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2026年06月13日
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偽りの恋で5題(GX:十エド)

2011年06月11日

隣りに座る、一応年上である少年を横目で見遣る。
彼はじっとどこか遠くを見つめているような、だけど少し眠そうな瞳で、此方を見ない。
それなのに、彼は自分の隣りに来たがる。
エドは一人になりたかった。
一人になりたいと思ったとき、必ずその少年は隣りにやってくる。
正直、彼が隣りに来たところで会話もなければ目を合わせることすら殆どない。いつも煩わしい程の明るさと笑顔は、エドの隣りに来るときは忽然と消えてなくなる。
只管に真っ直ぐを見つめる大きくて綺麗な瞳。エドはそれが好きであり、嫌いだった。
一人になりたい、そう思って、その場から立ち上がる。
すると、隣りに座っていた十代も少し遅れて立ち上がった。
彼には目もくれずに歩き出すと、また少し遅れたタイミングで十代も歩き出す。
無意識に眉が吊り上がった。

「十代、付いてくるな」
「嫌だ」

漸く、今日始めて瞳を交わし合った。やはり目に入ってきた顔は笑顔とは程遠く、だけどそれは怒っているとか悲しんでいるとか、そういうものでもなかった。
彼は鈍いくせに変なところで鋭い。エドはいつも思っていた。

「僕は一人になりたいんだ。いいから付いてくるな」
「やだ。今は傍に居たい」

傍に居たいって何なんだ。エドは十代を睨んだ。大きな瞳がかち合う。

「同情するな。惨めになる」
「そんなのしてない」
「今のお前の目は、そんな目をしてる」

十代は驚いたように目を見開いた。
十代は本当にそんなことを思ってはいなかった。ただ本当に、「傍に居たいな」と思っただけなのだ。
彼は、常に背中に寂しさを纏っているなと思った。自分よりも少し小さくて、それなのに自分が感じたこともない大きな寂しさを背負っている彼を見て、十代も悲しくなってきたのだ。
それから、「傍に居たい」という思いは更に大きくなった。それは何故なのか酷く曖昧で、十代自身も理由を深く考えることはしなかった。
けれど、それが彼の言う「同情」なのだろうか。十代にとって、同情という言葉の意味も曖昧だった。

「俺は同情なんかしてない。ただ傍に居たいだけだ」
「それが同情なんだ。大方、一人でいる僕が可哀相とでも思ってたんだろう」
「何でそうなるんだよ!俺は、傍に居たいだけだ!」

つい声を荒げてしまって、はっとなる。エドは目を丸くして、直ぐにぐっと目を細めた。
再び背中を向けられて、溜息をつかれる。伝わってないなと十代は少し項垂れた。
理由なんてなくて良い。ただ傍に居たいとそう思うだけで十分な筈なのに。





4、傍に居ることにも理由が必要


(どうやら彼は理由が欲しいようだ)


――――――――

お題配布元→Paper plane

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