[PR]
2026年06月13日
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
悲しんでおくれ【ロイ(+)ゼロ】
2013年11月24日
「なあロイドくん」
「俺さまが死んじゃったら悲しいか?」
ロイドはこちらを見て、俺の腕をぎゅうと掴んできた。
珍しくロイドの瞳の奥の感情が見えなくて、でもロイドがただ無心でいるからか、俺が今ロイドの瞳をまともに見ようとしていないからか、その辺の理由はよくわからなかった。
でも、確かに強い光を灯した鳶色の瞳。真っ直ぐで、純粋で、信じることを促す瞳。
「なんでそんなこと聞くんだ?」
「なあ、悲しい?」
「悲しいに決まってるだろ。どうしてそんな当たり前のこと聞くんだよ」
そりゃあ俺にとっては当たり前じゃあないからだよ。
俺が死んだって、何にも変わりゃしないから。
「たくさん泣いてくれる?」
「どうしたんだよ、なんかあったのか?」
「いいから答えろよ、どう、泣いてくれる?」
「泣くよ。たくさん。お前が死んだら悲しいし、俺はたくさん泣く」
ロイドはきっと泣かないだろうな、と俺は冷静に思った。
歯を食いしばって、顔を歪めて、それでも目から決定的な滴は零さないだろうな。
ロイドくんは嘘がつけるほど器用な人間じゃないから、きっとその言葉は本心で言ってるんだろうけど、俺は口には出さずに「うそつき」と呟いた。
俺はどうやらロイドに悲しんでほしいらしい。
俺が血まみれになって、息も絶え絶えで、最後にセレスのことを思ったりして、ああこれで神子から解放されるんだと笑いながら死んだとして。
果たして悲しんでくれる人間がいるのだろうか?
どうせ俺が死んだところで俺の代わりにセレスがいるし、別に俺なんていてもいなくても一緒で、常に代わりがいるような立場に立ってて。
誰かに泣いてほしいわけじゃないんだけど。なんとなく、ちょっとだけ寂しいと思ってみちゃったり。
ロイドは適役だった。仲間思いだから。一瞬でも一緒にいた俺がいなくなったときは、少しくらいは悲しんでくれるんじゃねーのと思って。
「不安なのか?」
不意にロイドがそう言った。
俺はいきなりすぎて、何が?と素で返事をしてしまった。
ロイドは首を捻った後、わからないと答えた。でも何かが不安なんだろ?とロイドは更に言い募る。
「ゼロスが死んだら俺は泣くよ。悲しいし寂しいし、怖くなるよ。でも大丈夫だ、お前が何を不安に思ってそんなこと聞いたのかわからないけど、でも、大丈夫だよ」
「俺が守るから。ゼロスは死なない」
心臓を握り潰されるような感覚がした。
俺は随分と情けない顔をしていたようで、ロイドが徐に俺に近付いて、背中に腕を回された。ゼロの距離からロイドの呼吸が聞こえる。彼の体温は信じられないほど温かくて、逆に自分の体温の低さが嫌になった。
だからいきなりそんな変なこと聞くなよな、と呟くロイドの瞳と初めて目が合った気がする。鳶色の温かい目はこの時点でほんの少し悲しそうに揺れていた。
俺が死んでしまった時、ロイドだけが悲しんでくれなきゃいいなと思った。
――――――――
ただ衝動のままにロイゼロちゃんが愛しくなっただけです。雰囲気文章
PR
Comment