。胃から込み上げてくる吐き気に耐えながら、僕は隊長じゃなくて簡単に流された自分に腹を立てた。
「ほな、四番隊行こか」と腕を引っ張られて、半分抱えられる形で立ち上がる。
最初の沈んだ暗い気持ちは無くなったけど、また違う感情が新たに体の中に入ってきたような、そんな感覚。
………ああ、これってストレスなのかなぁ、隊長の着物にしがみ付きながら、僕はぼんやりとそう思った。
――――――――
イヅル口調って楽。イヅルみたいな子の口調が一番楽だ。
ギンイヅとも確定できない内容だ…ギンイヅ可愛いよね