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2026年06月13日
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けいたいろぐ2
2011年09月25日
ぶりちの携帯ログ
続き物っぽい感じ
喧嘩したイチウリの話
1:喧嘩した(一護視点)
2:喧嘩してる(↑の雨竜視点)
3:喧嘩してた(一護視点)
書くのに結構間が空いたりしてるからいろいろとぐだぐだしてます…
続き物っぽい感じ
喧嘩したイチウリの話
1:喧嘩した(一護視点)
2:喧嘩してる(↑の雨竜視点)
3:喧嘩してた(一護視点)
書くのに結構間が空いたりしてるからいろいろとぐだぐだしてます…
石田と喧嘩した。
言い合いなんてしょっちゅうだったけど、それは喧嘩の内に入らないくらいにあっさりと終わって、次の日には普通のいつも通りの関係に戻っていた。基本的に引っ掛けたのが俺でもあいつでも、必ず俺の方から謝っていた。俺は謝らない、絶対にだとかなんとか言いながら、何だか酷くモヤモヤした感情がうまれて、最終的には俺の口からごめんの言葉。石田は必ず許してくれた。
でも今回ばかりは違った。先に突っ掛かってきたのはあっちの方で、俺はついついカッとなってその言い合いに乗ってしまい、教室の真ん中で怒鳴り合うという最悪な形になってしまった。注目を浴びていたとかそんなことはどうでも良くて、とにかく苛々していた俺の口からは思ってもいない言葉ばっかりが飛び出した。頭に血が昇ると感情の止め方がわからなくなる。駄目だ、口を閉じろと自分に言い聞かせたのに、結局は全ての苛々を石田にぶつけてしまった。
チャドや井上が止めてくれなかったらさらにヒートアップして、殴り合いに発展したかもしれない。俺にあいつを殴れるのかと自身に問いかけたが、きっとあの時なら殴っていただろう。それぐらい冷静さを失っていたんだ。
その日はもう石田と会話することはなかった。つか俺はもう会話する気はなかった。喧嘩をしたことは少なからず後悔していたけど、今回ばかりは俺は悪くない。絶対悪くない。あっちが謝ってくるまで、俺は絶対に謝らないと決めた。
しかしあの石田がそう簡単に謝ってくる筈もなく、俺を見ても目を逸らす、鉢合わせても無視、見事なほどに俺を避けていた。わかっていたけど。プライドと意地の塊みたいなこいつがあっさり謝る筈がないと。だけどあいつの態度が俺の不機嫌を募らせる。そしてあっちが意地を張れば張るほど、こっちもムキになっていく。
そんなことを続けて、三日経った。
「いっちごぉー!!」
「うるせぇ黙れ」
「まだ名前しか呼んでないのに!!」
啓吾がしょぼしょぼと水色のところへ行ってしまう。啓吾には悪いと思ったが、今の俺はやつのウザいテンションが本気で鬱陶しいと思うくらいには苛々していた。
何なんだ、何で俺はこんなに腹が立っている。授業が頭に入ってこない。ノートをとることさえする気になれない。眉間の皺がいつもの三倍くらい濃く刻まれているらしく、教員に心配されたほどだ。
俺の目線の先にはいつも石田がいることには気付いていた。あいつは相変わらず普通の生活をしている。それにまた腹が立つ。何でだ。頭をがしがしと掻いたところで俺の苛々は収まらない。
石田は普通に授業を受けるし、ノートをとるし、問題を解ける。どうしてこんなにも俺と違う。俺はあいつのことばかり考えてこんなに苛々してんのに、あいつは俺のことを考えない。普段通りの涼しい顔で日常を過ごす。
ああ、駄目だ。苛々する。
「あれ、一護どこ行くの?もう授業始まるよ?」
「サボる」
水色は目を丸くしたあと、「そっか」とにこりと笑った。
俺は今日初めて席を立って、昼飯時にいつも行く屋上に向かった。あそこなら石田はいない。俺が苛々することもなくなる筈だなんて思っていたのに、行くときですら石田のことを考えている自分を殴りたくなった。
屋上は風が気持ち良い。嫌なことも全て忘れそうだ…なんていう都合の良いことはない。俺の中には常にあいつの存在が付きまとっていて、そろそろ悲しくなってきた。
何で俺はこんなに怒ってんだ。何で石田と喧嘩したんだ。何で俺だけがこんなにあいつのことを考えてんだ。何であいつは俺のことを気にしないんだ。何で謝ってこねぇんだ。何で俺は謝らないんだ。
モヤモヤとした感情。最近俺はこの感情が何なのか朧気ながらわかってきた。多分これは好意に近いものなんだろう。石田と喧嘩をしたあとは必ず後悔する。あの言葉で傷付けたんじゃないかって、このまま嫌われたらどうしようって、なんとも女々しい発想だけど、誰かを好きになったらこんな感情に男も女もないんじゃないかと思う。
そこで初めて気付いたが、俺は石田が好きなのだ。多分石田はそうじゃないだろうけど。
俺の苛々の原因は、石田が謝ってこないとか意地っ張りだからとかそういうんじゃなくて、俺はこんなにもお前が好きなのに、とかそんな自分勝手で幼稚な理由だった。意地を張っていたのは俺の方。
本当は話したくてしょうがなかったし、一緒に飯だって食いたいし、勉強だって教えて貰いたい。それを意地で押さえ込んで、絶対に謝らないと虚勢を張って、勝手に苛々して、きっと俺はアホなんだろう。
だけどアホだと自覚できただけでも俺にとっては大きな進歩だ。まだ授業中だから教室には戻れないけど、でも俺は絶対今日中に謝ろうと決めた。
やっぱり俺から謝ることになるのかと少し苦笑したけど、それも惚れた弱みだとだと思ったらどうということもなかった。
【喧嘩した】
――――
黒崎と喧嘩をした。喧嘩というよりはただの言い合いだったけど、まあそれを世間一般には喧嘩と呼ぶんだろう。
言い合いはこれが初めてじゃない。それはもううんざりするほどにやった。それの大半は僕から絡んだものだ。僕だって別に好きで文句を言っている訳じゃないけれど、気付いたら口が勝手に動いている。
でも何だかんだ言いつつ、謝るのは黒崎の方だった。今回は僕に非があったかもしれない、と思いながらも僕は謝ることができない。僕は自分でも自覚できるほど意地っ張りだった。だから謝るタイミングを逃して、結局は黒崎が先に言ってしまって、僕はそれを許すというのが当たり前みたいになっていた。
今回は例外だった。やっぱり突っ掛かったのは僕の方で、つい口から零れた言葉は黒崎の怒りに触れたらしい。今までにないくらいに怒鳴られて、僕も頭に血が昇った。何だ、そんな言い方しなくても良いだろう。怒りに任せて罵倒ばかりを叩き付けていた。本当はこんなことを言いたい訳じゃないのに。喧嘩なんてしたくないのに。
それが皆に注目されるほどに大きな言い合いになっていたと気付いたのは、茶渡君や井上さんに宥められて漸く気付いた。我に返ったときには既に遅くて、黒崎は眉間の皺をこれでもかというくらいに寄せて僕を睨んで、舌打ちをして僕に背を向けた。舌打ちをしたいのはこっちだというのに!そんなことを考えて、僕も苛々しながら席に戻る。
その日、それから黒崎と話すどころか目を合わせることさえなかった。ちょうど良い、僕だって話したくない。話す気にさえならない。自分が火種だということは痛いほどにわかっているけど。悪いのは僕だって、わかっているけど。
謝りたいけど謝りたくない。僕は酷く意地っ張りだった。
それからというもの、僕は学校で黒崎と全く交流がなかった。どちらかというと避けているのは此方の方だ。目を合わせることさえ気まずくて、逸らし続けていつの間にか三日も経っていた。
僕は少なからず後悔していた。全部自分が悪いのに、頭の何処かで黒崎が謝ってくるだろうという思考があったのかもしれない。でも今回は僕から謝るまで黒崎は僕に関わらないだろう。いつも黒崎は「絶対に謝らない」なんて言いながら、いつもいつも謝ってた。いつの間にか僕はその黒崎の優しさに甘えていたんだ。
どうしてだろう。そもそも僕はあいつのことが好きじゃなかった筈だ。何かと突っ掛かってくる黒崎に対して、僕から歩み寄り始めたのは一体いつ頃のことだ。もうずっと昔のことのような気がした。それほどに僕が黒崎と過ごす時間が増えたと言うことだ。
重苦しい溜息が出た。何で溜息が出るのかわからない。黒崎が僕に寄ってこないことは面倒がなくなって良いことじゃないか。これが強がりだとわかってしまうから憂鬱になるのか。本日何回目かわからない溜息を吐いた。
「石田くん…大丈夫?」
そう声を掛けてくれたのは井上さんだった。心配そうな目で僕を見る。
「溜息多いね?やっぱり黒崎くんとの…」
「ああ…何でもないよ。ありがとう心配してくれて」
なら良いんだけど、と井上さんは笑う。少しだけ幸せな気持ちになった。きっとこの人には癒し効果があるんじゃないかな。ということを本気で思っている辺り僕はいつもの頭が回っていないんだろう。癒されたのは本当だけど。
「石田くんなら、ちゃんと黒崎くんと仲直りできるよっ!」
だから頑張って!と井上さんはそれだけ言って僕から離れていった。僕はそれに苦笑をするしかなかった。僕は彼と仲直りがしたいのか。だからこんなにも悩んだり憂鬱になるのか。
不自然に見えないように、僕は後ろを振り返る。ちょうど黒崎は下を向いて頭をがしがし掻きむしってたから目は合わなかった。実を言うと僕はこの三日間、黒崎のことを何回も見ていた。どうしてなのかはやっぱりわからないけど。気付いたら目で追っているだなんて喧嘩する前からだ。喧嘩してからはもっと気になってしまって、授業だってロクに聞いてなかった。
何で黒崎なんかが気になるんだよ。ああもう嫌だ。
また鬱な気分に浸り始めた時、授業のチャイムが鳴った。また貴重な休み時間があいつの事を考えるだけで終わってしまった。
当の黒崎はというと、席にいない。何処に行ったんだろう、と僕が気にしなくても良い考えで頭が一杯になった。先生が教室に入ってきたことにも気付かないくらいに、僕は黒崎のことばかり。いい加減腹が立ってきた。煮え切らない僕にも、僕の頭を占めてる黒崎にも。
何なんだよ。早く謝りに来いよ、黒崎。早く謝れよ、自分。
この腹立たしい感情は、黒崎と言葉を交わしたら消えるだろうか。素直になれない僕のことだ、きっとまた喧嘩になるかもしれない。それでも、この感情が一体何なのか、それがわかったら僕は満足だ。と言いたいところだけど、いつもの関係に戻りたいというのが本音。
やっぱり今回は、僕からしっかり謝ろう。僕にとって黒崎がどんな存在なのかはまだ確定してないけど、僕は彼と話をしたい。理由なんてそれだけで十分だ。
【喧嘩してる】
――――
ホームルームが終わると、俺はすぐに石田に目を向けた。しかしヤツは俺の目よりも早く動いて教室を出ていったのだ。慌てて追いかけようとしたら、啓吾に名前を呼ばれた。恒例の放課後どっか行こうの誘いである。恒例だなんて言ったが、俺がそれに応じたことは両手で数えられるくらいにしかない。つまりいつも断っている。
ということで今日も断りを入れると、「何だよまたかよー!」とかいう啓吾の喚き声が聞こえた。今俺は急いでんだよ!すると水色が珍しく「僕が一緒に行ってあげるから」と助けを出してくれた。啓吾も驚いたみたいで、呆けた面をする。
何でかは知らないが、とにかく助かった。水色の好意には感謝したい。俺が小さく礼を言うと、水色は笑って「頑張ってね」と耳打ちしてきた。
……敢えて何も言わなかった。
廊下に出ると既にあいつの姿はなかった。あんまり多くはない生徒の群れを避けながら、階段を一段飛ばしで降りる。教員に廊下を走るなと叫ばれたけど、俺は聞き流した。
靴を乱暴に履いて、とにかく外に出るけどやっぱり石田の姿は見当たらなかった。帰るのが早すぎる!舌打ちをしながら、俺はまっすぐ石田んちを目指した。
すぐに目的地に着いたのだが、いくら戸を叩いても出てこない。おかしい。
目を閉じて手を額に当てる。霊力を探すのは苦手だが、あいつのぐらいなら探すのはわけがない。伸びる多数の霊絡の中に確かに石田のものはあったんだけど、それは学校の方向から伸びていた。
つまりあいつはまだ学校にいるということか。どういうことだ。じゃああいつは何処に行ったんだよ!
本日何度目かわからない舌打ちを溢して、俺は再び学校へ走った。
一回出た校門をもう一度くぐるというのは何となくおかしな気分だ。校門へ向かう人の流れに逆らって俺は学校へ向かっている。
忘れ物を取りに行く奴ってこんな気分なのかとどうでも良いことを考えた。本当は石田のヤツにいう言葉だとかを考えなきゃなんねーんだけど、なんだか全然思い付かなかった。
玄関の前まで来たは良いが、何処を探せば良いものか。その時にふと思い出したのは、石田が手芸部だということだ。そうか部室か、と思って俺は玄関に足を踏み入れた。
「…あ」
ロッカーの目の前で見つけた。
そいつは靴を取り出して今から帰るという感じだった。驚いたように丸めている目を見て、久し振りに目が合ったような感覚に陥る。たった三日しか経っていないのに。
目が合ったのが、こんなにも嬉しい。
でもいざ会ったとなっても、肝心なときに俺の脳は考えることをやめる。真っ白だ。
口を開けた。まずは謝って。それから、
「……すまなかった」
ぽつりと聞こえたのは俺の声ではない別の声。動いたのは俺の口ではなく石田の口。
石田が、謝った。
「今回のこと、は、僕が一方的に君を傷付けたことに非がある。って、思ってたけど、わかってたけど、ちゃんと、言えなくて」
俯きがちになりながら、少し途切れ途切れに言葉を紡いでいる。
何で。という感情以外俺の中には生まれなかった。その「何で」も何故なのかわからない。多分石田はどんなことがあっても謝る筈がないと思い込んでいたからだろう。石田はプライドが高くて意地っ張りで素直じゃないからだ。
「…君と喧嘩をしたあとは、いつも気分が悪くて。それは君への怒りだと思ってたんだけど、どうやら違ってたみたいだ」
「…」
「僕は…」
今日の石田はよくしゃべるな、なんてぼんやり思う。
久々に聞いた石田の声は耳によく通る。今の状況はあんまり気持ち良い空間とは言い難いが、やつの声が聞こえるだけでこんなにも違う。
俺はやっぱり、こいつのことが好きだった。
「…それじゃあ、それを言いたかっただけだから」
表情を隠すみたいに眼鏡を指で押し上げて、小さく息を吐いた後、するりと俺の横を通り抜けようとした。
すぐに石田はこっちを振り向いて驚いたような表情を俺に見せた。急だったから俺もビックリして、しかしそれは俺がこいつの腕を掴んだからだった。無意識の行動に、笑えることに石田よりも俺自身が一番驚いているのだ。
口を開いても、何故だか言葉が出てこない。言いたいことは沢山ある。でもどれを先に言えば良いのかわからなくて、酷く混乱していた。
ごめん、俺も悪かった。とか、お前から謝るなんて初めてじゃねえか。とか。
「い」
「…い?」
「………っしょに、帰ろう、ぜ?」
脳内会議なんてものをする前に俺の口から零れたのは、なんてことはない帰りの誘いだった。
違う、もっと他に言うことがあるだろ!と自身にツッコミをいれそうになったが、それこそこれ以上変な空気にはできないからそれきり俺は口を閉じた。石田は黙ったままだ。呆れているのか、それとも困っているのか。
「…いいよ」
腕が引っ張られる感覚と同時に、小さく呟く声が耳に届いた。
手に添えられているのはそいつの手で、そのまま外に引っ張る出される。状況を把握する時間すらまともになくて、取り敢えず石田の手が俺の手を握ったままだというのはわかった。
………………いや待て、何故石田が俺の手を握っている。嫌じゃない、寧ろ嬉しいんだけど。
「なあ、いし…」
顔を覗きこんだら、やつの白い頬があからさまに赤くなっているのだ。煙でも出てくんじゃねーのってくらい。
それを見てしまったらこっちも当然恥ずかしくなるわけで、急激に顔が熱くなっていくのが嫌でもわかった。
うわ、うわ。何だこれ。
「い…石田さん」
「な、何だよ。嫌なら離すよ」
「あっ…じゃ、離さない方向でお願いします」
俺は、石田が俺のことを嫌いだと思っていた。
だからいつも突っ掛かってくるんだと思っていた。
でもどうやらそうじゃないみたいだ。
もしかしたら、俺って本当はかなり好かれてるんじゃないかと思う。
流石に自惚れが強いかもしれないけど、こいつのこんな態度を見てしまうと自惚れるのもしょうがないじゃないか。
俺は少しだけ、喧嘩に礼を言いたいと思った。
【喧嘩してた】
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