[PR]
2026年06月13日
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
中途半端な愛し方(T&B:虎←兎)
2011年06月26日
虎徹の左薬指で白く光る銀の指輪を見るたびに、バーナビーは酷い後悔に苛まれた。
苛々したりもやもやしたり、胸が張り裂けそうだったり幸せだったり憤りを感じたり。そんな今までに感じたことのなかった不思議な感情ばかりがバーナビーを突き動かす。
「愛しているのなら、」
ソファに座る虎徹を冷たい眼で見下ろしながら、突拍子のない事を口から紡ぎだす。
「中途半端に愛さないでください」
虎徹は目を丸くする。当然、彼の発言に今の状況を把握できなかったからだ。自分はただソファに座ってそこらへんに落ちている雑誌を読んでいただけだというのに。全く彼はいつでも唐突だ。
「どういうこと?」と首を傾げる虎徹の左の手。
雑誌を持つその骨ばった指にはあまり似つかわしくないシルバーが煌くのだ。
またバーナビーは不快そうに眉を寄せる。本当は叫びたいほどに苦しいのに、喉が焼けるように熱くて痛くて、何も奥から出てきてくれない。
少し油断すれば、涙が零れてしまいそうな。それくらい辛くて苦しくて、でも好きなのだ。
「貴方には愛する人が居ます」
「……?」
「愛する娘もいます」
「…うん」
「そして、愛の誓いを持っています」
なるほど、バニーはこの指輪のことを気にしているのだな、と直ぐに分かった。
虎徹にとって、何にも変えがたい大切な思い出。この指輪もその一つだった。
愛する人がこの世から居なくなって、昔は自分を繋ぎ止めるものがこの指輪と愛娘しかいなかった。
今は。
「俺はバニーを愛しているよ」
「だから嫌なんです」
「バニー?」
「僕は貴方のことが好きです。だから僕は、貴方の愛していた人や、貴方が愛している娘さんや、終いにはそんな無機物にまで嫉妬しているんです。僕は、最低の人間ですよ」
「貴方が愛したもの全てを愛すことが出来ないんです」
バーナビーが自嘲気味に笑う。その表情が酷く悲しそうで、虎徹はそれを見ていることが出来なかった。
「だから僕は、貴方に愛して欲しくないんです」と、そう呟いた相棒の頭をぐいと引っ張って引き寄せる。肩が小刻みに震えていて、彼にこんな感情を持たせている自分が嫌になった。
(僕は全部愛したい。貴方が見たもの触れたもの、好いた人愛した人、全てをひっくるめて貴方を愛したいのに、僕にはそれが出来ない)
虎徹を困らせたいだなんて思っていない。でも一度溢れた感情を塞き止めるのはもっと難しい。
「バニーちゃんはめんどくさいな」
「っ、」
「でも、そんなとこも全部愛してるよ」
髪の毛を梳く指はやっぱり優しい。バーナビーが見るのも嫌になる左の薬指が、癖のある金髪をゆっくりと撫でる。どんなにどんなに優しくても、この男はとても残酷だ。
「…愛しているのなら、中途半端に愛さないでください」
先程の言葉をもう一度虎徹にぶつける。
僕を一番に思ってみて。僕のことを考えて。指輪なんて気にできないくらいに僕を愛してみてください。
僕は貴方の一番になれないって分かっているけど、それでも僕を一番に思ってください。
「ごめんな」
その一言で、今度こそバーナビーの瞳から雫が零れた。
(あなたはとてもざんこくだ)
――――――――
虎徹にとっては奥さん=楓=バニー、なんだけどバニーちゃんから見れば奥さん=娘さん>>>(越えられない壁)>>>自分、みたいな感じ
卑屈で自信がないバニーちゃん
苛々したりもやもやしたり、胸が張り裂けそうだったり幸せだったり憤りを感じたり。そんな今までに感じたことのなかった不思議な感情ばかりがバーナビーを突き動かす。
「愛しているのなら、」
ソファに座る虎徹を冷たい眼で見下ろしながら、突拍子のない事を口から紡ぎだす。
「中途半端に愛さないでください」
虎徹は目を丸くする。当然、彼の発言に今の状況を把握できなかったからだ。自分はただソファに座ってそこらへんに落ちている雑誌を読んでいただけだというのに。全く彼はいつでも唐突だ。
「どういうこと?」と首を傾げる虎徹の左の手。
雑誌を持つその骨ばった指にはあまり似つかわしくないシルバーが煌くのだ。
またバーナビーは不快そうに眉を寄せる。本当は叫びたいほどに苦しいのに、喉が焼けるように熱くて痛くて、何も奥から出てきてくれない。
少し油断すれば、涙が零れてしまいそうな。それくらい辛くて苦しくて、でも好きなのだ。
「貴方には愛する人が居ます」
「……?」
「愛する娘もいます」
「…うん」
「そして、愛の誓いを持っています」
なるほど、バニーはこの指輪のことを気にしているのだな、と直ぐに分かった。
虎徹にとって、何にも変えがたい大切な思い出。この指輪もその一つだった。
愛する人がこの世から居なくなって、昔は自分を繋ぎ止めるものがこの指輪と愛娘しかいなかった。
今は。
「俺はバニーを愛しているよ」
「だから嫌なんです」
「バニー?」
「僕は貴方のことが好きです。だから僕は、貴方の愛していた人や、貴方が愛している娘さんや、終いにはそんな無機物にまで嫉妬しているんです。僕は、最低の人間ですよ」
「貴方が愛したもの全てを愛すことが出来ないんです」
バーナビーが自嘲気味に笑う。その表情が酷く悲しそうで、虎徹はそれを見ていることが出来なかった。
「だから僕は、貴方に愛して欲しくないんです」と、そう呟いた相棒の頭をぐいと引っ張って引き寄せる。肩が小刻みに震えていて、彼にこんな感情を持たせている自分が嫌になった。
(僕は全部愛したい。貴方が見たもの触れたもの、好いた人愛した人、全てをひっくるめて貴方を愛したいのに、僕にはそれが出来ない)
虎徹を困らせたいだなんて思っていない。でも一度溢れた感情を塞き止めるのはもっと難しい。
「バニーちゃんはめんどくさいな」
「っ、」
「でも、そんなとこも全部愛してるよ」
髪の毛を梳く指はやっぱり優しい。バーナビーが見るのも嫌になる左の薬指が、癖のある金髪をゆっくりと撫でる。どんなにどんなに優しくても、この男はとても残酷だ。
「…愛しているのなら、中途半端に愛さないでください」
先程の言葉をもう一度虎徹にぶつける。
僕を一番に思ってみて。僕のことを考えて。指輪なんて気にできないくらいに僕を愛してみてください。
僕は貴方の一番になれないって分かっているけど、それでも僕を一番に思ってください。
「ごめんな」
その一言で、今度こそバーナビーの瞳から雫が零れた。
(あなたはとてもざんこくだ)
――――――――
虎徹にとっては奥さん=楓=バニー、なんだけどバニーちゃんから見れば奥さん=娘さん>>>(越えられない壁)>>>自分、みたいな感じ
卑屈で自信がないバニーちゃん
PR
Comment