忍者ブログ

[PR]

2026年06月13日
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

君は誰?君は何処?

2010年06月02日
夢を、見るようになった。
いつの記憶なのかはわからない。でも、すごく楽しかったのは覚えている。
ロニと、自分。一緒に旅をして、色々な人に出会っていた。
遺跡のでっかいレンズから女の子が出てきたり、ロニが見知らぬ少女に関節技を決められていたり、両親であるスタンとルーティが使っていた『ソーディアン』の誕生の瞬間を見ていたり――
登場人物は実にさまざまだ。聖女と呼ばれた少女に、10年後の世界の住人、1000年前の天才科学者だったり……
嫌な場面も何度かあった。だけど、周りに居た、自分の仲間たちとの思い出の方が、よっぽどよっぽど強く印象に残っていた。夢の中だということも忘れて、現実にあったことなんじゃないかと思ったりした。

だけど、その夢に一つだけ、ぽっかりと大きな穴が開いていた。
何かが足りない、何かがない、そんな、心に隙間があるような感覚。
夢の中の仲間達と火を囲んでいる時、隣に大きな穴が開いていた。
これはなんだろう?そう思って手を伸ばしてみる。
触れた。ちゃんと人の形をしているようだ。

『……急に何だ?』

大きな穴が、怪訝そうにこちらに話しかけてきて、思わず手を引っ込めた。
そこでいつも目が覚める。
ベッドの上でぼーっと宙を見つめながら、カイルは頭の中で記憶を巡らせていた。
あれは誰だろう?オレの知ってる人だろうか?どうしてあの人だけ見えないのかな?あれは誰なのかな?
何故か、他の仲間は覚えている。会ったこともない、見たこともないのだが、何故か身近に感じられる他の仲間の事は、鮮明に覚えていたのに。
もう一人、居た気がする。
(何に?どこに?)
気がするんじゃない。確かに「居た」んだ。
(じゃあ、何処に行ってしまったの?)
その人は、みんなにとって、自分にとって、とてもとても大切な人だったのに。
(何故、ここに居ないの?どうして思い出せないの?)
顔が思い出せない。それどころか、性格も、名前さえも思い出せない。
ただ、記憶があったのは、
怪しげな骨の仮面のようなもので顔を隠して、漆黒の服を身に纏って―――

『……カイル』







ぱちりと目を覚ましたら、窓の外ではぽつぽつと雨が降っていた。
今日は父であるスタンと共に裏山に行く予定だったのだが、これでは行けるはずがない。
ベッドの隣にある小さな棚に目を移すと、怪しげな骨の仮面が目に入った。
スタンが何故か行商人から買ってきた、何の骨なのかもわからない仮面。
それを見た瞬間、心臓の辺りがきりりと痛んだ。
「夢の中の大切な人は、この仮面を被っていた」確信は持てないが、確信した。

夢の中で自分を呼ぶ声。
ひたすらに、ひたすらに追い求めているのに。
追いつけない。届かない。彼が、消えてしまう。

「―――――……っ!!」

彼の名前を呼びたい。名前がわからない。呼びたい。忘れてしまった彼の名を。
カイルは毛布に顔を埋めた。胸が苦しくて、苦しくて、寂しくて悲しくてしょうがない。
もう一度、会いたい。顔を見たい、声を聞きたい、話したい、……笑って欲しい。
涙が止まらなくて、止める気もなく、毛布をきつく握りしめながら、頭の中で、何度も何度も、彼を呼んだ。

見知らぬ愛しい大切なひとを。


――――――――

もしもリアラに力が残っていたら、ハロルドにもナナリーにも会えるけど、ジューダスには絶対に会えないじゃないですか。18年前に戻ればリオンはいるけど、それはあくまで「リオン」であって、自分達の求めている「ジューダス」という人物はいない訳ですよ。
そうかんがえれば、一番残酷な結末だったのはやっぱりジューダスですよね…。
PR
Comment
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Trackback
トラックバックURL: