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2026年06月13日
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ろぐ

2013年02月11日


デスティニー関係の小話詰め


・ジューダスとリオン(マイソロ3設定
・リオンとスタン(リオ→スタっぽく書いたつもりだけどカップリング未満っぽい感じ
・フェイトとジョニー


短いのばっかり








「貴様は何のために他人を遠ざける」

この男が嫌いだった。

「…貴様の知ったことか」
「意味の無い意地と虚勢ばかり張って、お前は何を拒んでいる」

リオンはぎっと目の前の男を睨んだ。仮面の下の表情は無に近い。暗い紫苑の瞳が、全てを見透かしているみたいに鋭いのが気に入らなかった。
仮面の男は僅かに口角を上げた。細めた目には侮蔑に似た色が浮かんでいる。
この男が嫌いだった。

「お前に、僕の何がわかる…!」
「なにも、誰にも伝えないくせに、何がわかる、か…」

耳に届く声。それは自分によく似ていて、まるで自分と会話をしているような錯覚に陥る。
リオンはジューダスが嫌いだった。自分を見る彼の目が、憐れみを含んでいるかに見えて。彼の言動すべてが、まるで自分を知っているかのようで。

「貴様のことなど知るわけがない。何も言わないくせに、知ってもらえると思ったか?理解してもらえると思ったか?とんだ甘ったれ坊っちゃんだ」
「何だと…!」

シャルティエに手を掛ける。すらりと抜いた剣は美しい銀色をしていた。
ジューダスも、腰に剣を差していた。その柄が、シャルティエのそれにそっくりだということをリオンは知っていた。
それにまた苛ついた。まるでもう一人、知らない自分がいるかのようで、酷く気持ちが悪かったのだ。
ジューダスは、血気盛んだな、と小さく呟いて、リオンに背を向ける。

「もっと回りを見てはどうだ」
「…何?」
「…失ってからでは、遅いんだ…」

声のトーンを落とし、薄暗い影を潜めたようなジューダスの言葉に、リオンは剣を下ろす。
真っ黒なマントを翻して歩き出す後ろ姿が、やはりどこか自分に似ていて、リオンはぎり、と歯軋りをする。

「僕はお前みたいな…何も知らないくせに、偉そうに説教をするやつは大嫌いだ…!」

そう吐き捨ててやると、振り返ったジューダスも目を細めながら口を開いた。

「ああ、僕もお前みたいな、理解してもらおうともしないくせに、誰かにわかってほしそうな顔をする甘ったれが大嫌いだ」

この男が大嫌いだった。


20130210
ジューダスさんのリオンに対してのとげとげした雰囲気がたまらんです



――――




不注意で、足場の無い場所に踏み出して、腕を伸ばしたスタンと一緒に崖から転がり落ちたのがついさっき。
別に責任を感じているとかではないが、落ちる際、どうやら僕を庇ってクッションになってくれたらしい。頼んでいない、とそっぽを向くのは簡単だが、奴に借りを作ったままではどうにも落ち着かない。
リオンが無事でよかった、とその男は言う。その言い種に腹が立った。

幸い崖は急な斜面でも険しすぎる岩道でもなく、これなら自力で上れるだろうと思う。
ひとつ岩に足を掛けると、スタンも立ち上がった。ずる、と足を引きずる音が微かに聞こえた。何だ、怪我をしたのか。全くだらしがないな、とは流石に言えなくて、だからといって何もせずに、僕はヤツが弱音を吐くまでは気付かない振りを決め込んだ。
うわ、とスタンの声が届く。岩がガラガラと崩れる音。それでもヤツは弱音なんて吐かなくて、僕が振り返ると、にこ、と大丈夫だと言わんばかりに笑顔を作る。
どうしようもなく腹が立って、果たして僕が腹を立てているのはスタンにかそれとも自分自身にか。全てを振り切るみたいに、僕は乱暴にスタンの腕を掴んで引っ張った。重い。
驚いたような表情が見えたが、僕はそれに気付かない振りをして、ただ意地だけでスタンを崖上まで全力で引っ張った。くそ、重い。僕に力がないとかじゃない、この男が重いんだ!
(鎧を脱いだ体が意外と華奢だということは知っているが、とにかく重いのはこの男だ!)

漸く登り終わると、僕の額は汗で湿っていて、張り付いた前髪が気持ち悪い。女達はどこへ行ったのか、見当たらなかった。
スタンも最後の一段を登りきる。僕はそれに合わせてヤツの腕を引っ張った。岩なんて無い、平淡な道に久し振りに足を踏み出した。僕は一安心して、息をつく。それから顔を上げると、スタンは僕の手元をじっと見ていた。何だ、と思いながら、僕ははたと気付く。
僕はまだスタンの手首を掴んだままだったのだ。
手を離すタイミングを逃してしまい、しまったと思いながらも特に何もしないままに沈黙だけが訪れた。何故だか離すことができなくて、ただ硬直する。
スタンが僕の手を見て、次に僕の顔に目を移す。空色の瞳が不思議そうに僕を見つめる。や、やめろ。そんな目で僕を見るな。

「リオン?」

どうしたの?と目で伝えてくる。どうもしていない。何もない。

「さ、さっさと離せ」

咄嗟に言ったが、掴んでいるのは僕なのだから離すのは僕の方だ。スタンはきょとんとしたまま、しかし目は少しだけ困惑の色が浮かんでいた。
スタンが、ああそうか!といきなり声をあげる。ガラにもなくびくりと肩を震わせたが、どうやらヤツには見えてなかったようで安心した。

「お礼、言ってなかった。リオンが手を貸してくれたお陰で助かったよ、ありがとう!」

ち、違う。お前が僕を庇ったから、借りを返したかっただけだ!本当なら、置いて行ってやりたかったんだ!
なんて、筋違いもいいとこな弁解を述べる。本当なら礼を言うのが一番なのだが、そんなの僕が言えるわけがないだろう!
ふんと鼻を鳴らすと、スタンは嬉しそうに笑った。それからもう一度、ありがとう、と、リオンは優しいな、と言葉を紡ぐのだ。
僕は何だか負けた気分になって、ヤツの笑顔が直視できなくて、とりあえず顔を俯けた。
掴んだ手首は、まだ離していない。


どうやら女達はロープを取りに行っていたらしく、ルーティが労働料を請求してきた。僕は無視した。

「…てかアンタら、何で手繋いでんの」

キモいんだけど、と純粋に引くルーティの言葉に、スタンはにこやかに答えた。

「仲良しだからな!」

漸く僕はその腕を離して、スタンの頭を思い切り叩くことができたのだ。

(坊っちゃんの照れ隠しは強烈ですね!)
(黙れシャル!)


20130211
年相応にスタンと仲良しなリオンとは?って考えたらこうなった



――――




お前に何がわかる、なんて、叫ぶつもりはなかったのに。
親友の、悲しそうな苦笑いに、沸騰していた頭が徐々に冷めていく。ああ、俺は何てことを、そう思ったってもう取り消せない。
親友はとても優しい人で、ふざけているようで、その実誰よりも人の気持ちに敏感だった。
自慢の親友だと、言えたし言ってくれた。
俺を、自慢だと言ってくれていたのだ。
それなのに。

「お前には!お前にはわからないさ…!」

まさかそんな顔をされるなんて思わなかったのだ。
長い間共に過ごした友人の筈なのに、彼は俺の全く知らない顔で笑った。
ただ一言で表すなら、悲痛。悲痛な顔で、見たこともないくらい、美しく笑ったのだ。
傷付いて、でも俺には何も言わず、ただただ悲しそうに、悲しそうに静かに笑う。
彼は彼女に負けず劣らず、とても綺麗だった。悲しむ顔が一番綺麗だと思った俺は、きっと悪趣味なのだろうと思う。

「俺はお前さんと違って、彼女の傍に居なかったから」

わからないさ、と友人は謳った。唄うみたいに呟いた。その言葉には、また別の意味が込められているような気もしたのだが、俺はそれに気付かない振りをしたのだ。

「ただな、」
「俺だって、人間だぜ。いっちょ前に、感情なんてモンも持ってんだ」

短い金髪が揺れる。目を伏せた友人の睫毛はそれは長く、やはり綺麗だった。美しいと思った。自慢だと思った。

「俺だって、フェイトと同じ気持ちを持ってんだ」

自分のことばかりで精一杯で、友人を省みなかった。いつでも俺の味方で、優しくて、精神的に強い自慢の友を。
わかってなかったのは自分自身だったのだ。

(二度と掴めない彼の心)
(離れさせたのはやはり紛れもない自分自身)


20130211
なんというかアクアヴェイル幼馴染の話を聞いてるとフェイトは悪くないんだけどフェイトェ…(怒)って気持ちになるから不思議です。ジョニーがいい人っていうか懐大きすぎて辛くなる。ジョニー大好き愛してます
 

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