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2026年06月13日
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始まりってそんなもん 2

2011年07月21日
高校生パロ十エド











屋上に駆け上がった。
がしゃんと音を立てて開いた扉は、もう随分と軋み始めている。きっと、使われることが少ないんだろうな。
俺は屋上に行くのは好きだ。学校に入学してから、サボりにだって昼寝にだって、昼食にだって使っている。
そう、俺は空が好きだ。
青くて白くて綺麗で。白というのは雲のことだ。真っ青な空に混ざりきれない真っ白な雲が大好きだった。
もしかしたら、俺があいつによく分からない魅力を感じるのはそんなことを思っているからかもしれない。


一年の教室を覗いたら、俺の求めていた人物はいなかった。
あれ?と思いながら他の一年に聞いたところ、彼は昼休み、必ず屋上に向かうという。
何だか俺と似ているな、と思って、少し嬉しかった。そこから行動するのは早くて、一目散に屋上を目指す。
あんまり風がない日で、全速力で走った俺は既に汗だくだ。夏の真ん中と言うこともあって、太陽が眩しい。今日は流石に屋上はきついかもしれない。
手で日差しを遮りながら、太陽に照らされて光る銀髪を呼んだ。

「転校生ー!おーい一年!」

そういえば名前を知らない。あのときは約束を取り付けることで精一杯で、名前のことを全く考えていなかった。
まあ今聞けば良いだろう、そう思って俺は彼に走り寄った。
ゆっくりと振り返ったそいつはさっきの無表情と違って仏頂面で、何だか不機嫌そうだった。なんだかずっと不機嫌そうだ。

「昼飯は?」
「いらない」
「マジで?腹減るじゃんか」
「貴方には関係ない」

ふーん?と俺はあまり深く追求はしない。俺にとって飯を食べないだなんてきっと天地がひっくり返ってもありえないだろうが、世の中にはたくさんの人がいると俺は高校生活の中で学んだ。
俺は購買で買ったパンを口に詰め込みながら、じゃあやろうぜと彼を促す。
再び微妙な顔をされたが、嫌だとは言われなかった。ポケットから銀色のカードケースを取り出したのを見て、俺はわくわくが止まらなかった。

「よっしゃ!デュエル!」




と、威勢よく言ったものの、俺は物の数分でその一年生に惨敗した。
びっくりした。負けたことのショックとかそういうんじゃなくて、純粋にそいつのプレイングに感動した。
まず使っていたカードが見たことのない種類ばかりで、戦略は完璧、俺の作戦の裏の裏を読んでくるような、手ひとつ出せなかったと言う現実が面白かった。
俺は年下だからって手加減とかはしない。それって相手に失礼だし、お互いに全力でやりたいからだ。ゲームをしてる最中は楽しいし、勝ったらもっと楽しい。負けてもつまらなかったとは思わない。全力でぶつかってきた相手に感謝する。
転校生はすごい。俺はゲームをやる前よりもかなりテンションが上がってた。

「うわーすげーすげーすげー!すげーすげー!!」
「それしか言う事はないのか」

率直な感想を口に出したら呆れられた。
それでも俺の心の昂りは消えず、手を振り回しながらこの勢いをどこにぶつければ良いのか分からなくなっていた。
そんな俺の奇行に、一年は苦笑した。

初めて笑ったな、と思いその顔をまじまじと見つめる。
しっかり見るのはこれで二回目だけど、何回見ても碧い目は綺麗だ。その青を見て、俺はふと空を思い出す。
そっくりなのだ。転校生の瞳の色と今の空の色が。
俺は空が好きだ。青くて白くて綺麗で。
真っ青な空に溶けることの出来ない雲が好きだったけど、目の前のこいつはその逆だった。
薄い髪の色と白い顔の色に、瞳の青は混ざることが出来ないんだ。その色合いはまさに真逆だったけど、空と同じくらい魅力的に見えたんだ。
空に似ていると思ったとき、俺は確信的にこの一年のことが好きになった。


――――――――

勿論友達として、ね

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