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2026年06月13日
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あんたがきらい(Drrr!!:臨正)

2010年07月11日

足を組みながらソファに寛いで座っているのは、漆黒の青年。
その幼さが残っている顔に似合わず、手にしているのはブラックコーヒー。
一口だけこくりと飲んで、ああ、苦いなぁと再認識するかのように口元を歪めて小さく笑った。その口とは正反対に全く動いていない瞳の奥は、青年の中を表しているような、漆黒の闇だった。

漆黒の青年から、少し離れたところに立っている少年。
金髪に近い茶髪。その明るい髪の毛と同じように、笑うと太陽のように輝くのだろう少年の幼い顔からは、笑うなどと言う表情は完全に掻き消されていた。
ただ、ただ無表情。その視線は、青年だけに注がれていた。
少年の目には、怒り、憎しみ、悔しさ、悲しみ、尊敬。色々な感情現れていて、それが混じりに混じり合った、複雑怪奇なもので。
そんな少年を見ながら、漆黒の青年はそれこそ楽しそうに、嬉しそうに微笑んでいた。

「あんたなんか、」

先に口を開いたのは、少年の方。首には、自身を象徴しているかのような、黄色いスカーフ。
手にしていたブラックコーヒーをことりとテーブルに置き、青年は少年の言葉を静かに待った。

「あんたなんか嫌いだ、きらいだきらいだきらいだきらいだだいっきらいだ…」

自分に暗示するように、少年はひたすらに「きらい」を連呼する。
自分が一番憎い人物に向かって。
自分が一番嫌いな人間に向かって。
一方の青年は、先ほどよりも深い笑みを顔に張り付けていて。

「でも俺は好きだよ」
「っ、」
「君のことが好きで好きでたまらないぐらいさ」
「………」

拳を握る力が強くなっていく少年に対して、青年はただただ微笑むばかり。
俯いている少年に向かって、青年は大きく腕を広げた。
少年を誘うように。

「ほら、俺はここに居るよ?

……おいで」

その場から一歩も動かなかった少年の足が、静かに動いた。
操られているかのように、動きたくないのに足が勝手に動いてしまうような、そんな錯覚が少年の頭を支配した。ふらふらと、ただ一点を目指してまっすぐに歩く。
青年に近付く度に、感情が揺らぐ。引っ叩いてやりたい、ぶん殴ってやりたい、張り倒してやりたい、俺がこの手で殺してやりたい、でも近付きたくない、怖い、怖い、怖い。
あと一歩で青年との距離は無くなるというところで、少年は止まった。これ以上進みたくない。そんな気持ちが少年の頭で渦を巻いているというのに、青年は容赦なく目の前の少年の腕を引っ張った。
あまり背丈は変わらないというのに、少年は青年にすっぽりと包まれた。
青年は少年を抱きしめながら、愛しそうに頭を撫でる。背中に回した腕に、少年の震えが伝わってきた。怯えているのだとわかっていても、青年は少年を離さない。

少年は抵抗をしない。無駄だとわかっているからだ。
自身も青年の漆黒の背中に小さく腕を回す。

「…あんたなんて、死んでしまえばいい…っ」

少年の、最後の強がり。
青年は、くつくつと小さく笑った。


(そう思うのに、俺が、この人にすがるのは)
(他にすがれるひとがいないからか、)
(俺に、帰る場所がないからか)


あんたがきらい。でもおれには、あんたしかいない。


――――――――

臨正ってこれくらい歪んでるのが妥当だと思った。臨正ラァブ!!
でもこれ言うほど歪んでないかなー
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