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小話詰め
めっちゃ短い話ばかりです
・ウドジョニ(TOD)
・モ←ジェイ(TOL)
・ティト→ヴェイ(TOR)
・ラント兄弟(TOG)
・おがふるとヒルダ(べるぜバブ)
・主完(P4)
・新→平(名探偵コナン)
割と意味不明なものが多めです
キスをされた。
少し驚いたが、戯れのような可愛いキスだと、そう思ってただ身を委ねた。
離れたあとの彼の顔は、何やら不思議そうだった。
「嫌がらないのですか」
「ああ」
「いきなり男から口付けをされて、不快ではなかったのですか」
「慣れてるさ」
そう言うと、彼の顔が今度は複雑そうに歪んだ。
俺は、そんな顔をしなさんな、男前が台無しだと彼を宥めたけど、表情は厳しいまま変わらなかった。
雪国生まれでありながら情熱的である彼は、きっと俺のことをなんとか理解しようと必死なのだろう。
誤魔化そうと笑った頬に、彼の指が伸びてきた。
「ジョニーさん」「
なんだい」
「もっと自分を大事にしてはどうだろうか」
「そいつは、今の俺に一番必要のないものさ」
判るだろう、俺は道化師だ。大事にするべき自分なんて、とうの昔にどっかに落っことしたよ。
「お前さんも、一番のキスは本当の人に残しておきな」
俺に戯れなんかでするんじゃなくてな。
そう言ったのに、ウッドロウは懲りず俺にゆっくりと口付けをする。戯れにしては優しすぎるそれに、俺はどんな反応をすればいいのか判らなくなる。
離れては、もう一度。その繰り返しが何度か行われてから、彼は小さく囁いた。
「貴方が自分を大事にできないのなら、私が貴方を大事にしましょう」
大した口説き文句だぜ、と俺は笑うことしか出来なかった。
(結局、戯れなのは俺の方だ)
お戯れが過ぎますよ(TOD:ウドジョニ)
20121118
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貴方は本当に馬鹿ですね。
すると彼はなんじゃとう、とぼくの頭をぐしゃぐしゃに掻き回す。
背が小さいのはコンプレックスだったけど、この人に頭を撫でられるにはちょうどいい高さだった。
そこにまたイラッとしたのだけど、どこか喜んでいる自分もいて、己の感情が己で理解できない。
「全くジェー坊は身長だけはかわええのう」
「悪かったですね、殴りますよ」
「あっだ!殴ってから言うなや!」
憎たらしいなあ、と思うと同時に愛しいなあ、と思って、自分自身に鳥肌が立った。
ただ、彼とのやりとりは下らなくて、純粋に楽しいと思った。
この気持ちが愛しいという感情に繋がっているのかどうかはわからないけど。
「貴方は本当に馬鹿ですね」
ぼくのありったけの感情を込めて同じ言葉を繰り返しても、きっと貴方には届かないんだろう。
貴方は馬鹿ですからね。
それでも、笑ってぼくの頭を撫で回す動作があればそれだけで十分だなあと思う。
それくらいの小さい幸せが、ぼくにはぴったりだろうから。
小さい幸せ(TOL:モ←ジェイ)
20121118
――――――――
昔姉貴と話したことがある古い記憶がある。
初めて見るものは綺麗に見えるのだと。
空想の中で綺麗だと思ったものは現実で見るともっと美しいのだと。
だから、自分の中で普通じゃないものを考えてはきらきらと輝かせていた。
いつか、この眼で見たい。世界の普通を、きらきらと輝いたものを。
「ティトレイ?ナニ見てるの?」
マオのぐりぐりとしたでっかい瞳がおれを見る。紅い瞳。初めて見たそれは、マオの好奇心の輝きと相俟ってまるで宝石みたいだと興味深かった。
「ん、キレーなもの」
おれはそれだけ答えた。
「クレアさん?」
おれの視線の先を見てマオは問い掛けた。
そうだな。クレアさんは確かに綺麗だ。清楚な出で立ちに金の髪。絵に描いたような美しい女性。
ただ、昔の物語に金の髪のお姫様は出てきても、銀の髪の王子なんて出てきたことがなかった。
するすると伸びる銀の三つ編みが、金色の隣で控えめに輝いている様が妙に眼に焼き付く。
それはやはり、おれが銀髪を空想の世界ですら見たことがなかったからだった。
ゆらゆら揺れる三つ編みが太陽に反射する。
眼を痛めそうだ。
「初めて見るものは綺麗に見えるって、ありゃ本当だったんだなあ」
意識して見たら、更にきらきらと光っていて、全く逸らせなくなった。
そのきらびやかな髪の毛とは裏腹に、彼はとても無口で暗い人だった。
だけど時々、とても優しい顔をするのをおれは知っていた。
きっと笑った顔も優しいのだろう。笑うところなんて見たことないけど。
「キレーなんだろうな」
「ティトレイったら、さっきからどしたの?」
「いやいや、何でもねーんだ」
見たことのない彼の笑った顔は、きっと、とてもとても綺麗なんだろう。
銀色に輝く(TOR:ティト→ヴェイ)
20121119
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兄さんがぼくの頭を撫でる。慈しむみたいに、愛でるみたいに。
やめてくださいとぼくはその手を振り払う。ぼくはもう子供じゃありません。こんなことをされたって、嬉しくもなんともない。
それなのに、兄さんは懲りずぼくの頭に手を伸ばす。兄さんとは似ていない髪の毛の色。髪質だって似ていない。
そんなぼくの髪の毛を兄さんは指に乗せて、そしてまたふやけてしまいそうなくらい優しく頭を撫でるのだ。
「何がしたいんです」
「撫でたいんだ」
愛しくてたまらない、という顔で(少し自意識過剰かもしれないが)、割れ物みたいに触れられる。
ああ、何故こんなに優しい人になってしまったんだろう。
「七年間」
ぽつりと呟く。
「七年間、撫でられなかった分、たくさんたくさんいとしいと思いたい」
やっぱりぼくは、兄さんの優しい手から逃げるように頭を振った。
ぼくはぼくが惨めでならなかった。
「ぼくは撫でられたくなんてない。そんなことをしたって、七年は消せないんです。あなたをいとしいとか、思う気持ちはもう七年前に消えたんです。あなたの自己満足に、ぼくを巻き込まないでください」
それでも兄さんは優しく笑うのだった。
「自己満足だ。ごめん。でも、お前をいとしく思う気持ちは、昔も今も、全く変わらないんだ」
これじゃあ、ぼくだけが。
七年を憎しみで過ごしてきたぼくばかりが、酷く惨めじゃあないか。
(兄さんがぼくを包んでいた感情は優しさばかりだったというのに)
兄愛弟憎(TOG:ラント兄弟)
20121119
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「貴様にとって古市という人間はどんな存在だ」
いつにも増して急なヒルダの問いにオレは眼を瞬かせる。
どんな存在ってどんな質問だ。オレから古市の何を聞き出そうとしてやがる。
ヒルダはそうじゃないと溜め息をついた。お前にとって古市という存在はどんな役割を持っているのかと聞いたのだという。
何でそんなことを聞くのかと問うと、魔王の親となるオレの身辺を把握しておくべきだからだと言っていた。
「あやつはお前の下僕か?臣下か?」
それともただのモブ男か。そう言った女がどうにもオレを見下しているようで腹の奥が煮えそうになる。
「あれは下僕とか、そんなんじゃねぇよ」
「あれ呼ばわりなのにか」
あれって呼んでいいのはオレだけだ。自分が酷く横暴だというのはなんとなく知っていた。
古市はダチだ。昔から何だかんだ付き合って、だらだらと続いた腐れ縁だ。でも古市をダチの枠だけに収めておくのはなんだか物足りないなとも思う。
唯一隣に立ってくれた存在で、どんなことがあっても見限らないでいてくれる存在で、オレを受け入れてくれる存在で、守ってやらなくてはならないほどによわっちい存在で、…考えれば考えるほど、古市の存在に対する肩書きが増えていく。
オレは頭の良い方ではないから、最終的にまとめたり結論を出したりすることを得意としない。
だけどそのときは驚くほどすんなりと答えがまとまったのだった。
「居なくちゃならん存在だ」
「オレにとって古市は、居なくちゃならん存在だ」
「居なくなっちゃ駄目な存在だ」
ヒルダはオレの言葉を聞いたあと、なんとも言えん変な顔をしていた。
一番的を射た言葉だと思ったのに。そう言ったらもう黙れと返してきた。そっちから聞いてきたくせになんなんだこの女、と腹が立った。
ただの告白(べるぜ:おがふる+ヒル)
20121121
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彼は好意を寄せられるという行為に慣れていないらしかった。決してダシャレではなく、至って真面目な話である。
最初はただ単に男からの愛情は受け取りたくないという当然の拒否反応からだと思った。そうだと思って肩を落とした俺に、普通の感情なのだから弁解なんてしなくて良いのに(しかも人一倍同性愛という言葉に敏感なのだというのに)優しい彼はそうじゃないと言った。
彼の生い立ちに関係があるのだという。
「昔から趣味が女みてぇだったから、どっちにも気持ち悪がられちまってて」
男のくせに、裁縫が、お絵かきが、ぬいぐるみが好きだなんて。そうやって小さい彼はみんなから蔑まれて過ごしてきた。
疎遠されるならまだしも、好き好んで自分に関わる人間なんていなかったから。彼は僅かの寂しさを醸しながらぶっきらぼうに言った。好きという感情がいまいちピンと来ない、と。
「俺はお前を馬鹿になんてしない」
「先輩も、あのとき同じ場所にいたらみんなと同じこと思ってましたよ」
子供って、自分の常識と違うやつを否定するもんなんスよ。彼は傷付くことに慣れてしまったような顔をする。
(俺だったらお前を悲しませる奴全員タコ殴りにして、お前の前まで引きずって謝らせるよ。誰にだって、お前の好きなものを馬鹿になんてさせない)
果たして、こんなことを実際に言えたならどれだけ格好が良いだろう。現実、俺は彼に何も言い返せなかった。俺だってここに転校してくるまで、ただのしがない男子だったのだ。考え方も感情も全てそこらの一般市民と何一つ変わらないのだ。
小さい自分が同じように小さい完二を蔑んでる世界を想像して、吐き気を覚えた。
俺がお前を気持ち悪いと思う世界こそが気持ち悪い。
「ねえ、だって今は昔と違うんだよ」
俺は今に生きてるんだ。昔俺がここにいたらとか、考えるだけ無駄だよだって俺は過去にそこにいなかったんだから。俺はお前を愛しいと思うし、可愛いとも思う。人に好かれることに慣れてないなら、これから慣れていけば良いじゃない。俺がいるんだから、大丈夫。
「俺の想いを否定しないでよ、寂しいじゃないか」
彼の大きくて器用で誰よりも優しい手を取ると、びっくりして眼を開いて、頬を赤くした。照れ臭そうに頭を掻きながら、次にはへにゃんとはにかんだ。強面だなんだと言われるが、何を見て世間がそんなことを言うのか俺には全く理解できない。一般市民と認識が同じだなんて嘘っぱちだ。
「笑った顔が、お前には似合うね」
初めて言われましたと小さい声で言う、この子が傷付かない世界を与えてあげたいと思う。
俺がお前の世界になろう(P4:主完)
20121123
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彼の中には名前も知らないすごい奴がいた。
彼はそいつを一番だと思い込んでいた。
まったくそれはオレだったと言うのに、何も知らない彼はただ軽快に話をするのだった。雪山で起こった事件だと、まあオレも解いたんで知っていますけど。
この話を思い出していたのがオレだったなら、彼はそのすごい奴に対してこんなに話すこともないんだろう。
(……しかしこれは)
自分の話を聞いているはずなのに、全く別人の話を聞いている気分だ。だってヤツはオレの解いた推理をこんなに熱心に語ったりしない。オレの解いた推理を見たって「工藤なら当然やん何を今更言うことがあんねん」なんて言うんだろう。
良く言って信頼されてる、悪く言って興味が無いと言うことだ。
それをヤツは、オレだと知らないことを良いことにその名前も知らないオレを絶賛している。
なんだ畜生、なんか腹立つ。
『工藤もその場におったら良い勝負できてたかもしれへんなー』
良い勝負も何もオレでしたからね!
いっそオレだったのだとばらしてやろうか。どんな反応を返すだろう。1、今まで散々語ってきたのが恥ずかしくなる、2、知っていたのにいけしゃあしゃあと話を聞いていたことに対して怒る、3、それとも「へー、そうだったん?」と普通に受け入れられるか、4、逆にテンションが上がるか。どれだ。
『工藤?』
「……新鮮だし1番が良い」
『ん?』
「いや、なんでもねえ」
電話の向こうで、服部は「ははあ」と何かを一人で納得していた。
『やっぱ一番がええねんなー工藤も思た以上に子供やんな』
「いや、そうじゃなくて。おちょくってんのかお前」
『残念やけどお前は二番やで。まあ俺の中でやけど』
世間ではお前が一番やさかい、そないむくれることもないやん。
そう言って笑ったそいつに対してではないが、何かがすごく腹立たしかった。
この野郎、過去の自分。
嫉妬対象が自分(名探偵:新一平次)
20121123
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原作の話が好きで。しかしこの話は中身が新一で見た目がコナンというこの微妙な感じ