忍者ブログ

[PR]

2026年06月13日
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

後輩(P4:主→完)

2013年04月17日

自分が年下好きなのかと気付いたのは、部活見学をしたときだ。
文化部はどちらにしようか迷った挙げ句、見学したときに楽しかった演劇部……ではなく、吹奏楽部に入ることにした。
演劇部の小沢は少し口うるさいが、文句なしに良い子だし可愛い。しかしどちらかというと吹奏楽部で少しだけ仲良くなった綾音の方が気になっていた。だから吹奏楽部にした。その時は自分にロリコンの気があるのではと悩んだが、純粋に可愛さを求めるのなら年下の方が良いのだ。自分より一つ下というだけで、なんだかこう、堪らない気持ちになったりしないだろうか。俺だけなのだろうか。
道理で同年代に興味が惹かれないわけだ。天城は美人だし里中も男勝りと言われるがそれにしてはレベルが高い。そんな子達に囲まれながらも、俺は「先輩」の言葉一つで何処へだって行けちゃうのだ。
りせに甘えられながら「先輩」と、直斗に頼られるときに「先輩」と、完二に慕われながら「先輩」と、呼ばれる喜びと溢れる愛しさは何にも代え難い感情だ。

「ちょいまちちょいまち。おかしい」
「何が」
「女の子じゃないの混ざってる」

陽介はそう言った。が、俺は間違ってるつもりはなかった。

「俺が一番最初に『先輩』って呼ばれることに喜びを感じるキッカケになったのは、完二だからね」

彼は俺が稲葉に来て初めてできた後輩だ。
完二に出会う前からも、道行く一年には先輩と呼ばれていたし、都会でも呼ばれる機会は多かったが、その時は別に何も思わなかった。彼らを特別後輩だと思っていなかったのだ。
それが、完二に出会ってからはどうだ。いつも薄い眉を眉間に皺寄せしてるくせに、俺の姿を見ると顔を輝かせながらちょこちょこと寄ってきて、控えめに後を付いてくるのだ。後ろを振り向くとあどけなく笑いながら、先輩、どっか行くんスか、俺も付いてって良いですか、なんて聞いてくる。
これが後輩というものなのか。後輩、後輩。何て良い響きだ。ああ、この子は俺の後輩なのかと気付いた時点で、完全に俺は後輩という可愛い存在の虜になってしまったのだ。

「都会では完二みたいな子はいなかったから、こんな子がこんな俺を慕ってくれてるのが本当に嬉しいんだ」
「ふぅん」
「先輩って呼ばれるのは誰彼関係なくときめくけど、完二に先輩って呼ばれるのが、一番好き」
「じゃ、俺も呼んでやろうか?せーんぱい!」
「………あっ、俺の脳内裁判の結果、お前のは無しだって判決が」
「ひでぇ!」

陽介がけらけらと笑う。そのあと、今の話って、後輩談義ってよりもお前の完二自慢じゃねーか、と言った。
自慢をしても良いというのなら、喜んでするんだけど。

「要は、俺の後輩可愛いんです!もう堪んないんです!って言いたいんだろ?」

その通りだよ。
小さいながらに一生懸命夢に向かって頑張る綾音も、少しずつ笑顔を見せてくれるようになった尚紀も、女の子らしくて魅力的なりせも、ふとした合間に見せる可愛らしさがある直斗も、俺の後輩はみんなみんな愛らしく可愛い。
その中でも、特に思い入れが強いのが完二。良い子で優しくて、強くて健気。初めての後輩がこんなに出来た子だとは。
そんなことを考えていたら、無性に声が聞きたくなった。

「電話しよう」

携帯を取り出して、とりあえず電話。話題はあとからで良いや。
三回くらいのコール音のあと、もしもし、と少し眠そうな声がした。

「もしもしー、完二ー」
『あっ、先輩!』

そうだよこれだよ。本家本元だよ。
耳の奥が幸せ。先輩、そう呼ばれることに喜びを隠せない。
陽介が噴き出した。

「おま、顔ゆっるゆる…!」

顔も口元もにやけて元に戻りませんでした。



「完二、もっかい先輩って呼んで…」
『へ…せ、先輩?』
「もっかい!」
『先輩』
「ワンモア!」
「相棒ちょっと落ち着こうか!」


20130409

――――――――

後輩(主に完二)が大好きな番長
一年生はみんな可愛い!!!
PR
Comment
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
« 小話の小話 | HOME | log »