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2026年06月13日
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頼る(Drrr!!:臨と正)

2010年07月15日
路地裏で蹲る青年が一人。
疲れているように壁に背を預け、ゆっくりと呼吸を続ける。
誰にも気付かれないように、ゆっくりと。
ほとんど動かないであろう左腕は、力無く地面に落ちていた。それでも指には、なんとか携帯電話を握りしめている。
血で汚れた顔を拭おうとしたら、殴られた頬がビキリと痛んだ。
だけどその痛みで、自分は生きているんだと小さく笑った。
あんな馬鹿すぎる力で顔を殴られて、頭が無くならなかったのは自分が強運の持ち主だからだと思う。少し、いやものすごく、本当は少し泣きそうなくらい痛かったけど、あいつに泣く、とか痛がる、なんて情けないところを見せるつもりは毛頭なかった。

「…それにしても、今日のシズちゃんは不機嫌だったなぁ~…」

ぼそりと独り言を呟く。別に誰かに聞いて欲しいわけでもないが、なんとなく口を開いて声を出していたかった。
暇だったから池袋へふらりと赴き、運悪く平和島静雄に遭遇、もっと運が悪かったのは、静雄がいつも以上に不機嫌だったという事だ。理由は知らない。知りたいとも思わない。でもその苛々を俺にぶつけるのは少し理不尽だと思う。もともと出会ったら殺し合いばかりしてきたけど、何も言わずにいきなり殴りつけてくるのは流石に酷いんじゃないか。俺が言える立場じゃないか。
一人でそんなくだらないことを考えていた。

不意に、足音が聞こえた。
少しばかりびくりと肩を震わせる。必死に、必死になって静雄から逃げた。とにかく逃げることに夢中だった。もうここは新宿だ。まさかここまで追っては来ないだろう。
そう安心していたが、考えてみれば何も安心はできない。新宿に足を踏み入れたからと言って、静雄が追ってこなくなるとは限らないからだ。いつもはここまでくれば追ってこない。だが、今日の絶賛不機嫌オーラを纏った静雄ならどうだろう。
もう臨也に立ちあがる力はない。逃げる気力も無い。見つかったら、確実に殺される。
なんとかして右手にナイフを構える。足音は近付いてくる。

ザッ ザッ ザッ ザッ           ザッ。


「……見つけた。」

姿を見せたのは、静雄ではなかった。
フード付きのパーカーを着た、金髪の少年。
彼は少しだけ額に汗を滲ませながら、それは彼が走ってきたという証拠でもあった。
臨也は少年の姿を見て、力を抜いたように笑う。右手に握っていたナイフが、地面に落ちた。
少年は臨也を一瞥してから、荒い息を整え、額を拭ってから口元を歪ませた。

「…アンタでもそんなにボロボロになるんですね。死んでなくて残念ですよ。」
「ははっ。君も相当急いで来たみたいだけど、それは俺が心配だったからだろう?」

静雄に追いかけられている間、臨也は携帯で一人に連絡を入れた。

『シズちゃんに追いかけられてるんだー、ちょっと迎えに来てくれない?』

正確な場所までは伝えられなかった。伝えることができなかった。正直逃げ続けてどこに付くかなんて想像もできなかったし、電話の途中で静雄の持っていたプレートが思い切り左腕にクリーンヒットした。メ゛ギリと可笑しな音がして、結局は左腕はダウン。携帯を落とさなかったのだけは褒め称えて欲しい。
それなのに、彼は自分の目の前に居る。たくさん自分を探してくれたのだろうか。そう思うと、口の端が自然と持ち上がっていく。

「ねぇ、正臣くん。君は本当に使える子で俺は嬉しいよ。」
「……。つか、俺を呼んで何しようとしてたんですか。」
「いやいや、普通に俺を家に運んで欲しい訳よ。俺としたことが、今日はちょっとシズちゃんが怖くてさぁ。」
「………来なきゃよかった。」
「いや、きっと君は何があっても来てたね。君は真面目な子だもの。」

正臣はわずかに眉を吊り上げると、しゃがみ込んで臨也の殴られて赤く腫れている頬にデコピンを喰らわせる。

「…………痛いんだけど。すっごく痛いんだけど。」
「ざまあみろ。」

臨也の右腕を掴んで、自分の肩に回す。引っ張って立ち上がらせると、臨也は正臣に寄りかかった。体重をかけられて正臣はよろめいたが、倒れてやるものかと言わんばかりにゆっくりと歩き始める。
自分よりも小さい少年。憎まれ口を叩きながらも、ゆっくりと、それでも確実に歩き始めている少年に、臨也は笑いを隠そうとはしなかった。

「俺の手当てもしてね。」
「……本当にその辺に転がしてやろうか。」
「頼りにしてるよ。」
「……」

(ちょろいなぁ。これだから正臣くんは可愛い子だよ!)


――――――――

文章書いてる途中で飽きてるのが丸わかりですね!
臨正二個目。でも臨正ってよりも臨+正だから表記はカプではなく+扱い。
臨正に飢えてしょうがないんだが。偽りの絆でも、臨也は正臣が大好きだといいよ!
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