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2026年06月13日
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そんな夢を見た

2011年03月29日
不思議な夢を見たと、金色の少年は言った。
そんな少年を仮面越しに見つめて、そうか、と返事を返した。
なんだか話したそうな顔で此方を見つめていて、溜息をつきながらカイルの次の言葉を待った。

不思議な夢を見たんだ、再度彼はそう言った。
オレ達、ふわふわ、ふわふわ、空を飛んでいるんだ。
何処までも青い青い空の上を、真っ白な雲と一緒に、ふわりふわりと。
最初はオレ一人で飛んでいたけれど、どんどん一緒に空を飛ぶ仲間が増えていくんだ。
一番にロニがオレの手を掴んでくれて、次にリアラと手を繋いで、ナナリーは渋々といった感じでロニと手を繋いでいたけど、何だか嬉しそうだった。それからナナリーが何処からかハロルドを引っ張ってきて。
それから、父さんと母さん、ウッドロウさんやフィリアさんもみんなで手を繋いで、空を飛んでたんだ。落ちてるんだか上ってるんだか分からなかったけど、幸せだったからそれでいいかなと思った。


「不思議だよね。その中に、ジューダスが見つけられなかったんだ」

『不思議』とはそういう意味だったのか。別に不思議でも何でもないだろう。
(僕にはお前の夢に出る資格すら持っていないだけの話)
そう思っている筈なのに、酷く自分が落胆しているのは何故なのだろうか。

「それでオレ、思ったんだよ。きっとジューダスはオレの夢の中で寝てるんだ」

オレ達が空を飛んでいることにも気付かないくらいの爆睡。
何を言っているんだこいつは。僕が人の夢の中で眠るなんて、お前じゃあるまいし有り得ない。
でも、とこいつは口を開く。

「オレの夢にジューダスが出てこないなんて、それこそおかしいよ」

だから、絶対に眠ってるんだ。
オレ達が飛んでる空のすぐ下で、きっと羊に囲まれながらふわふわの空間でぐっすり。
全く、しょうがないなぁジューダスは。オレが起こしてあげないと起きないんだから!
いつもとは正反対だね。
楽しそうにそう言って笑うカイルを見て、微笑ましい様な、何か複雑な様な。微妙な気分で僕は話の続きに耳を傾ける。

「今日、オレジューダスのこと起こしに行くからね。ちゃんと起きるんだよ」
「…別に、僕抜きで空でも何でも飛べば良いだろう」
「ジューダスが居ないと、楽しくないよ」
「幸せだったのだろう?」
「幸せだったけど、全然楽しくなかったよ」

真剣其の物のカイルの青い瞳は、いつも以上にきらきらと輝いていた。
僕はそんな青い瞳を見て、こんな綺麗な空だったら飛んでみてもいいかもしれないと思った。

「今日は、オレと二人で空を飛ぼう。明日は、みんなで手を繋いで!」
「……気が向いたら、一緒に飛んでやる」


目を瞑ったら、綺麗な青い空が見えた気がした。


――――――――

意味不明なんだけどほのぼの、な話を書こうとした
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無題

2010年09月23日

とりあえず追記に置いておくジュカイ小話
特に意味はないけどね!
つづきはこちら "無題"

君は誰?君は何処?

2010年06月02日
夢を、見るようになった。
いつの記憶なのかはわからない。でも、すごく楽しかったのは覚えている。
ロニと、自分。一緒に旅をして、色々な人に出会っていた。
遺跡のでっかいレンズから女の子が出てきたり、ロニが見知らぬ少女に関節技を決められていたり、両親であるスタンとルーティが使っていた『ソーディアン』の誕生の瞬間を見ていたり――
登場人物は実にさまざまだ。聖女と呼ばれた少女に、10年後の世界の住人、1000年前の天才科学者だったり……
嫌な場面も何度かあった。だけど、周りに居た、自分の仲間たちとの思い出の方が、よっぽどよっぽど強く印象に残っていた。夢の中だということも忘れて、現実にあったことなんじゃないかと思ったりした。

だけど、その夢に一つだけ、ぽっかりと大きな穴が開いていた。
何かが足りない、何かがない、そんな、心に隙間があるような感覚。
夢の中の仲間達と火を囲んでいる時、隣に大きな穴が開いていた。
これはなんだろう?そう思って手を伸ばしてみる。
触れた。ちゃんと人の形をしているようだ。

『……急に何だ?』

大きな穴が、怪訝そうにこちらに話しかけてきて、思わず手を引っ込めた。
そこでいつも目が覚める。
ベッドの上でぼーっと宙を見つめながら、カイルは頭の中で記憶を巡らせていた。
あれは誰だろう?オレの知ってる人だろうか?どうしてあの人だけ見えないのかな?あれは誰なのかな?
何故か、他の仲間は覚えている。会ったこともない、見たこともないのだが、何故か身近に感じられる他の仲間の事は、鮮明に覚えていたのに。
もう一人、居た気がする。
(何に?どこに?)
気がするんじゃない。確かに「居た」んだ。
(じゃあ、何処に行ってしまったの?)
その人は、みんなにとって、自分にとって、とてもとても大切な人だったのに。
(何故、ここに居ないの?どうして思い出せないの?)
顔が思い出せない。それどころか、性格も、名前さえも思い出せない。
ただ、記憶があったのは、
怪しげな骨の仮面のようなもので顔を隠して、漆黒の服を身に纏って―――

『……カイル』







ぱちりと目を覚ましたら、窓の外ではぽつぽつと雨が降っていた。
今日は父であるスタンと共に裏山に行く予定だったのだが、これでは行けるはずがない。
ベッドの隣にある小さな棚に目を移すと、怪しげな骨の仮面が目に入った。
スタンが何故か行商人から買ってきた、何の骨なのかもわからない仮面。
それを見た瞬間、心臓の辺りがきりりと痛んだ。
「夢の中の大切な人は、この仮面を被っていた」確信は持てないが、確信した。

夢の中で自分を呼ぶ声。
ひたすらに、ひたすらに追い求めているのに。
追いつけない。届かない。彼が、消えてしまう。

「―――――……っ!!」

彼の名前を呼びたい。名前がわからない。呼びたい。忘れてしまった彼の名を。
カイルは毛布に顔を埋めた。胸が苦しくて、苦しくて、寂しくて悲しくてしょうがない。
もう一度、会いたい。顔を見たい、声を聞きたい、話したい、……笑って欲しい。
涙が止まらなくて、止める気もなく、毛布をきつく握りしめながら、頭の中で、何度も何度も、彼を呼んだ。

見知らぬ愛しい大切なひとを。


――――――――

もしもリアラに力が残っていたら、ハロルドにもナナリーにも会えるけど、ジューダスには絶対に会えないじゃないですか。18年前に戻ればリオンはいるけど、それはあくまで「リオン」であって、自分達の求めている「ジューダス」という人物はいない訳ですよ。
そうかんがえれば、一番残酷な結末だったのはやっぱりジューダスですよね…。

まいごのまいごの

2010年04月30日
早足で歩きながら、きょろきょろと辺りを見回す。
人ごみの中に、小さい金髪を発見した。
背は小さいものの(自分よりは大きいらしいが)、ふわふわと風に揺れている金髪は、どの人間よりも目立っていた。
人の波をくぐり抜けて、その金髪の少年の腕を掴んだ。
少年は驚いて振り向き、見慣れた仮面を被っている少年をみると、すぐに驚きの顔を満面の笑みに変えた。

「ジューダス!急にいなくなっちゃうから探したんだよ?」
「それはこっちの台詞だ馬鹿者!ふらふらするなと言っただろう!」

息を切らしながら怒りを露にする仮面の少年に、金髪の少年――カイルは困ったように笑った。

「あ…ご、ごめん。珍しいものがいっぱいあったからさ、見てみたいなーって…。」

素直に謝りながら、怒られたことに少しだけしゅんとなる。
それを見たジューダスは、はぁ、と小さく溜息をついた。

「…別に怒っている訳じゃない。…心配…していたんだ。」
「…え?」
「勝手にいなくなると…心配するだろう。少しくらい声をかけろ。」

そういうと、カイルは少し嬉しそうに笑った。
ジューダスは、そんなカイルを訝し気に見る。

「…何を笑っている。」
「いや、さ。ジューダスが心配してくれるなら、迷子になるのも良いかなぁと思って。」

へらへらと笑うカイルに、ジューダスは呆れながら溜息をつく。

「…そんな言葉、実際に迷子になってから吐くんだな。」

ジューダスはカイルの手を握ったまま、自分達が今夜泊まる宿に向かって歩き出した。急に引っ張られたカイルは転びそうになったが、何とか歩調を合わせる。
カイルは、自分の手を握って前を歩いている少年を見つめながら、再び言葉を紡いだ。

「オレ、はぐれて良かったかも。」
「…また何だ、急に。」
「ジューダスが探しに来てくれたから。」

珍しく驚いたような顔をしながら、ジューダスは立ち止まってカイルの顔を見る。相変わらずにこにこと笑っていた。
そんな少年に腹が立って、ついでにその少年の言葉で少しでも顔が熱くなったような感覚を受けた自分にも腹が立って、ジューダスは何も言わずに宿に向かって走り出した。
カイルの手を、握ったまま。
もちろん、カイルは転んだ。


――――――――

ジューダスが探しに来るなら、迷子になりたいです(願望
ロニカイとジュカイどっちにしようか迷ったけどジュカイでいってみた(これジュカイ?

面影

2010年04月20日

カイルは何事もなかったかのように振舞う。
少なからず、いや、ひどくショックを受けているはずなのに。
ジューダスのあの一言。

(みんなが見ているのは、お前じゃない。)

みんなが見ているのは、お前の父親、スタンだ。城の兵士もそうだったし、ウッドロウだってそうだった。
誰も、カイルを見ていない。後ろに居る、スタンの面影だけを見ている。
何もわかっていない、ただただ浮かれていたカイルは、その言葉を聞いて、ジューダスやロニ、リアラの前から走り去って行った。
リアラが気を使ってカイルを追いかけ、ロニが怒りを爆発させた。他に言い方があるだろうと。
その、ロニの異常なまでにカイルに甘い所が気に入らなかった。
少し八つ当たりも混じったような言葉で、ジューダスはロニに厳しい言葉を投げる。

城に魔物が突っ込んできたから、二人でカイルとリアラを探した。
そうしたら、カイルは何も落ち込んでいなかった。
何故だろう。何故彼は、立ち直れるのだろう。
ウッドロウが心配だということで、全員で城に向かおうとしていた。

「ジューダス。」
「……?なんだ。」
「…さっきは、ありがとう。」
「……礼を言われるようなことをした覚えはないが。」
「いや、さっき俺に厳しいこと言ってくれたじゃん。ほら、ロニって俺に甘いから、そういうことは言わないんだ。」

ロニの事を、少しは分かっているようだ。
しかし、そんなただの説教じみた言葉など、礼を言われる筋合いはない。

「本当の事を言ったまでだ。…そんなことでいちいち礼などいらん。」
「うん……でも、言っておきたかったんだ。」

ありがとう、もう一回そう言って、にこりと微笑んだ。
人懐っこい、何か懐かしい感じがする―――
心臓の辺りが、ドクンと音を立てて動く。
この笑顔…似てる。いつも、自分に向けられていた、あの

「…っと、こんなところでぐずぐずしてちゃ駄目だよね!行こう、ジューダス!」

ふいっと自分に背を向ける少年。
その背中が、あの英雄と被った。

「――――スタ……――――」
「へ?」

何か言った?と、自分が手を伸ばした少年は振り向く。
行き場の無くなった手は、不自然に宙を彷徨った。
こちらを見る目は、顔は、姿は、自分が求めていたものではなかった。
何でもない、そう呟いて、カイルと共に城の中に走った。

偉そうに説教しておきながら。
偉そうに言葉を紡いでおきながら。
偉そうに、カイルを語っておきながら。

(結局僕も、カイルじゃなく、後ろに居るあいつを見ているんだ…)

誰にも気付かれないくらい小さく、ジューダスは自嘲気味に笑った。


――――――――

ジュ→カイでリオ→スタ。リオンはリオンでスタンの事好きで、ジューダスはジューダスでカイルの事大事に思ってればいい。

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