[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
優しい相棒と優しくない俺
うちに、よく野良猫が来ていた。
何故か家の前に寝そべって、通行の邪魔をするように足に顔を擦りつけてくる。
最初は少し困ったけど、時が経つにつれて、その猫も家族になった。
御飯を持って名も無い猫を呼べば、茂みからがさがさと出てくる。
家の前で寝そべっている猫に向けて「いってきます」と声をかけると、返事をするようににゃあと鳴く。
休みの日に、たまにその猫と戯れたり、友達との約束に連れて行ったりもした。
じいちゃんも相棒も、もちろん自分も嬉しかった。
学校から帰ってきたら、家の端っこの陰の方で、猫が死んでた。
野良犬にでもやられたのだろうか、所々噛まれた跡がある。
俺は相当なショックだったけど、これが自然の摂理なんだなと逆に納得した。
相棒は何も言わずに、猫に歩み寄って、その場に膝をつく。
最後に見たのは一昨日だったか。いつ死んでしまったのだろうか。昨日かもしれない。その答えは分からない。猫は口を永遠に閉ざしてしまったから。
誰にも気付かれずに、死んでしまったのか。
相棒は猫の腕を持ち上げた。こんなことを言うのもあれだが、死んでしまった生き物には触らない方が良い。そう言うと、相棒はそんな冷たい事を言った俺を咎めもせず、力無く笑って「大丈夫だよ」と呟いた。
猫は動かない。相棒の声には答えない。手を出すと、いつも重ねてくれた小さい手は、もう動かない。
「じいちゃんに見つかる前に、何処かに埋めておこうか。お墓を作ろう。」
きっとじいちゃんが見たら、ショックで倒れちゃうよ、躊躇い無く猫を持ち上げる相棒。俺は精神体で、見ていることしかできない。
近くの木の下に、相棒は一人で穴を掘る。俺も手伝いたいが、手伝えない体だ。
ポケットの中からティッシュを取り出し、下に敷いた後、猫をそこに置く。もう一回ティッシュを被せて、土を元に戻し始めた。
相棒の手が止まる。土に、黒い染みがぽつぽつとできる。雨が降ってきた訳ではない。
だめだ、俺が代わろう。ごめん、もう一人のボク、君はやっぱり優しいね。相棒は奥に引っ込んだ。頬に、相棒の名残の涙がぽろりと落ちた。
これは俺の涙じゃない。俺は泣いていない。自分でも驚くほど、何も思っていない。涙が出ない。
俺はなんて冷たい人間だろう。片割れは泣いているのに、その思いを共有できないなんて。
ごめんな相棒、俺は優しくなんかない。
本当に優しいのは、相棒のような人間のことだよ。
どんなことがあっても、俺は泣けないのかもしれない。
やさしいやさしい、誰よりもやさしい俺の相棒。
きっとお前は、俺がいなくなったときも泣いてくれるだろう。
お前が泣いてくれることがうれしいと思っている俺は、やはりやさしい人間じゃない。
俺は誰よりも、お前の泣き顔がみたくないのに。
――――――――
学校に行く途中で猫の死体を見たショックから思い浮かんだ話。
闇表を書こうとしたら、おや……?
泣き虫な相棒と、感情が乏しいけど相棒が大好きな王様、みたいな(なにそれ
でも遊戯王で一番優しい人は相棒だと思う。
無題
・表遊戯は、「海馬は闇遊戯が好きだった」と思っている
・だけどほんとは海馬→表遊戯っぽい
・闇遊戯がエジプトに帰った後の話
・ぴくしぶで見た漫画に触発されちゃったもの
・表遊戯が卑屈気味
\(^o^)/