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2026年06月13日
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(黒バス:日→リコ→木→日)

2012年08月14日

わたしの考える基本的な一方通行
・誰も幸せにならない
・矢印が逆になることはない


木日で順リコで木リコですが、木日要素がとても強いです
あとキャプテンのメンタルが弱いです

それでもよければー

(あと正直木吉が違うクラスだっていうことは把握してたんですがカントクと日向のクラスが一緒なのか別なのかわからなくて勝手に別クラスにしてます。間違えていたらほんとうに申し訳がないです原作の読み込みが足りなかったのが恥ずかしい…)








くそ、くそ。知ってたけど、ここまでキツいとは予想外だった。



今日の練習のことでカントクに話したいことがあって、クラスに顔出したのに居なかった。昼休みだし、どっか行っててもおかしくないんだけど、悩んだ末に無駄だと思ったけど探しに行くことにした。
カントクが昼休みに行くところなんて知らない。トイレくらいじゃないだろうか。大抵は自分の席に座ってその日のトレーニングの日程確認とか調節とか、そんなことばかりしてる。彼女はバスケ部に青春を全て捧げていた。
そんなカントクを頼りにしていたし、尊敬だってしていた。
中学のときから見ていたのだ。俺が一回、挫折したせいで離れてしまったことがあったけど、彼女はまた面倒を見てくれた。どうすれば強くなれるのか、どうすれば勝てるのか、カントクは俺達のためにたくさん考えてくれていた。
カントクが好きだった。

聞き慣れた声がした。女子トイレが近い場所だったし、ああやっぱりトイレに立ってたんだななんて思いながら階段を下る。でも下の階にわざわざいるのもおかしい。あ、先生に呼ばれていたという選択肢も忘れていた。きっと後者だ。
カントク、そう声を出そうとして、咽の手前で止まった。

「…鉄平のそうゆうとこ、好きだなあ」
「はは、俺もリコのこと好きだぞ」

息止まった。
目に映ったのは、カントクがぐりぐりと頭を撫でられてるとこ。でかくてしっかりした手の持ち主は、木吉。
やべぇ、と思うより先に、脳天に槍が刺さったみたいな衝撃が来る。
知ってた。カントクがヤツのことを好きだってことくらい。
でも木吉はおとぼけ魔人だし、恋愛よりもバスケが好きなバスケ馬鹿だから大丈夫だと鷹をくくっていた(人間的にはどうしても木吉の方ができてるし、俺の勝率は低かったのだ)。

でも、今のはどう考えても告白のワンシーンじゃなかったか。

ぐるぐると頭が混乱する。
一番みたくないものを見てしまった。急激に冷める指先とか、動かない足に心臓がばくばくと早まる。
早く隠れなければ。廊下のど真ん中に放心状態で突っ立っている俺は、二人にいつ気付かれてもおかしくない状況だった。
案の定、木吉が俺に気付いた。

「日向?」

驚いたみたいに振り返ったカントクの顔は赤かった。
ああもう。これじゃ俺はただの邪魔者じゃねーか。
馬鹿みたいだ。

「悪い、邪魔するつもり、は、なかった」
「邪魔?何でだ?」

木吉の言葉がこんなに煩わしいと思ったこともない。ただの嫉妬。カッコ悪い。
気付いたら二人に背を向けて走り出していた。なんて女々しい。鼻の奥がツンとする。ちっくしょう、馬鹿みてぇ。
俺のアホ。
後ろっから木吉が俺の名前を呼ぶ。意味わかんねぇ。何で追いかけてくるんだ。くそ、くそ。

失恋で泣くとかマジカッコ悪い。




――――




昼休み、先生に呼ばれた帰り道。職員室の前を通った鉄平と遭遇する。
にこりと朗らかに笑ってリコじゃないか、と私の近くまで歩いてきてくれた。反射的に心臓が高鳴った。
私は何でもないフリをして、彼に笑い返した。

彼は器の大きい人だった。
優しくて、頼もしくて、ドがつくくらいの天然で、でもやるときはやる姿がとてもかっこよかった。
日向君と私がまたバスケにしがみつけたのも彼のお陰で、彼がいたから今監督としての私が居て、バスケ部主将としての日向君が居る。感謝を通り越して、何か別の感情が生まれた。
鉄平を想うと、胸がきゅっと温かくなるような、満たされるような、そんな感じがした。名前を呼ばれると安心したし、大きい手のひらで頭を撫でられると柄にもなくどきどきした。
日向君を見守ってたときとは、何かが違う。気付けば目で追ってる。怪我で入院して、居なくなってしまってから私は自分の気持ちを自覚した。
だからといって別に気持ちを伝えたいとか、そうゆうのは驚くほどに無かった。
彼はバスケが好きだから、私の気持ちが邪魔をしてはいけないと思った。これは一つめの理由。バスケをする楽しそうな横顔が一番好き。
もう一つ、理由があるのだけど。

「聞いてくれ、リコ。この前日向の家にお邪魔したんだ」
「日向、これくらいの小さい人形触っただけですごく怒るんだよ」
「でも武将の話してるときの日向がとっても楽しそうでさ」
「本当に、日向は面白いヤツだよな」

鉄平の話に必ず出てくる名前。
彼の話の八割はその人の話だった。
そう、鉄平には好きな人が居た。

「鉄平は…ホントに日向君のこと好きなのね」

照れる様子もどもる様子もない。それどころか隠すつもりもない。鉄平は私の知る限り一番優しい笑顔で頷いた。
男同士だからだとか関係なくて、鉄平は日向君が好き。これだけで十分。
鉄平は一途だった。日向君を羨ましいと思うくらい。一途に日向君を追いかけ続けてる。そんな一途なとこも好き。

「…鉄平のそうゆうとこ、好きだなあ」

呟いてしまったと思う。完全に無意識で呟いた言葉は、鉄平にも届いていた。
彼はぽかんとした表情をしながら私を見てる。やっちゃった。告白じゃん。熱が顔に集中する。顔あっつい!
ふわ、と大きい手が私の頭に降ってきたのは同時だった。

「はは、俺もリコのこと好きだぞ」

がしがしと少し乱雑に、でも優しく頭を撫でてくれる手のひら。優しい顔。
その好きじゃないの。友達のなんかじゃないの。超鈍感な鉄平は、私の想いに気付いてはくれない。
ふと、彼の目線は私の後ろに移動した。

「日向?」

え、と振り向くと、呆然と立ち尽くしたみたいにこっちを見てる日向君の姿。

「悪い、邪魔するつもり、は、なかった」
「邪魔?何でだ?」

声が震えてる日向君をおかしく思ったのか、鉄平は首を傾げる。
日向君は顔を歪めて、私達に背中を向けて全速力で走って行ってしまう。私が何か考えるより早く、日向、そう叫んで鉄平が私から離れた。目の前を大きい身体が横切る。少しも迷わずに日向君を追いかけた鉄平。私は静かな廊下に一人取り残された。

私は鉄平が好きだけど、鉄平には好きな人が居る。
それでもいいと言い聞かせてきたけど、いざ現実を直視するととっても辛かった。
目頭が熱くなる。零れないように、自分の手のひらで顔を覆う。
先程まで撫でられていた幸せの余韻が、今はただ空しかった。




――――




ぐにゃりと泣きそうに歪んだ顔のまま、日向は走り出した。俺は何で日向がそんな顔をしたのかわからなくて、というかそんな顔させたくなくて、夢中になって追いかけた。
名前を呼んでも一向に止まる気配がなくて、でも彼の足は人気の無い場所を目指してるのだけはわかった。
よかった。あんな顔、他の人に見せたくない。
そろそろチャイムが鳴りそうだからか、人の通りが殆どなくなった玄関で、俺はようやく日向の腕を掴んだ。
すぐに振り払うように乱暴に回されたけど、離さない自信がある。離せ、嫌だ、の短い問答が終わると、その場がしんと静まり返る。
いきなり掴んでない方の腕を振り上げられて、うお、と思いながら間一髪で避ける。ついでにその腕もしっかり掴んだ。

「っ馬鹿、バカヤロー!離せよ、何しに追ってきたんだよ、これ以上、惨めにさせんなダアホ!」

どんな顔をしてるかと思ったら、予想以上に酷かった。
線が切れてしまったのか、とめどなくぼろぼろと日向の頬を滴が流れていく。プライドが高くて精神的にも強い日向がこんなにも泣くなんて。
堪らなくなって、腕を引っ張ってそのまま抱き締めた。顔が胸に当たって眼鏡の固い感触がする。
ふざけんな、とくぐもった声がする。
ふざけてなんかない。お前の泣き顔なんて見たくないし、人に見せたくもない。胸をどんどん叩かれるけど、こんなの痛くない。今は、心の方がいたい。
日向が泣いてるから。

「テメ、何カントク置いてきてんだよ、ふざけてんだろ、馬鹿なんだろ、さっさとアイツのとこ戻れよ」
「いやだ。日向の傍に居る」
「っふざけんな!!」

本気で怒ってるときの声。クラッチタイムに入ってるとかじゃなくて、底から怒鳴ってるときの声。

「テメー、あんまりふざけたこと抜かすなよ。俺が邪魔したからか?だからテメーは俺にこんなことすんのか」
「待ってくれ日向、邪魔ってなんだ?お前は何を邪魔したと思ってるんだ?」

日向は舌打ちをしながら、告白してたじゃねーか、と言った。
告白?誰が誰に?

「さっき、カントク、が、お前に、好きって。お前も好きだって、返してただろーが」
「俺がリコを好きなのは当たり前だろ」

勿論リコ以外にも、伊月だって土田だってコガだって水戸部だって、黒子も火神も降旗も河原も福田も、みんなみんな好きに決まってるだろ。
日向はぽかんとした顔で俺を見ていた。そんなに驚くことなのか?と思いながら、目尻を真っ赤にして見上げてくる日向がなんだか可愛くて、頭を引き寄せてぎゅうぎゅうに抱き締めた。

「ば、やめろはなせっ」
「な、日向。好きだ」
「は」
「お前が好きだよ、日向」


俺はみんなのことが好きだったけど、日向は特別好きだった。
何時から好きだったかとか覚えてない。バスケを心から愛してた姿や、だからこそ棄てられなくて自棄だった姿、一緒に練習して一緒に帰ってたくさん話したときの真剣な姿とか、試合に勝ったとき嬉しそうに笑ったあとに照れたみたいに目を逸らした姿とか。思い当たる理由はたくさんあってどれかわからない。でも日向に惹かれていたのは確かだった。
一緒に居たくて、一緒にバスケしたくて、一緒に勝ちたくて、一緒に笑いたくて、無理をしてでも学校に帰ってきたくて。
日向が俺を嫌いだということは知っていた。でも彼はとても優しくて、俺を待っていてくれた。嫌いなのに、俺を認めて、俺の場所を空けていてくれたのだ。
好きだなぁ。愛しいなぁ。気持ちだけが膨らんでいく。

「………カントクのとこ戻れよ」
「日向?」
「お前が俺を好きだから、どうなるっつんだ。お前が俺をどう思ってても、カントクがお前を好きなのに変わりねーんだ」

男同士なんて需要ねーし、カントクがお前を好きである限りはお前のことどうとも見れねーよ。
なんか、俺はその言葉に大層傷付いてしまって、ちょっと、つい。

日向にキスしてしまった。

当然のように殴られてしまったけど、それよりも、心がいたい。
心がいたい。

「ふ、ざけんな…ざっけんなテメェ!!」
「…ふざけてないよ」
「…っテメェなんて」

大嫌いだ、小さく小さく呟かれた言葉は、いつも以上に俺の胸に深く突き刺さった。
本気で嫌われるのだけは嫌だったんだけどなぁ。
走り去る日向を、今度は追わなかった。

(知ってたよ、日向はリコが好きで、リコは俺が好きだって)
(お前はどんなときもリコの気持ちを最優先だ)
(そんなお前だって好きだよ)
(悲しいけれど)


心がいたい。



20120812



――――――――

個人的な日→リコ→木→日の萌えスタイル
一方通行って誰も幸せにならないのがいいなって…思うわけですが…本当はみんな幸せにしたいんですが…いろいろ矛盾しててすみません…
この矢印は逆に向かうことは絶対ないです。日向はカントク好きだしカントクは木吉好きだし木吉は日向好きなまま一生進展しないで終わるっていう…

日向はこんなにメンタル弱くないよねすみません!泣かせたかっただけですすみません!
あと日向はどんなことされても木吉のこと本気で嫌いになることはないと思います。出会った当初とは違って
カントクは木吉が好きにしろ日向が好きにしろ、絶対にそのことを喋ることはないと思います
木吉は表面的には笑ってるけど辛くて泣きたくてたまらなくても全部自分の中に押し込めるタイプだよね

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