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2026年06月13日
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偽りの恋で5題(TOS:ロイゼロ)

2011年06月01日
「吊橋効果って知ってるか?」

目の前の子供は首を僅かに傾げた。

「吊橋ってゆらゆら不安定に揺れるだろ?その上で男女同士が出会うんだ。揺れている恐怖で心臓が鳴っているのに、どきどきしてんのは目の前の人間に恋をしてしまったと思ってるからなんだ、って勘違いしちゃうんだな」

説明を終えた後に横目で彼を見ると、しかめっ面をしていた。
これは全然理解してないな、と思い、ゼロスはふうと息をつく。

「つまり、ロイドくんは今まさに吊橋効果で勘違いしてるって訳よ」

想像通り、意味が分かった後の彼の表情は実に険しかった。

「ここは吊橋じゃない」
「そーね」
「恐怖の中にいるわけでもない」
「うん」
「なのに、お前は俺の想いを否定すんのかよ」

掴まれている右腕が痛い。そろそろ握り潰されるんじゃないかというほどに、ぎりぎりと力を込められる。
ゼロスはただ、この場から逃げ出したい思いで一杯だった。
なのに、勘違いで自分に好意を寄せている少年を振りほどけない。

「ロイドくん。勘違いだよ。お前の俺への想いも、感情も全部」
「勘違いなんかじゃない。俺は本気だ」

彼の顔は見ない。一体、今彼はどんな表情をしているだろうか。怒っているのか、悲しんでいるのか、はたまた無表情なのか。
どれでもいいな、ゼロスは目を瞑っていた。
その表情も、全て勘違いから作られたもの。絶対に目を合わせてなるものか。
その気持ちに向き合ってやるものか。
掴まれた腕が熱い。少年の暖かい体温が流れてくる。
暑苦しくて仕方なかった。
熱血なんてごめんだ。本気になるなんてごめんだ。

「俺は」

最後は、笑顔を造った。

「お前に本気になれねーよ」





1、本気になったら負け


(既に負けていると分かっていながらも、)


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お題配布元→Paper plane
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