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2026年06月13日
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女の子バニーちゃん
2011年07月03日
女体化注意なとらうさ
おちなしやまなしいみなし
「今時の若者ってみーんなそんなん?」
自動販売機のボタンを押しながら、虎徹が口を開いた。
がらんと音を立てて落ちてきた冷たい缶コーヒーを取り出して、それを額に当てる。ひやりとした感覚が気持ちよくて、それを額から首に移動させた。
しかし、それだけでは今のこの暑さを凌ぐには弱すぎる。
夏の中盤とあって、今日の気温も頗る高い。黙って立っているだけで汗が浮き出てしまうこの現状に、虎徹は心底うんざりする。シャツの襟に指を掛けて、中の肌に風を送り込んだ。
その後ろのベンチに座るのは、彼の仕事の相棒であるバーナビーの姿。彼女は最初に虎徹から振られた質問に「はい?」と疑問詞で返す。
彼はちらりとバーナビーを見、そのまま体の向きを変えて彼女と向き合った。
「だからさぁ、若者ってみんなそーなの?」
「だから、何がです」
主語がない言葉には返答をしたくとも何を返せばいいのか分からない。バーナビーは眉を顰めた。
「いや、その服装」
服装?と彼の言葉を自分の口で呟く。それからバーナビーは自身の服装を見つめ直す。
しかし、服装は至っていつもと変わらない、普段から彼に見せている姿だった。
上に羽織っているライダージャケット。いつもは手首まで袖があるが、この季節になってからノースリーブを着用している。それ以外特に変わったところはない。
その下には黒のチューブトップで、胸元が大きく開いていて腹部までも惜しみなく曝け出されている状態だ。
蒼のジーンズは太腿までの短い丈で、いつも穿いているニーハイソックスは今日は見当たらず、真っ赤なブーツだけが真っ白な脚を覆っている。
何処も何もおかしくない、自分の普段着。
虎徹が大きく息を吐く音が聞こえた。
「バニーちゃん、俺が何を言いたいのか全然分かってねぇな?」
「分かりませんよ。何ですか、言いたい事があるならはっきりしてください」
少し不機嫌そうに咎めるような声音でバーナビーが言う。缶コーヒーを持った手とは逆の左手で虎徹は帽子を押さえながら、「あー」と少しばかり声を詰まらせる。
「…バニーちゃん、露出多すぎ」
「は?」
「だから、お肌を出し過ぎだって言ってんだよ。おじさんはおじさんだからよーく分からねーけど、最近の若者ってそんな肌出すの流行ってんの?」
「それが流行だってんなら、俺は何もいわねぇけど」そう言うと、鳩が豆鉄砲を食らったように目の前の少女はキョトンとする。
少し失礼かと思いながらも、虎徹はバーナビーをまじまじと見つめた。
彼女はとても美人だ。きっと立っているだけで何人もの男が寄ってくるだろう。
それだけではない。彼女は、女なら誰でも憧れるであろう抜群のスタイルを持っている。豊満な胸だとか、それにしては細い腰だとか、すらりとした身長、長い脚、白い肌。
この子は一体どれだけ神様の恩恵を授かってきたのだろう、虎徹は何度もそんなことを思ったものだ。
「…べつに、これは僕個人のファッションですので、流行っているわけではありませんが」
「それにしちゃあやっぱ出しすぎじゃね?嫁入り前の娘がそんなんじゃおじさん心配」
「考え方がやっぱりおじさんですね。そんなの僕の勝手でしょう」
それでもやはり虎徹は不満そうに唇を尖らせる。
何がそんなに気に入らないんだ。バーナビーも少しばかりむっとしてしまう。
「貴方には関係ないことなんですから、放っておいてください」
「関係なくてもなぁ…気になるんだよ」
「何故です」
帽子越しに頭をがしがしと掻く。返答に困っているのか、はたまた食い下がる此方に呆れているのか。でもそれは此方だって同じだ。
なかなか言葉を紡がない目の前のおじさんに痺れを切らしてバーナビーが何か文句を言おうと口を開いたとき、急に目の前に指が伸びてくる。
その長い指は彼女のハニーブロンドを捕まえて、虎徹の前まで引き寄せた。
急激に顔が近くなる。
「え」
「そんな服装してると、煽ってるって勘違いされるぞ?」
俺みたいなおじさんに、そう付け加えてバーナビーの金糸に小さく口付ける。
するりと髪の毛を梳きながら静かに指は離れていき、虎徹は意地悪そうにニッと笑った。
「俺は先に戻るぜ」と一言だけ口にすると、そのままの体勢で固まったままのバーナビーを一人置いてさっさとロビーを歩いていった。
バーナビーが思考を取り戻したのはそれから暫くしてだった。
いつもの気丈な振る舞いをしている強気な姿を微塵も感じさせない真っ赤な顔で、ジャケットのジッパーを最大まで引き上げた。
――――――――
おじさんはいつも目のやり場に困ってたんだよ
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