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2026年06月13日
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甘いものは幸せの味!

2009年12月04日
ふわりと漂う、桃の香り。
宿屋の厨房を借りて、おやつ作りに励んでいる後ろ姿は、なんとも楽しそうだ。慣れた手つきで包丁を扱い、素早い動きで無駄なく作る。これこそが、料理人というものだろうか。
マオが、料理中のティトレイの手元を覗き込む。綺麗な形に切られている桃を見て、それだけでお腹が減ってしまう。味見したいとねだっても、ティトレイは「駄目だ」の一点張り。そんなやり取りを続けながらも、ティトレイの腕は休むことなく動いている。
なんとも平和な日常だ。
そうこうしているうちに、甘い匂いが鼻に届く。この匂いは、と、本を読んでいたアニーが顔を上げた。

「ティトレイさん、ピーチパイですか?」
「おぅ!ティトレイ特製ピーチパイだぜ!」

ピーチパイ。ヴェイグの大好物だ。
ティトレイはにっこりと笑いながら、さっそくナイフでピーチパイを人数分に分ける。マオが喜びの声を出しながら、テーブルの席に着いた。
ティトレイは料理が異常に上手い。あれな時もあったが、料理の腕は確かで、ユージーンでさえもタメを張らないほどだ。彼の言葉を借りるならば、まさしく『五ツ星』だろう。
今回はマオに「お腹減ったから何か作ってヨ!」とせがまれたため、簡単でおいしいピーチパイを作ったのだ。きっとユージーンやヒルダはこの時間には食べないであろうから、アニーとマオとで先に食べてしまおうと考えた。
その時に、匂いに釣られたのか、年中無休で無表情仏頂面のヴェイグが三人に寄ってきた。心なしか背景にお花が飛んでいる気がするが、きっと気のせいだろう。

「……ピーチパイ……。」

食べたそうにピーチパイを見つめるヴェイグに、ティトレイは苦笑した。ピーチパイを切ると、皿に移してヴェイグの手に乗せる。

「お前の分だって、ちゃんとあるんだぜー?ピーチパイ大好きだもんな、ヴェイグちゃんは!」

ヴェイグは微妙な顔でティトレイを睨んだ後、ピーチパイを一口、口に運ぶ。
ポプラおばさんのパイとは、何かが違う。あの人のパイは異常においしいく、ポプラおばさんのピーチパイがこの世で一番だとも思っている。しかし、ティトレイのピーチパイにはまた違うおいしさがある。少し、口では表現しにくいのだが。
言葉の代わりに、表情で伝える。年中無休で無表情仏頂面のヴェイグは、正直表情を作ってもあまり変化がわからない。だが、今回ばかりは流石に分かった。
口元が緩んでいて、これはヴェイグ的『微笑んでいる』なのだろう。

「………うまい………。」
「おぉ!そっか!お前に喜んでもらえて嬉しいぜ!」

ティトレイはパッと顔を輝かせる。ヴェイグの顔が綻ぶなんて、相当なことだ。自分もなかなかやるなぁと思いつつ、ヴェイグの緩んだ顔にうっかり癒されてしまった。
何だか少し、幸せな気持ち。

その後、気を良くしたティトレイが「これ全部お前食っていいんだぜ!」と残りのピーチパイを指さし、冗談(?)も通じずに本気で全部食べようとしたヴェイグが、ティトレイと共にマオに怒られたのは、言うまでも無い。


――――――――

一応ティトヴェイでした。ティトレイがポプラおばさんにライバル心を目覚めさせてたら面白い。
きっと勝てないよ!(爆
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